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2017年7月3日

アンズ (18歳)

番狂わせ第1弾。

THE ORAL CIGARETTESの1回目の武道館

 
 

“俺たちは、ここにいるみんなにもっとカッコイイ景色を見せたい。絶対、大阪城ホールもやる、武道館もやる、もっともっと大っきいところまで一緒に行かへんか?”
 

数年前、ボーカルの拓也さんは小さなライブハウスでサラッとそんな事を言った。
 

まさか、こんな日が本当に来るなんて、こんなにも早く来るなんて思っていなくて、半年前、オーラルの魔法がかかったタワーレコードに足を運んだ時には涙が止まらなくて、1人で膝から崩れ落ちた。
 
 
 
 

そして、迎えた6月16日、金曜日。
梅雨入りしたというのに、彼らを祝福するかのような快晴。私はそれだけで浮き足立ったような気分だった。
そして、まだ早い時間なのに日本武道館の周りには「BKW」を背中に掲げた沢山のファンで溢れていた。
 
 

18:30。開演。
彼らのお決まりの4本打ちで12000人がすっと静かになり、全員の視線がステージに向いた。
ステージには武道館ならではの、白い幕が下りていた。その幕に、迷路をくぐり抜け、ドア開けた先には、かの有名な「最後の晩餐」が映し出され、そしてそこに4つのスポットライトに照らされた大きな影。
ただの影なのに、ただのシルエットなのに、そこに映し出されたのは間違いなく、自信に満ち溢れたロックスターの姿だった。
 
 

そして、ほんの少しの間があり、そっと噛み締めるかのように鳴らした1発目の音。
オーラルの決意を私たちに伝えてくれた曲『5150』から始まった。それと同時に私の涙腺は崩壊した。
いつもに増して力強くて、彼らの自信が緊張すらも飼い慣らしているかのようで、見惚れていた。
 
 
 

そこから、『Shala La』、『カンタンナコト』、『悪戯ショータイム』、『CATCH ME』と怒涛のように彼らの色気、エモさをぶっぱなした。
 
 
 

「緊張してる?俺ら若干。」
歌ってる時とはまた違う、心底嬉しそうに、でも真剣さを帯びた表情で彼はまた言った。
「これからさ武道館、俺ら多分この1回だけじゃないと思う、これから2回、3回、4回、5回、、、、絶対やれるバンドなるから。でも、誰にとっても初めては特別やろ?そんな初めてを今日みんなと、ガッツリ共有したいと思います。」
暖かい拍手と祝福ムードで、オーラルらしいゆるさが蔓延していたのにもかかわらず、一気にまた不思議な世界観へ連れていかれた。
 
 
 

『A-E-U-I』、武道館らしい演出に目を奪われながらも、コブシを効かせたボーカル、そして、有り得ないくらいの乱れっぷりを魅せるギター、演技派なのに笑顔を絶やさないベース、そして力強く底の方から押し上げるドラムの4人ともが畳み掛けるように演奏している姿に笑顔が抑えきれない程零れた。
 
 
 

そして、普段のオーラルのフロアでは滅多に見れない、指定席での『STARGET』。色とりどりのタオルが回ってる光景はやっぱり何度見ても大好きだった。
ラスサビ前、拓也さんのギターカッティングの所では、真っ暗なステージと対照的に真っ白の光線が上から刺さるかのように拓也さんを照らす。あの瞬間が大好きだった。何度も見てきたこの演出が、また1つカッコよさを超えていた。
 
 
 

これに続いて、武道館で歌うのを楽しみにしていたという『嫌い』、『WAR WAR WAR』、楽器隊3人によるソロ回し、これも圧巻だった。また、秀逸な繋ぎを終えてのしてやった顔で始まった『気づけよBaby』。1万人以上が手を振る姿に何故かドキッとしたこの曲。
 
 
 

そして、また雰囲気を変えるかのように一気に歌謡感×ロックといったナンバー『不透明な雪化粧』。
今の今まで私達をグツグツ煮詰めるかのように熱い鍋に入れていたのに、この曲で一気に火を弱め、味を整えるかのように、しっとり歌い上げたかと思いきや、『エンドロール』でまた力強く、「ここにいる人の最後のエンドロールに自分の名前を刻みたい」と言って、必死にココロの中に爪痕を残していく。ほんとにこの4人に料理をされてる気分になった。
 
 
 

あっという間に進んだ前半戦の後には、オーラルのお決まりのキラーチューン祭り。
「2013年、この曲からキラーチューン祭りが始まりました」と言って始まった『Mr.ファントム』、オーラルを這い上がらせてくれたという『起死回生STORY』、4人とファンにずっと寄り添ってくれていた『エイミー』、オーラルの辛い時期を救ってくれた『狂乱 Hey Kids!!』、新境地を切り開いた『DIP-BAP』、自分を自分らしくいることを教えてくれた『リコリス』。
このキラーチューン祭りが拓也さんが冒頭で言った、初めてを共有するだけでなく、オーラルの長い、長い歴史を共有してくれた。
これがオーラル流のファンへの愛なんだ。
そう思うと、やはりまた、涙が止まらなかった。
 
 
 

でも、それだけではなかった。
最後の曲『LOVE』に入る前のMCで、自分の声のコンプレックスの話、自分達を好きでいてくれる人で埋まっている武道館に思い入れがあること、そして何度も何度もありがとうを伝えてくれること。全てにおいてオーラルを好きになる理由なんて簡単だった。
 
 
 

こうして、私たちに“愛”を伝えて、彼らは1度ステージを去り、次にアンコールで戻ってきた時には、“覚悟”を伝えてくれた。
オーラルのフロアをもっとかっこいい人で埋まったフロアする為に私たちにも強くなれ、と。
彼らの背中を追いかけるだけでなく、トナリに並んで、ナリアウために。
 
 
 

そして、全曲のパフォーマンスが終わり、また一つ伝えてくれた。
映画主題歌の決定、そして、地元関西、大阪城ホールでのワンマンライブ。
約束を果たしてくれたこの武道館で、もう一つ大きな約束を叶えてくれる報告をしてくれたのだ。
あまりにも嬉しくて、息をするのも忘れるくらい呆然として、反射的に涙が零れたのは言うまでもない。
番狂わせ第2弾、第3弾、、、。もっと大きく、強く、綺麗な世界を一緒に見たい。そう思った。

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