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Ed Sheeranありがとう。話題の映画イエスタデイを観た。

The BeatlesがEd Sheeranの出演で現代に蘇える。The Beatlesは生きる伝説

映画館を出て、とにかくThe Beatlesを無性に聴きたくなった。

【The Beatlesに出会えたなんて、俺はなんて幸せなんだ】​

と叫びたくなった。一言でいうとそういう映画である。​​
The Beatlesへの感動が蘇った。それは初めて、The Beatlesを聴いたときの時の衝撃だ。
夢中にThe Beatlesを聴いていた時期の自分を鮮明に思い出した。同時にThe Beatlesが登場したときの衝撃がその時代にどれほど大きかったかということをリアルに感じさせてくれる素晴らしい映画だった。

色々な音楽イベント、雑誌のアンケート等で好きなミュージシャンはという質問項目があったら、Led Zeppelin、King Crimson、David Bowie と答える。​
考えてみたらThe Beatlesとは書いたことがない。​音楽好きの友人と話してもそういう話はしたことがない。
どうしてThe Beatlesと答えないのだろうとふと思って、映画館を出て、電車のなかでそんなどうでもよさそうなこと、無意味なことを自問自答した。Noel GallagherならThe Beatlesと答えるよな(お前と比較できる人かと自分に突っ込みを入れて苦笑いした)​

Led Zeppelinは確実に全曲わかる。ベスト盤いがいなら曲順まで言える(出し惜しみせず、ブートレグでもなんでもリマスタリングしてどんどん映像もすのを期待しているよMr. Jimmy Page)​
King Crimson(ライブ音源発売しすぎだMr. Robert Fripp。全部は買いきれない)とDavid Bowieは、90年代~2000年代初頭はわからないな、かなり怪しい。​​
The Beatlesはベスト盤、The Beatles Anthology、The Beatles Live At The BBCいがいのオリジナルアルバムについては曲順も言えるし、メンバーの誰が作った曲までわかるだろう。つまり俺はThe Beatlesに関してはオタクの領域に少しは足を突っ込んでいるということだ。
40年以上The Beatlesを聴きこんで暗記している俺が、この映画で、こんなにも、The Beatlesを聴きたくなり、The Beatlesを愛しているのかと再認識することになるとは想像してなかった。​
持っていたipod取り出し、チェックする。いつもは複数台持っているのに、今日に限って1台だ。しかも不幸なことに、Abbey RoadとThe Beatles(WHITE ALBUM)の50周年エディションしか録音されてないではないか。​​クソッ
The Beatlesのアルバムを聴ける準備をしていなかった自分の準備の悪さを呪ってしまった​​
悪いことは言わない、映画を観るときは、帰りにThe Beatlesのアルバムをすべて聴けるように準備していくことを強く勧める。​きっと映画で使用されなかったThe Beatlesのナンバー、アルバムを聴きたくなるのは確実だ
俺は、人に自慢できるものなど何もないけど、The Beatlesに出会えた幸運と聴き続けてきた自分の人生を誇らしく思えた。​​

The Beatlesの音楽は、素晴らしい、美しい、偉大なという稚拙な形容詞以前の形容詞しか思い浮かばない​

そんな思いにさせてくれるThe Beatlesへの愛情にあふれた映画であり、The Beatlesの音楽の素晴らしさを再確認できる映画なのだ。そう俺は、The Beatlesに出会わなければ、この歳になるまで音楽を日常的に聴いていないだろう。​

【俺の人生にはいつも傍らにはThe Beatlesがいたのだ】​

映画は既に報道されてる通り、全世界的な停電で、The Beatlesの存在が消えてしまったという映画。The Beatlesを覚えていたのが、主人公だけだった、そして彼はThe Beatlesの歌で世界的なスーパースターになるというサクセスストーリーという設定のラブコメだ。ラブコメも涙もろい俺にはなかなかよくできていると思える。
しかし、Danny Boyle、Richard Curtisの2人が述べている通り、イエスタデイはあくまでThe Beatlesへのラブレターである。

