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追いつけない後ろ姿

ストレイテナーと私の「初めて」の野音

一目惚れした事ありますか?
一目惚れってハッキリ言えば脳の錯覚らしい。確かにそう。なんなら私は一時の気の迷いだと思ってる。

だけど、人生の中で一度だけ一目惚れした事がある。
あ、もしかすると一目惚れじゃなくて一聴き惚れ?っていうのかもしれないけど、まあ一目惚れでいいや。
 

その人たち、ストレイテナーっていうんですけど。
 

19歳の時、某年末フェスでたまたまストレイテナーを見た。本当にたまたま。その時間だけ見たいアーティストがいなくて。名前知ってるし行ってみよ〜!みたいな軽い気持ちで。

私はこの時の自分をめちゃくちゃに褒め讃えたい。
 

演奏された2曲目、冬の太陽。
今でもちゃんと思い出せる。
初めて聴く曲だった。でも好きだと思った。
初めて聴く曲で鷲掴みにされて、一瞬で好きになってしまうなんて、そんな経験今までした事なくて。
かき鳴らされるギターも爪弾くベースも刻まれるドラムもそして何よりあの歌声も。

恋に落ちた衝撃を、〝体中に電流が走る〟なんて喩える人をたまに見かけるけどあの日の私はまさに言葉のまま、文字通りだった。

これが運命的な出会いじゃないなら、何が運命の出会いだと思う?

この瞬間私はストレイテナーに恋してしまった。
 

そこからの私は必死だった。
ストレイテナーの後ろ姿を追いかける人生のはじまりはじまり〜!なのである。
 

ストレイテナーについて片っ端から調べまくった。
彼らは最初、ボーカルとドラムだけの2人組だったということ。
タイミングは違えど、元ART-SCHOOLの2人が順に加入して今の4人になったのだということ。
初めての幕張メッセ・武道館ワンマン、47都道府県ツアー、自主企画。彼らが今まで作り上げて届けてくれた沢山の音楽たち。

調べまくって分かったことがひとつ。
私は彼らと「初めて」を共有出来ないのだということ。

2人が3人へ、3人が4人になった瞬間を私は知らない。
武道館公演がどれほど感動的だったか私は知らない。
ナカヤマシンペイの髪が長かった頃を知らないし、OJが坊主だった頃を私は知らない。

だから昔からストレイテナーを知っている人が、もっと言えば青春時代にストレイテナーを知って、一緒に歳を重ねて、沢山の彼らの「初めて」を共有している人がとてつもなく羨ましかった。

好きな気持ちなら誰にも負ける気がしないのに、生まれた時間が少し遅かっただけで共有出来ないなんて、こんなに寂しい事ないよなってずっと思ってた。
 

ずっとずっとそう思っていた。
 
 

2019年10月19日。
イタイ言い方をすればこの日は私とストレイテナーの記念日だと思う。いやもう記念日だ、そうしちゃおう。

ストレイテナー「初めて」の日比谷野外音楽堂でのライブ。

ついに私もストレイテナーと一緒に「初めて」を共有出来る日が来たのである。
そして私も初めての日比谷野音。
初めて見るアコースティックセットでのライブ。

本当に素敵すぎて楽しくて一瞬の出来事だった。

日が翳るのを見ながら聴く、アコースティック編成の彩雲とシーグラスは贅沢以外の何ものでもなかったし、きっとライブではやらないだろうなと思っていたFREE ROADにWISH I COULD FORGETのイントロが始まった時は嬉しくてニヤニヤしてしまった。

そして第2部、バンドセット
彼らと「初めて」を共有出来た記念すべきこの日に、私が彼らを好きになるきっかけとなった冬の太陽を聴けるなんて思ってもいなかった。
やっぱり冬の太陽は私にとってすごく特別で大切な曲だと再認識出来た瞬間だった。
 
 

初めての日比谷野音が終わってしまって、気付いた事がある。

彼らがバンドとして歩んできた約20年を私は後から見返すという方法でしか知る事が出来ない。
過ぎた時間はどうしたって共有出来ないから。
だけど今日みたいに私でもストレイテナーと一緒に「初めて」を共有出来る日が訪れたのは、彼らがバンドという生き物の一部で在り続けてくれたからだと思う。
途中でやめる事も投げ出す事も出来ただろうし、ひょっとしたらそんな危ない場面だって無かった訳じゃないかもしれない。

だけど。

彼らはストレイテナーで在り続けてくれた。
そしてあの日、私に出会ってくれた。
だから私は今遅ればせながらも、ストレイテナーという生き物の時間を少しだけ一緒に見させてもらっている。
 

確かに今までストレイテナーが生きてきた時間は共有出来ないけど、私はストレイテナーとこれからを共有する事が出来る。
それってもしかして、いや、もしかしなくてもめちゃくちゃラッキーな事なのでは!
 
 

という事で、私はこれから先もあなた達を追いかけ続けていくつもりですので覚悟していて下さい。
そして願わくば、またいつの日か「初めて」を共有させてもらえますように。
 
 

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