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2017年7月3日

主原料は睡眠 (21歳)
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愛おしい音楽と私の青春

星野源の音楽に彩られる日々

 音楽が好きな人ならば一度はこれがないと生きていけないな、と思えるような音楽に出会うことがあるのではないだろうか。私にとってそれは星野源の音楽であった。
 
 私が初めて星野源という存在を知ったのは2012年の末、高校一年生の時であった。その頃の私は中学時代にいじめられた傷から積極的に人と交流することよりもどちらかというと部屋にこもって深夜アニメを見、ネットでアニメの情報を収集することの方が好きで、帰宅してアニメを見るために授業中はずっと寝ているような本当にどうしようもない人間だった。
 
 その日もいつものようにスマートフォンを取り出し、ツイッターを開いてアニメの情報収集に勤しんでいた。そこである記事が目に飛び込んでくる。その記事の見出しには「映画聖☆おにいさん イエスは森山未來、ブッダは星野源」と銘打たれていた。この原作漫画が好きだった私は「イエスは森山未來か、どうなるのかな」と思ったと同時に「このブッダ役の人初めて聞く名前だな。なんて読むんだろう。」と興味を持ち、すぐに「星野源(ほしの、みなもと)」と検索エンジンに打ち込んだ。けれどどうやら名前は「ほしのげん」と読むらしいことが分かった。顔写真も何枚か出てきた。Tシャツ一枚にジーパンといういで立ちの写真がやたらと多かった。「なんか芸能人っぽくなくて近所のお兄ちゃんみたいで素朴で良いな」と思った。けれどその時の星野源の印象はその程度だった。

 次に私が星野源に興味を持ったのは、星野源がくも膜下出血により二度目の休養に入った時だ。いつも通り登校前にニュースを見ていると「星野源、くも膜下出血により二度目の療養へ」といった内容が放送されていた。もちろん病気は心配ではあったが、当時の私はそれ以上にニュースの背景で流れている星野源の映像が気になって仕方なかった。映像ではスーツ姿の星野源が自身の音楽に合わせて軽快なリズムで踊っている。私は「あの一見、素朴そうな感じの人こんな軽快な踊りもするんだ」とギャップに驚き、ますます興味を持ってまた「星野源」と検索エンジンに打ち込んだ。調べていくと星野源も昔はいじめられっ子だったこと、そのせいでうまく笑えなかったこと、といった自分と似たような境遇を経て今の活躍に至っているのだと知り、胸が熱くなった。そんな人が紡ぐ歌詞だからか歌詞も「地獄の底から次の僕が這い上がるぜ」「この世は光 映してるだけ」と明るすぎないのに力強さがあって好きだと思った。簡単に言うとその時にはもうめちゃくちゃ星野源良いな、と思っていた。

 一度そう思うとそこからは早く、私は自分でも驚くほどの速さで星野源にのめり込んでいった。星野源が俳優として出ている過去作を漁り、勇気を出して友達を誘い星野源が出演している映画を公開初日に見に行き、その主題歌が発売されると学校帰りに制服のままタワレコに買いに行った。星野源を好きな人たちと好きな気持ちを共有したくて自分とは思えないくらい積極的にネットでもファンの人たちと繋がっていった。みんな優しくて面白くてファンの方たちと源さんのことで盛り上がれることが楽しくて仕方なかった。確実に私の生活は色づいていった。

 そんな私が遂に星野源のツアーに参戦できたのは2014年3月11日に大阪・オリックス劇場で行われた「星野源の復活アアアアア!」であった。これは二度目の療養から見事復活した星野源による全国ツアーの大阪公演の二日目である。私は前日から授業なんか1秒も聞けないくらいこの日を楽しみにしていた。開演前にはネットで繋がった星野源のファンの方々に初めてお会いし、もうその時点で楽しくて仕方なかった。やがて開演時刻となり、あの大好きなTシャツ一枚にギターを掲げた星野源が登場した。そこからの時間は、夢のように過ぎ去っていった。「地獄の底から次の僕が這い上がるぜ」「悪いことは重なるな、苦しい日々は続くのだ」「この世は光、映してるだけ」―愛おしい歌詞たちを星野源が目の前で歌い上げていくのを一言も聞き漏らすまいと噛み締めるように聴いたのを今でも鮮明に覚えている。そしてその日私は確信した。ああ、これはもうたぶんずっと好きだな、と。

 それから二年が経ち、私は星野源以外にも大好きな音楽が増えていた。
 
 けれども今日もイヤホンを手に取ると真っ先にあの優しくて愛おしいあの声を聴く。

 「ただ地獄を進むものが 悲しい記憶に勝つ」

 私の人生はずっと星野源に彩られている。

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