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LILI LIMITと私

はじめてバンドを好きになった時の話

そのバンドとの出会いは、偶然だった。

それは、私が高校3年生のとき。テスト期間だったその日は、昼ごろに帰宅し、いつものFM局で音楽を聴いていた。

惰性で聞き流す中、一つの曲に耳がとまった。
その曲は、Living Room。その日はアルバムのプロモーションのため、そのバンドのメンバーがゲスト出演していた。それがLILI LIMITとの出会いである。
今からちょうど3年前ごろのことだ。

当時スマホや携帯電話を持っていなかった私の情報源は、もっぱらラジオかテレビ、そして許可を得て母のパソコンを借りるくらいだった。
もちろん、曲名やアーティスト名を覚えていなければネットで検索はできないし、CD屋でも探せない。私が当時出会えていた音楽は、特に強く記憶に残ったものだけだった。

LILI LIMITが、わたしにインパクトを与えたのは間違いない。アーティスト名も、曲名も、頭にこびりついたままテスト勉強をした。

後日、いざLILI LIMITを検索。ミュージックビデオを見つけ、再生してみると、LILI LIMITの世界観にあっという間に引き込まれた。軽快でキャッチーなバンドサウンド。それでいて個性的な音作り。楽曲に完璧にマッチし、かつ楽曲の良さを引き立てる映像。他の曲も、漁る様に聴いた。

3日後くらいには、アルバムの初回盤を予約していた。

LILI LIMITの最初で最後のフルアルバム、a.k.aは2016年10月26日に発売された。

発売日の前日にいわゆる「フラゲ」をした私は、家に帰ってすぐに開封し、CDを再生した。a.k.aからは、彼らの作品への並々ならぬこだわりが感じられた。

まず、その音づくりに驚かされた。声を楽器の様に扱い、歌詞の発音すら音色と捉えている様な語感。曲によって変化させる、多彩な音色。一緒に口ずさむときの気持ち良さは格別だ。
歌うのは難しいけれど、“Space R”が特にお気に入りだ。まるでインストゥルメンタルのような、現代音楽のような、テクノポップのような、ビートの一部としての歌声。いわゆる「5人組バンド」がこんなに自由に曲が作れるのかと、心が躍った。

楽曲はもちろんだが、歌詞カードの工夫にも驚かされた。

このアルバムは、曲数の13になぞらえ、トランプタワーがジャケット写真になっている。このタワーは、よく見るとトランプではなく写真の印刷されたカードで出来ている。パッケージには、このカードが封入されており、そのカードの裏に歌詞が印刷されている、という仕掛けだった。このアルバムに限らず、LILI LIMITはそのアートワークでも個性を発揮していた。

それまで歌詞に頓着しなかった私が、歌詞をよく読みながら曲を聴くようになったのも、LILI LIMITの影響だ。カードに印刷された歌詞は、詩としてそれ単体でも成立していた。音の面白さだけではなく、言葉の豊富さ、面白さ、活字にしたときの美しさに至るまで、全てに感動した。

アルバムには、ツアーの告知のチラシが入っていた。ツアーファイナルは、東京の代官山UNIT。これが、私にとって人生で初めてのライブになった。

それからは、2018年の解散まで、ライブは出来る限り行ったし音源は全て購入した。どの作品も、期待値以上のLILI LIMITを見せてくれたのは言うまでもない。

先日、ふとディスコグラフィーが見たくなり、ブックマークしてあったLILI LIMITのホームページのアイコンをタップした。
しかし、画面にはエラーのメッセージが表示されるだけだった。

私は彼らの解散に不満はなかった。むしろ、LILI LIMITという音楽や、メンバー個人がそれぞれ持っている理想に対する敬意の結果だと思ったから、すぐに受け入れられた。もちろん未練なんて無いと思っていた。

しかし、いざLILI LIMITが居たという痕跡が薄れると、思い出が消えていく様に感じ、少し寂しいような気がしてしまった。

そこで、今回音楽文を投稿し、少しでも記憶に留めておこうと考えた。

彼らのキャリアは、決して長くはなかったけれど、こだわりの詰まった音楽をたくさん残してくれた。

ここまで読んでくださった、以前からLILI LIMITが大好きな皆さんや、まだLILI LIMITに出会っていない未来のファンも、私たちみんなでLILI LIMITを残していけますように。

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