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何度だって結び直してくれ

BUMP OF CHICKEN tour2019 aurora arc 京セラドーム公演に寄せて

勝手に好きになって、勝手に距離を取る。挙げ句の果てに嫌いになる。本当に人間は勝手だ。

バンプを好きになって10年以上が経った。それこそ文字通り、毎日聴いた。バンプは私にとって大切な存在だったし、大好きだった。

過去形で述べているという事実で、ずっとそうではなかったということを理解してほしい。比較的すぐに分かってしまうことなのだ。自分の理想通りに相手が進んで行ってくれないということに。

荒削りの楽曲が好きな人、暗い歌詞が好きな人、そういう要素は比較的すぐに無くなってしまう。やはり、出会いはどうしても印象に残るし、聴き込めば聴きこんだだけ思い入れが深くなる。
そこに進学や就職関係の辛さや忙しさが加われば、あら不思議、ツマラナイ音楽へと勝手に変身してしまう。
 

私がバンプのライブに参加するのは2012年のGOLD GLIDER振りだった。9/12の京セラドームに参加したのだが、純粋に「楽しむ気持ちだけ」を持ってライブに参加することは出来なかった。

単純に7年の歳月が経った。その間を埋めることができず、楽しむことができなかったらどうしようと思っていた。そうなってしまった時、大好きなものが好きと感じられなくなった時、絶望し、その現実をを受け入れることができるのだろうかと考えてしまった。

aurora arcを良いと感じたのも、9月に入ってからだった。14曲中、既発表曲が12曲。
アルバムと捉えて良いのかどうなのか、素直に悩んだ。そして実際に、初めて聴いたときはすんなりと、受け入れることが出来なかった。
しかし、前述した通り9月に入ってからだった。aurora arcと私が見事に合致したのである。

Auroraがキーになり、話がしたいよ が私を包み込んでくれた。優しいだけではなく、傷口がヒリヒリ痛むようなアルバムに変化したのだ。

働くことは辛い。学校も、きっと育児も。生きるということは辛い。
でも辛いことがあるからこそ、楽しいことを目標にして日々を乗り越えられるのだと思う。

待ちに待ったaurora ark tour当日、冒頭に書いた不安な気持ちと、それ以上にソワソワした気持ちを抱きながら開演を待った。
最近の定番であるらしいピクスモブを手に付け、私にしては珍しく直前までaurora arcを聴いていた。

スクリーンに4人の姿が映され、とうとう来たと思ったら何故か泣いてしまった。10秒もかからなかった。ここまできていたのか、と感じたら自分のことながらウケてしまった。
 

どうしてこんなに染みてしまうのだろう。胸がときめいてしまうのだろう。14歳の時に聞いたあの日から、いやあの日よりももっと。出会った曲たちが輝いて愛しく感じる。
 

ライブも中盤にかかる頃、藤原が「もうこの曲か」と呟いた。この言葉に含まれている
「ライブが楽しい」という気持ちは、メンバーもファンも恐らく同じで、大好きな人たちと素敵な空間を共有できることを心から幸せに思っているのだと思った。
 

ステージの上を行ったり来たり、歩いたり走ったり。行けるところまで行って、次の曲の為に定位置に戻るメンバーが愛しくて、何度も笑顔になってしまった。
 

aurora arc収録楽曲である新世界。曲中に何度もでてくる「ベイビーアイラブユーだぜ」。
「こんなこと、一番言わなさそうだよな」昔の私であればそう感じて、「っぽくない」としてしまうだろうが、変わっていくことは全く悪いことではない。
むしろ、rayで「生きるのは最高だ」とバンプが歌ってくれるだけで、救われる人がどれだけいるんだろう。辛い気持ちに寄り添ってくれることを良しとし、変わっていく相手を悪とする、そういう人間は一定層いて、それは悪いわけではない。
でも、実在している大好きな人たちが希望を持って「生きるのは最高だ!」と声高に叫んでくれる現実に、私は救われたのだ。

「おやすみ!」と叫びながら捌ける藤原に思わず微笑んでしまう。大好きなアルバムになったaurora arcと何度も何度も一緒に泣いて、支えてくれた曲に、また出会えたことが嬉しかった。
なにも不安になることはなかったんだ。バンプはずっと私の大好きなバンプだったんだ、そう確信した。

aurora arcは秋だ。7月にリリースされたアルバムなのに何を言っているのだと感じるかもしれない。でも私にとって、この心地よさとヒリヒリする感覚は秋なのだ。
秋に、このツアーに参加できて本当に良かった。バンプに出会えて良かった。aurora arcが生まれてくれてよかった。
大好きな人たちの、大好きなアルバムのツアーに参加できたことが本当に幸せだと思う。ずっと忘れたくないし、きっと忘れられない。

スクリーンに映る藤原の横顔は、ちゃんと歳を重ねた姿だった。私もバンプも、年に1つ歳を取る。でもそれがちゃんと、バンプも私も歳を重ねてきたこと、ちゃんと生きていたことを表してくれるようで、嬉しかった。

バンプが歩んできたこれまでと、私と出会ってからのこれまでと、そしてこの先に続いていくバンプと私の物語がこれからも続いていくんだろう、そう感じさせてくれた。

解けてしまいそうでも、何度でも何度でも。
バンプは私とのリボンを、ちょっとふざけながら、笑いながら結び直してくれるんだろうなと強く思った。
 

11月の東京ドーム公演まで続くaurora ark tour。沢山の人に見届けてほしいし、一人でも多くの人に今のバンプを体感してほしい。そう願わざるを得ない素晴らしいライブだった。

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