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地図を描く、その先に

ストレイテナー「Blank Map」に寄せて

私がストレイテナーと出会ったのは2007年ライジングサンのアーステントだった。
人生初の、フェスだった。
大学生の頃、バイトで貯めたお金をライジングに注ぎ込み、夢にまでみたフェスの世界だった。
その時の1番は、ELLEGARDEN。丁度幕張メッセでのライブを経て、また観られるとあってテンションはブチ上がっていた。
その時、ストレイテナーの名前は知っていて、SNS経由の友達にオススメされていた。しかし、その時に出ていたアルバムがLINEARで、なんとも初めて聴く分には「???」だったため、とっつきにくい印象があった。
しかし、ここワンマンではなくフェスの世界。
ストレイテナーはエルレとアジカンとも並び評されることも多かったため、試しに観てみる事に。

ここで、ストレイテナーを観た事で、今の私が居ると言っても過言ではない。
過去の自分、よくやった。

端的に言えば、ストレイテナーのアーステントは荒く、叩きつけるような、若さが有り余ってます!というようなステージだったように思う。だが、たった3人とは思えない熱量と音の厚さに驚き、気づいた時にはバーサーカーで前に出てモッシュの中にいた。
新曲「ALIBI」は、今でも聴いた時の衝撃が残っている。
すごかった。エネルギーが。
アーステントの特性上、ステージが低いので殆どステージが観えないのだが、そんなモノどうでも良くなるような、そんなライブだった。音だけでこんな風になれるなんて。初めての感情で、終演後しばらく立ち尽くしていたと記憶している。

そこから、大学での実習と国家試験勉強でバイトができなくなり、ライブの遠征は2年ほどストップしていた。その間に愛してやまないELLEGARDENは活動休止となり、心の中の穴がポッカリと空いた状態。とても、ロックを聴く余裕なんて無かったけど、ストレイテナーが4人体制になることを知って、その出来事は唯一音楽でワクワクした瞬間だったと思う。
Nexusツアーは、前述の通り忙しくて行けなかったが、なけなしのお金でDVDを買い、いつかワンマンに行きたいと願い続けてきた。
それが叶ったのが、CREATURES PARADE TOURだ。
新卒一年目、漸く再会できたわけだ。
CREATURESも中々のクセがあったが、出会いのLINEARよりも、更に濃くて私は好きだった。
そして、どの曲もライブで化けた。カッコいい。音が、パフォーマンスが、どれをとっても2007年のライジングと比じゃないくらいカッコいい。OJが加入したストレイテナーはとんでもない進化をしていた。

このバンドは、定期的に観なければ”見逃してしまう”バンドである、とその時気づいた。
その時々、最高のパフォーマンスを惜しまない人達であるということが嫌というほど分かったのだ。

そこから、時間を見つけては定期的にライブに通うようになった。年に一回は、必ず観ると。

仕事で体調を崩した時も、失意のまま地元に戻った時も、いつもストレイテナーだけは聴いていた。年に一回のテナーのライブも、観に行き続けていた。
よく、年齢が上がると一旦は好きなものと離れてしまうと良く聞くが、私にはそれがなかった。

そして、2018年。
ストレイテナーは、20周年を迎え、トリビュートアルバムも出したし、新しいアルバムもリリースされツアーも発表された。

周年だ。私の心の拠り所だったバンドのお祝いをしなくては。
ありがとうと今言わなくていつ言うんだ?
そう思った後の行動は早かった。
地元に居ては、周年ツアーに行くにしても時間がかかる。よし、札幌に住もう。ツアーも一本以上いってありがとうを伝えよう、と。

今となっては「何故そのような考えに?」と思うが、その当時はそれが正義とばかりに引っ越しも転職もパッパと決めた。
何か、確信めいたものがあった。
あまりに環境を変え過ぎて、間違っていただろうか?と思った時に「The Future Is Now」と出会う。過去を変えていく未来に、自分がしていくんだと。初めてライブで聴いた時は、泣き喚き過ぎて呼吸できずしんどかった。
そして、ライブで聴く回数が増えると共に、笑顔で聴ける自分に気づく。そうだ、この今が、「過去に描いてた未来」だな、と。
酷く多幸感に包まれていたことを思い出す。

そして、20周年ツアーも終え、幕張メッセのライブも終わり、ありがとうを伝え切ったと自分でも思う。

2019.8.16
ライジングサン1日目が、台風により中止になり、楽しみにしていたテナーのステージが観られず号泣。
なによりも、出会いの場であるアーステントでテナーが観たかった。
次の日、「本当はライジングで発表したかったんだね」と、ホリエさんのインスタでミニアルバムとツアーの発表があり、ライジング2日目、現地で大号泣した。

2019.9.29
ライジングサンでの悲壮感漂う中参戦した、中津川ソーラー武道館では、嬉しいことがあった(元々中津川には行く予定だった)。
「ライジングサンが台風で中止になって。中津川も同じ太陽のフェスということで、ライジングサンでやるはずだった曲をやります。太陽の曲です。”クラッシュ”」
図らずも、ライジングサンに敬意を表するように、太陽の曲をやってくれたのだ。
これまでも、大概好きだと思っていたが、まさかその上があるなんて思わなかった。
大好きだ、と改めて思った。
ストレイテナーはいつもそうだ。何か、自分だけの特別なギフトをくれる。
この恩をどう返そうか、それは聴き続ける事だろう、と思う。

2019.10.9
何故2007年の出会いから今までの事を振り返ったかというと、この日「Blank Map」というストレイテナーの新譜が発売されたからだ。
20年やってきて、また真っ新な地図とはストレイテナーらしいなと思いつつ、まだまだ進化をしてくれるのかな、という期待を持たせる表題だ。
そして、見事に全ての曲で全方位出来ますから、という気概すら感じる。確実にストレイテナーらしさが詰まったミニアルバムになっていると感じる。

新譜発売に伴う「Drawing A Map TOUR」とは、何とも粋なツアータイトルだ。これからの地図を一緒に描けるのは嬉しい。

吉祥寺のMVを観て、思ったことがある。

もし、2007年の出会いの年にストレイテナーが解散したら。

恐らく、エルレも活動休止していたし、しばらく音楽を聴かなくなっていただろう。
ライブなんて、絶対に行かなくなっただろうし、今では毎年のように行くライジングサンすら、行かなくなった可能性が高い。
周年をお祝いするために転職も札幌に出てくる事すらしなかっただろうから、今のように幸せだなぁ、なんて感じる事なく燻っていただろう。
今も地元で、何が幸せなのか分からない生活をしていたかもしれない。

書いていて恐ろしくなる。ストレイテナー様々である。

Blank Mapのその先は、20年の積み重ねと新しい事の始まりを予感させる。
願わくば、ずっと平和に、表現を縛られる事なく、彼等らしい音楽をずっと積み重ねて欲しいと願う。

新しい地図を共に描けることを、光栄に思う。

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