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横浜での夏の終わりの一夜、その夜が永遠だったらよかったのに。

スピッツ 横浜サンセット2013から早6年

ぶっちゃけそれは9月の半ばのことなので、夏というには多少遅すぎる1日だったのだけど、それでもあの年の夏の終わりは、私にとってあの日だった。

2013.09.14 横浜・赤レンガパーク野外特設会場

その年の夏は暑くて、台風が来るという予報があった通り、その日は風が強い日だった。幸い台風は逸れてくれたので、予定通りの開催となった。

私は12:00くらいに横浜は赤レンガ倉庫辺りに着いた。その時にはもう大勢の人がいてお祭り前みたいになっていて、私は経験したことのないその空気感に困惑しつつも、周りの会話に耳をダンボにして歩き回って、素人感を出さないように一生懸命ひとり情報収集をした。
グッズ販売は長蛇の列だったけど汗をかきながら並んで、あと1m進めば買える…というタイミングで目当てのTシャツがSOLD OUTになり一瞬絶望したけど、めげることなく別のTシャツとタオルを無事購入した。

しっとりした空気に包まれた夏の夕暮れ、風がステージ上のバックドロップを揺らすとライトや西日を反射してキラキラと光る。空が暗くなってくると、黄色い半月が雲間から顔を出し、カメラがそれをドアップで抜く。会場外で、音漏れ(漏れるっていうか屋外だから丸聞こえなんだけど)を聴いている人たちには見えないもの。でもその空の色の移り変わりとそこで聴く彼らの音楽は、そこにいるすべての人をきゅんとさせたと思う。

草野さんの歌声はCD音源のとおりで、﨑ちゃんは楽しそうにドラムを叩いていて、三輪さんは淡々と演奏していて、田村さんは跳び回っていて、演奏については私はコメントできるような知識を持っていないんだけど、とにかく私の目に映った4人は、私が耳にしたその音は、私が幼い頃からずっと好きだったスピッツそのもので、ああこの人たちはこうやって20年以上演奏してきたのね、私が見ていなかっただけで、って思ったら、その瞬間まで「ライブに行く」という発想もなく過ぎてきた何年もの時間が悔やまれた。その日のセットリストはもう、横浜という街に、港町の夕暮れに、夏の終わりの街の光にパズルのようにピタっと嵌りそうなくらいだった。その後何回スピッツのライブに行ったか分からないけど、その中でも圧倒的にお洒落で、大人っぽくて、夏の終わりにふさわしいセットリストだったと思う。ヒット曲やシングルカットされた曲は少なく、ロックナンバーを序盤から出し惜しみせず、昔の曲も新しい曲も関係なく、全部の曲を、その場の空気感と共に堪能できた、ような気がする。

アンコールが終わったあと花火があがって、ああ夏が終わってしまった、っていう実感がこみ上げてきて、ものすごく惜しくて。この花火をメンバーも同じように見上げているのなら、このままずっと打ち上げていてほしいと、同じ空間にいるこの時間に、終わりなんて来ないでほしいと、過ぎていく一秒一瞬が惜しくて仕方なかった。

<スピッツ 横浜サンセット2013>。それが私にとって初めてのスピッツワンマンライブ。

6年前に、ちゃんと当時の感想書いておけばよかったと後悔したので、今これ以上一秒も記憶が古くならないうちに、と思ってあの夜に想いを馳せました。

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