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これまでもこれからも、全部同じこと。

星野源 Same Thing-EP

 星野源のNew EP、Same Thingがリリースされた。初のコラボ楽曲を含む4曲のリリースは、彼の新しい一歩を予感させるものだった。

 2018年12月にリリースされたアルバム、POP VIRUS は、それまでの彼の音楽活動の集大成と言えるものだった。
 自分の大好きな音楽を、「星野源」というフィルターを通し、日本人のポップスというかたちで昇華させる。多くの人が無理だと思っていたことを、彼は最もスマートにやってのけた。そうして作られた音楽は、あらゆる世代の音楽ファンを魅了した。

 そのアルバム、POP VIRUSの名を冠したドームツアーは、凄まじいものだった。その完成されすぎた世界観に、これ以上が存在するとは思えなかった。私は「彼は音楽を作るのを辞めてしまうのではないか?」という恐怖すら覚えた。

 しかしそれは、彼の音楽の終わりを示すものではなかった。

 Same Thing – EPでは、Superorganism、PUNPEE、そしてTom misch とのコラボ楽曲が披露された。
 今までの星野源の楽曲の特徴は、作詞・作曲・編曲を全て自ら行う、というものだった。
 実際、彼が今までに楽曲提供を受けたのは、ファーストアルバム「ばかのうた」に収録されている、細野晴臣さん作曲の「ただいま」、アレンジを全て他の人にお願いしたのは、病床当時のアニメ映画タイアップで、亀田誠治さん編曲の「ギャグ」のみである。彼の「自分の音楽を作る」というこだわりは、ソロ活動を始めて以来、断固として守られてきたものだった。
 しかし、彼はコラボというかたちを取ることで「こだわり」を放棄した訳ではない。単に、そこに固執しなくても「星野源の音楽」を作ることができるからだ。

 このEPの4曲目は、彼の原点ともいえる弾き語りだった。決して明るいとは言えない歌詞。淡々と、しかし確固とした意思を持つ歌声。ばかのうたの時から変わらない姿勢が色濃く滲み出ている。
 普通ならば、一人きりで作ったこの歌は、EPの中では独立した、異質な存在になってしまうであろう。しかし、4曲集まったときの一貫性は、本人も意図しなかったところではあるかもしれないが、歌詞においても音楽性においても確実に保たれている。彼は、コラボレーションをしても、本来持っている形を見失わなかった。むしろ、今まで表現してきたことを、さらに豊かに描き出す手法を手に入れたのだ。これは、彼の音楽世界「イエローミュージック」がある程度の目標に到達したからできることだ。POP VIRUSが出来たから、今の形があるし、この音楽がより輝いている。

 Gen Hoshinoは星野源と別人なのではなく、星野源が進化した訳でもなくて、星野源という人間、そして音楽の一つの形に過ぎないのだ。

 DOME TOUR 2019 “POP VIRUS”東京ドーム公演で、彼はこんなことを言っていた。「これからも面白い音楽を作っていきますので、よろしくお願いします。」
 星野源の音楽は、まだまだ始まったばかりだ。

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