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2017年6月30日

青島もえ (22歳)

蜘蛛の糸を登って、燃やしてやりたい人がいる

筋肉少女帯、「蜘蛛の糸」に共感するような可哀想なバカから

「大丈夫 大丈夫 大丈夫 大丈夫
大丈夫 大丈夫 大丈夫だよねぇ…」

こんな歌い出しで始まる。
筋肉少女帯の【蜘蛛の糸】という曲を聴いて共感する人は決して明るい学生時代を送ってきた人ではないだろう。
 

こんなに「大丈夫」を連呼してはいるが、もちろん励ましているわけでも自分を奮い立たせようとしているわけでもない。

筋少らしく言う所の、「ダメ人間」「赤ちゃん人間」である、この曲の主人公(それはオーケン自身であり、筋少を聴くような精神状態に追い込まれた私達でもある)が自分を落ち着けるために「大丈夫 大丈夫 大丈夫 大丈夫 大丈夫 大丈夫 大丈夫」とひたすら繰り返しているのである。
 

ちなみにこのフレーズはこの曲に何度も出てくる、この曲の核となるフレーズである。
 

気が狂いそうな「大丈夫」の連呼が終わると、この少年がここまで追い込まれた理由がどんどんでてくる。
 

「友達はいないから ノートに猫の絵を描く」
「友達はいないから やせた子猫の絵を描く」
「くだらない君たちの中で 僕は貝のように黙った」
 
 

そしてこの少年のことを周りの人たちは
「あの人は暗いから話しかけるの止めとこう」
「あいつはあぶないから話しかけるの止めとこう」
と言っているのであった。
筋肉少女帯を聴くようになった私は、自分も学生時代同じことを言われていたことを思い出しドキッとしてしまった。
 

そしてここでここでサビ。

芥川龍之介の「蜘蛛の糸」に出てくるカンダタのように、いつか自分の元に蜘蛛の糸が降りてきたら真っ先に登ってやろうと言う。
 

真っ先に登って、全部を見下ろして、見下して、燃やし尽くしてやろうと言う。
 
 

私は毎日、何もかもに屈しながら生きている。
泣きながら「すみません、すみません」と謝りつつ、心の中では「こいついつか、絶対にぶっ殺してやる」と思っている。
 
 

主人公と同じだ。
「蜘蛛の糸を昇って、いつの日にか見おろしてやる。」
「蜘蛛の糸を昇って、いつの日にか燃やし尽くしてやる。」
 
 

そして2番。
 

「それでもなんだかみんながボクを笑ってる気がする…」
 
 
 

結局、私たちは世間を裏返すような復讐はできないのかもしれない。
 

ここで冒頭に記述した、大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫…の連呼が繰り返されて曲は終わる。
 
 

【筋肉少女帯】というバンドが好きな人を集めて内容を飾らせずに履歴書を書かせたい。

私が問う全ての質問に本音で答えてほしい。
 

今までの人生が、楽しかったか?
充実していたか?
友達はたくさんいるのか?
学生時代が最高だと思ったか?
恋人はいるのか?
誰かを殴ってやりたいと思ったことがあるか?
誰かを殺したいと思ったことがあるか?
いつか殺したい相手がいるか?
自殺しようと思ったことがあるか?
自分のことを好きだと言えるか?
自殺しようと思っているか?
 
 
 
 

きっと、今も昔も色々あったけど幸せだ!
と言える人は筋肉少女帯を聴かない。
蜘蛛の糸にここまで思いを焦がさない。
 
 

まわりの人たちは楽しそうに笑っている。
きっと電車を見るたびに飛び込もうと思って
生きているわけではないだろう。
私が心の底でバカにしていたような人たちが
どんどん幸せになっていく。
いちいち小さなことで苦しみ、嘆き、吐くまで酒と精神薬を飲み、
それでも何もできない私は、貝のように黙っている。
 
 

大丈夫 大丈夫 大丈夫 大丈夫 大丈夫大丈夫
大丈夫だよね…

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