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『すまねえ魂』エレファントカシマシ

―宮本浩次 彼を突き動かすその原点とは―

エレカシと宮本浩次の曲と共に日々が流れ、季節が移ろってゆく。

エレファントカシマシ17枚目のアルバム「町を見下ろす丘」に収められている一曲「すまねえ魂」。
YouTubeにもアップされておらず、恐らくライブでもあまり演奏されていないであろうこの一曲に心奪われ、
鈴虫のねをバックに夜半何度となく聴いていると、これまで過ごしては見送って来た自分の歳月と重ね合わせて
宮本浩次、彼の原点であろう生命観とその誠実さに、改めて言葉を失う。

『すまねえ魂』 作詞:宮本浩次 作曲:宮本浩次

  ―歌詞―

  探してる 探し歩いてゐる
  何かを探してる
  探してる 今も探し歩いてゐる
  何かを探してる
  今あるこの自分が俺の全てだなんて思ひたくはなかった
  探してる 探し歩いてゐる
  何かを探してる
  訪ねてる 訪ね歩いてゐる
  何かを訪ねてる(何だらう)
  訪ねてる 何かを訪ね歩いてゐる
  何かを訪ねてる
  空だけやけに青くて
  彷徨ふ俺照らしてゐる
  彷徨ふ俺照らしてゐる
  訪ねてる 訪ね歩いてゐる
  何かを訪ねてる

  探してる 探し歩いてゐる
  何かを探してる
  探してる 今も探し歩いている
  すまねえ魂
  今あるこの自分が俺の全てだなんて思ひたくはなかった
  空だけやけに青くて
  彷徨ふ俺照らしてゐる
  探してた 探し歩いてゐた
  何かを探してた(さうだった)
  探して来た 何かを探し歩いて来た
  すまねえ魂
  すまねえ魂…

なんとシンプルな言葉の繰り返し。そして・・・“すまねえ魂 ”!!
紙上からは音が届けられないと言うこのはがゆさ。
哀愁をおびた、そう、私の好きでたまらない切ないメロディーに乗せられ繰り返される言葉。
しかし、伸びの良い旋律が一瞬大空へと我が身をいざなってくれる。
そして・・・“すまねえ魂 ”。

宮本浩次氏。彼はおそらく幾多の生を繰り返して来た事をあたりまえの様に受け止めているのであろう。
繰り返して来たそれらの生に於いても、彼の事だから精いっぱい音を音楽を言葉を追求し続けて来たに違いない。
この、今回の人生に於いても、その事に向き合う彼の真摯さとそのエネルギーには、励まされるのは勿論の事、
どうしてそこまで・・・との想いにふと駆られる時がある。言わば凡人の私には、時に切ないとさえ感じられるのだ。
才能に溢れるがゆえに、天才であるがゆえに、一つの“道 ”を歩き続ける事を運命付けられた者の宿命なのか・・・
とさえ想う時がある。けれどそれは、おそらく彼にとっては当たり前の事なのだろう・・・とも。

この曲を聴いて、その想いが少し変わった。
この人生に於いても成し遂げなければならない事をなかなか成し遂げられないもどかしさ。
それを彼は“すまねえ魂 ”と自分の魂に詫びている。
なんと言う誠実さ。自分とそこまで向き合う自分に対する厳しさと誠実さ。
その誠実さが、“人 ”にも向けられているのだと、改めて彼の奥底の優しさに納得がいく想いがした。

この作品を制作してから今日まで、その歳月の中での彼のたゆみない努力と経緯。
彼が何を何処を目指しているのか・・・彼以外知る由のないところではあるが、
私には彼が時代を超えた伝説の人となるのは周知の事実であって、きっとおそらく、彼が目指しているものは
もっと時空を超えた・・・彼のつむぎ出した音は天樂の様にいつしか吹き渡る風と同化し、
彼の語り続けた、人々を励まし続けた詩歌は、星々の様に時を超えて今後も人々に光を与え続ける事であろう。
そして、幾多の生の繰り返しの、その先に、彼自身が光となってしまう事を、一方ではブラボーと思いながらも
一方では、いつまでも私達に寄り添っていてくれる、愛おしいミヤジでいて欲しいとも・・・思ってしまう身勝手な自分がいる。

ともあれ、昨日も今日も明日も、私は、おそらく私達は、エレファントカシマシと宮本浩次の曲で一日生きているのです。
  

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