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米津玄師 2019TOUR/脊椎オパ~2020TOUR/HYPE

食べかけのまま捨てたあの夢と、この1年。

彼を知ったのは2018年。ズブズブとのめり込んでいく自分と、冷静に日常を過ごす自分が長いことせめぎあっていた。

彼の歌詞は楔(くさび)のように胸に突き刺さり、その亀裂は徐々に広がりを見せ、最終的には自分が崩壊する。大げさな表現のようだが、ほかに当てはまる言葉がない。

でも、これほどまで夢中になっていることに、正直、恥ずかしさも感じていた。若い方が綴った歌詞に…いい年をした大人なのに…。

「2019 TOUR / 脊椎がオパールになる頃」の頃、まだ足りない、まだ足りない、と彼の楽曲に対して衝動的に行動する自分と、ネットで繰り広げられるチケットに関する話題を、ただ冷静に眺めている自分。その両方が確かにいた。

自宅で一人で完結できる事(曲を聴く・歌詞を読む)と、家族の協力を得なければできない事(ライブに出かける)。そこには大きな違いがあった。

行かない選択をした3月10日。それは「行けるわけないと思い込んでいた自分」が取った選択だった。でもどうしても納得できていないかった。歌詞の楔(くさび)をきっかけに崩れ落ちた隙間から、もう「新しい自分」が顔をのぞかせていたから。

次のツアーには絶対に行こう。逃さないように情報収集をしよう。
そして「食べかけのまま捨てたあの夢」をもう一度取り戻そう。

「叶うはずもないと思い込んでいた自分」が最初からあきらめて挑むこともしなかった夢。ひとくちだけかじって味もわからないまま簡単に捨ててしまったあの夢。

ピースサインを初めて聴いた時から本当はもうわかっていた。

行けるわけない、叶うわけない、そう思って何もしなかった自分。
だから何も持ち合わせていない自分。もうどこにも行けない自分。
このままでいいのか?いいはずがない。何をすればいい?何ができる?

この1年で不思議なくらい大きな変化がもたらされていた。

情報の集め方はだいたいわかった。ちゃんと届くように発信されている。でも夢の方は思春期の頃と変わらず、大人になった今でも、何をどうすればたどり着けるのかなんてやっぱりわかるわけがなかった。まさに手探り。でも現代の手探りは、もともと検索窓という窓が開いている。以外にも簡単に、まずは新しい空気を取り込むことができた。

新しい空気を取り込んだ事で、風に乗って便りが届いた。夢の扉の場所が記してあった。以外にも近い。電車で30分の距離。あの頃見ていた夢の続きが、現実の世界で起こった。

信じられないが、夢の扉が一枚開いた。でもやはり現実。扉は一枚じゃないってことがわかってしまった。夢とは、長い長い道のりの事で、その途中に何枚もの扉があるものだったんだ。でもいい。それでいい。それがわかっただけでもいい。まっすぐじゃないかもしれないけど、進む方向がわかったんだから。

そうして右往左往をし始めた頃、もう「脊椎がオパールになる頃」のライブレポートが多数報告されていた。あの写真を見た瞬間に、昔のように言葉が浮かんだ。

【光の檻(おり)に閉じ込められた あなたを想う藍色の夜】

それからもたくさんの情報があった。ROCKIN’ON JAPAN 2019 7月号を読んだ後、また同じように続きを綴った。

【心の澱(おり)を濾過(ろか)するように 淡く透き通る夜明けを注ぐ
 滴(したた)り落ちては満ちないけれど それでもあなたは丁寧に笑った】

それからもいくつかの新曲と、インタビュー記事が多数届いた。
そして遂に、次のツアーの情報が解禁された。

自分が思う方法で、言葉を綴る。言葉を残す。その夢はまだ叶わないけれど、新しい自分に出会わせてくれた米津玄師、彼に今度こそ会ってみたい。

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