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私とサザンとロッキング・オン

21年間変わらなかった、唯一の愛。

 皆さんには、人生をかけて愛したものはありますか。格好良く、「妻や彼女だ」と言える男の人もいると思うし、「特に人生かけて好きなものはねえなぁ」という人も多いだろう。はたまたこの文を読んでいる皆さんは、音楽が好きだったり、ライブが好きだったり、特定のバンドが好きな人もいると思う。
 

 私は、現在21歳。普通の大学4年生である。大学4年になると大きな人生のターニングポイントを迎える。「就活」である。またの名を就職活動。就活とは自分を売り込まないといけない。学生時代に力を入れたことや、志望動機はもちろんのこと、自己PRや、自己紹介まで考えていかないといけない。就活でそんな自己分析をしていた私であったが、なかなか誇れることも思いつかなかったし、強みもなかった。ただ、そんな21年間の人生の中でも、私は唯一胸を張って言えることがあった。それが、
「21年間の人生で変わらず、サザンオールスターズが好きだ」
ということだった。

 両親の影響を受け、小さい頃から、いや、母のお腹の中にいた時からずっとサザンを聴いてきた。胎教の効果絶大で、深層心理にすり込まれていたのだろう。物心ついたときには、好きなアーティストはサザンと言っていた。
そうやって過ごしてきた21年間。年を重ねるにつれ、いろんな音楽に触れたし、様々なアーティストを知った。サザン以外の素敵なライブにも行ったし、音楽を通して最高な思い出も作れた。ただ、好きなアーティスト、愛したアーティストは変わらなかった。中学、高校、大学時代の友達にもサザン好きは知られているし、先生にも知られているくらい僕のアイデンティティになっていた。
 2018年11月。私の就活の中で、大きな思い出が出来る。ロッキング・オン・グループのインターンの書類選考に通ったのだ。インターンとは、会社見学のような業務体験のようなもののことである。まさか通過するとは思わず、通過通知を見た時は飛び跳ねた。去年のロッキンにサザンが出演するという情報を見た時くらい飛び跳ねた。
書類選考を通過した私は、本社で行われた説明会に参加した。それまでも何社かインターンに参加していた私だが、こんなに楽しい説明会は初めてだった。お土産もついてくる、音楽好きにはたまらない説明会だった。そしてその後の選考を通過した私は、面接へ。当時インターン担当だった女性社員さんと、元エースライターの男性社員さん2人と話した。予定時間を上回るほどお話しでき、夢のような時間だった。無事、面接も通過。年明け、インターンシップに参加した。1日、短い時間ではあったものの、こんな本気になれたインターンはなかったし、死ぬ気でロッキンで働くチャンスを掴みたかった。
 そして迎えた本選考。渋谷社長や山崎編集長などそうそうたる面々を前に、自分の音楽愛、サザン愛を語った。1週間後、結果は不採用だった。自らの目を疑い、持っていた携帯を疑った。ロッキンで働くことを疑っていなかったから。
 メールを頂いた時に流れていたのは、サザンオールスターズの「YOU」だった。私はこの歌が一番好きだった。イントロの爽やかさと、サビの「I remember you and wonder where you’ve gone」という歌詞がたまらなく好きだった。私の気も知らず、どこかへ行ってしまう人を思った歌詞なのだと勝手に解釈しているのだが、もし間違っていたらごめんなさい。そんな私の好きな歌が嫌いになりそうだった。今でもあの瞬間はあまり思い出したくはない。私は、どうしても理由が知りたかった。ずっとお世話になっていた元エースライターの男性社員から言われたことは、
「バックグラウンドが違うから。」
という言葉だった。
最近はあまり耳にしない方も多いかもしれないが、ロキノン派という言葉を知っているだろうか。厳密な定義はないのだが、よくROCKIN’ON JAPANに登場していたアーティストが含まれ、今で言う邦ロック好きな人が好むバンドなどが比較的このくくりに含まれる。例えばバンプとか。
私はこのロキノン派に当てはまらないアーティスト、サザンを愛していた。21年間のサザン好きは、育ってきた環境、言わばバックグラウンドとして異色だった。そして、サザンへの愛が私にとって初めて足かせとなっていたのだった。
 そんな私も無事に他社から内定を頂いた。結局サザン好きを変える事はなく、今年のライブツアーにもきちんと参加した。おそらく、21年間からまた月日を重ねて30年、40年とサザンを愛していくのだと思う。やっぱり私はサザンファンをやめられないらしい。ここでかっこよく、サザンの歌詞に絡めることが言えれば良いものの、その才能がどうやらないらしい。

 あえて、私がロッキング・オンの運営するサイトでこのことを言ったのは、ロッキング・オンへの恨みや誰かから同情を得たかったからではない。むしろ、成長させてくれたロッキング・オンには偽りなく感謝しかない。ずっとお世話になった元エースライターの方にはなんと御礼して良いかわからない。
決して、ロッキンに迎合したいわけでもないけど。
なんとなく今年をまとめていて、ふと書きたくなってしまっただけ。欲を言えば、入賞はしてみたい。こういう欲深いところが良くないのだろう。また書きたくなった時に書いてみようと思う。
 ロッキング・オンに入りたいと思っている人達へ1つ言うとするなら、たくさん音楽を聴いて、好きな音楽を一杯持っていた方が良い。ロキノン派、非ロキノン派は関係ない。そして、音楽の思い出を一杯作った方が良い。いつか意味がわかると思う。

 ここで自分に対して、そして少しでも読んでくれた皆様一人一人に、何があっても曲げない愛を持って頂きたかったから書いたのかなと思う。自分はアーティストのようにかっこよく言うことも出来ないし、発信力もない。ライターのように世の中へ訴求する力もない。けど、自分の思いを素直にぶつけられる能力と愛したものへの気持ちは強いと思っている。
周りにきもいと思われても、時代に乗り遅れていると言われて後ろ指を指されても、貫いたって良いじゃない。自分の働きたかった会社へ自分の愛のせいで仮に入れなくても、自分のやりたかったことが仮に自分の信念のせいで出来なくなったとしても、やれるところまで自分の愛を、信念を、貫いてみよう。そしてまた好きな歌を聴いて、立ち上がれば良い。そう自分に言い聞かせる。
 

 最後に親愛なる彼女へ。
  「大丈夫、音楽はあなたを裏切りはしない。」

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