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本物のキース・リチャーズの傍らでギターを弾く相棒

ローリング・ストーンズはギター弦を巻きつけて転がってゆく

キース・リチャーズのローリング・ストーンズに於けるギタリストの相棒と云えば、初期はブライアン・ジョーンズ?ブライアン・ジョーンズを相棒と言えないのは初期のストーンズが二つのギターを合わせた音楽をバンドとして為していなかったからだ。

明確な相棒としては1970年代の途中まではミック・テイラーが務め、それ以降はロン・ウッドが担う。
どの時期も興味深いバンドサウンドが聞こえる。
ギターバンドを知りたいなら、これらの二つのギターのコンビネーションを聴いてその面白さに気付いてみるのがいい。

ミック・テイラーの時期のストーンズは、リチャーズとテイラーの役割が分かりやすく聞こえた。キースは熱いギターをミック・テイラーに任せていて、自分はもっとそこを弛ませた、外しのギターを鳴らしているという面がある。

そこを逆転させた曲を思い出せば、”Bitch”ということになるのかもしれない。
リズムとギターリフを弾くミック・テイラーも晴れ晴れとしているが、狂犬のミック・ジャガーを押さえてギターソロをスライディングさせるキース・リチャーズがいつになく破裂している。

テイラーとリチャーズの明確な分担を感じさせる”All Down The Line”は、テイラーがスライドギターを弾くので、切り込む二つのギターの違いは分かりやすい。
ギター云々よりもこの曲は、歌入れの熱量とコーラスのキメ方、ブラスセクションのタイミング、ギターの入り方が絶妙に配置されているのが素晴らしい。これをひとたびスピーカーから鳴らせば大興奮は必至である。

“All Down The Line”の曲と同じ時期の名曲、”Tumbling Dice”に於けるリチャーズとテイラーのギターの振り分けはかなりの感動を及ぼしてくれる。リチャーズの外しの美学がここでは遺憾なく発揮される。ここでもミック・ジャガーの歌とコーラスの入れ方は絶妙にミックスされていると思う。その高揚に挟むキースのギター奏法の情緒は、それこそ本物らしく涙ぐむほどあったかい。

キースの名作、”Happy”をよく聴けば、二つのギターが同じ感触で鳴るのが分かる。ミック・テイラーとキースの違いがわからない。よくよく調べるとキースだけでこの二つのギターを録音していると知った。

一方で、
ミック・テイラー後のストーンズに入ったロン・ウッドとキースのギターの役割がどういうものか?それを区別するには、どうもあやふやな感触がある。

“Summer Romance”という曲を聴けば、リズムとソロは別々ではあるけれど、音の響き方にあまり差がない。言うなれば音色が似ている。
どちらが弾いても良いという感触こそが、ロン・ウッドとのコンビネーションの感覚なんだろう。

役割が自由になったかのような二つのギターは、スピードと荒らさという面で、より勢いを増していっているのかもしれない、と聴きながら思った。

そういう考えを決定付ける名演を発見した。発見というのは大げさ、ただ気付いただけだ。

ストーンズのアルバム、今までにベスト盤が多く出されている。それらの編集盤のなかでも、レアな音源をベスト盤のように組み合わせた「Sucking In The Seventies」というアルバムがある。

そこには見落としがちな、ライブバージョンによる、”When The Whip Comes Down”が入っている。

この曲のオリジナルが入っているのは「SOME GIRLS」で、それこそパンクに影響されたと言われるストーンズは好調な勢いを感じさせるものだ。

しかし、「Sucking In The Seventies」に於けるライブバージョンの”When The Whip Comes Down”は驚くべき激しさである。ギターソロは超絶にキレている。ストーンズらしからぬというくらい爆発的に弾けるバンドサウンドも熱い。パンクスを余裕で蹴散らす、この日のストーンズの演奏が他にもないのか、ぜひ聴きたくなる。

ギターを弾くならストーンズの二つのギターを組み合わせた展開はきっと参考になる。

それが取るに足らないものであったにせよ、くだらねえと吐き捨てるのがロックンロール。くだらねえロックンロールをくだらねえと言われたって何ともないだろう。
ロックンロールは転がってゆくもんだ。
傷だらけでも血は流さない。
暴力を淘汰するほどの激しさこそがロックンロール。

平和だからこれが聴けるんだというのも分かっておきたい。

本物のキース・リチャーズは格好いい。
相棒を立てる男気があるだろう。
目立ちたがらないようなキース。
良いとこ取りなんてしないだろう。
それが格好いい。
 
 

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