個人的に最も重要なシーンだと思うのは、冒頭のThe Beatlesの存在が消えていることを知らない主人公が、友人たちに、プレゼントされたギターで、感謝の気持ちをこめて、相応しい曲を選んで、何気なくYesterdayを唄うシーンだ。The Beatlesの存在を覚えているのが自分だけしかいないということは主人公は気付いていない。
Yesterdayを聴いた友人たちが、あまりに美しい曲に唖然とした表情を浮かべ、素晴らしいと賞賛する​
Yesterdayを聴いて友人たちが感動する表情がこの映画のすべてを表していると思う。なぜなら、感動し、唖然とするのは初めてThe Beatlesを聴き、The Beatlesのアルバムを貪り聴いた俺であり、The Beatlesが登場し、熱狂するファンの時代の空気を感じることができるからだ。
映画、俺自身の記憶、そして、The Beatlesが登場した時代の空気がシンクロした瞬間。最も重要なシーンだ。

俺が洋楽を聴きだしたとき、The Beatlesは既に解散していた。初めて、The Beatlesを聴いたとき、The Beatlesが解散していることも、The Beatlesがどれほど偉大なバンドであることも知らなかった。しかし、俺は映画の友人たちと同じように感動し、唖然としたのである。曲がなんであったか鮮明な記憶はないが、きっと俺は、映画の友人たちと同じように感動し、同じような表情を浮かべたのだ。
演奏シーンを全て、ライブで録音した演出、徹底的に練習し、修得した主演のHimesh Patelの熱演には拍手を送りたい。口パクではきっとこの感動は伝わらない。素晴らしい演出だ​
そして、The Beatlesが存在しないことを知った主人公がThe Beatlesのナンバーを必死に思い出し、その曲を聴いたリスナーが魅了され主人公はスーパースターになっていく。
その過程で重要な役を演じているのがEd Sheeranだ。Ed Sheeranが出演していることで、映画の時代が現在であると説得力を持たせている。Ed Sheeranが間抜けにしかみえない役柄には笑ってしまった。Ed Sheeranほどのスーパースターがイジラレる役柄を実名で演じている。勿論現在ナンバー1であるという余裕の表れなのだとは思うのだが、そこにはThe Beatlesへの深い愛情と尊敬がある。このEd Sheeranの登場が、The Beatlesのナンバーは現在の音楽シーンでも圧倒的に人を引き付ける魅力、普遍性を持っているということに説得性を持たせている。この描き方は関心してしまった。Ed Sheeran出演してくれてありがとう。40数年洋楽を聴き続けてきた俺も現在でもThe Beatlesを聴き続けている自分の人生が肯定された気になった。実際、The Beatlesのアルバムは現在でも売れ続けていて、現在のPOPミュージックシーンに突如として現れた誰も知らないThe Beatlesナンバーに世界中が魅了されるいくという設定に大きな説得力を与えている​重要な役柄だ
また、(これはあまり明らかになっていないので)ある超有名バンドの存在はThe Beatlesと同じように消えているのも笑ってしまった。確かにそうかもしれない。そのバンドは、The Beatlesがいないから自分たちが存在しないという描き方を光栄にさえ思うだろう。その消えたバンドに主人公は憧れ、音楽に目覚めたと思わせる回想シーンが何度か登場する。主人公は、そのバンドのルーツをたどって、The Beatlesを知ったのだろう。​
映画で使われるナンバーは当然のごとく名曲ばかり、もっと使いたかった名曲はあるだろうが、脚本に合わせて、曲を絞り込んだのだろう。映画は、The Beatlesの有名エピソード、The Beatlesの映画をオマージュにしたシーンが度々登場する。そして、そのシーンに流れるナンバーは、基本的に、The Beatlesのアレンジを大きくかえることなく使用されている。このスタンスは非常によかった。The BeatlesナンバーがEDMのような(断っておくが、俺はEDMは好きである)現代的なアレンジを前面に押し出して使用されたら、興ざめしたような気がする。
あーあれも聴きたいなと思う曲は山のようにあるのだが、改めて、サントラを聴くと絶妙の選曲だったと思った。使用されたThe Beatlesナンバーは、John、Paul、George、Ringoのそれぞれの個性を理解して、選曲していることに気が付いた。
映画導入部はPaulのYesterday。世界で最もカバーされ、音楽教科書の教材になるほどの名曲。ベタだけど、やはりYesterdayが一番わかりやすい。
PaulとJohnの共作のShe Loves You、I Want to Hold Your Hand、A Day In The Life
PaulはロックンローラーとしてのI Saw Her Standing There、POPなメロディメイカーとしてのOb-La-Di, Ob-La-Da、そして次いでメロディメイカーとして進化し、内省的な一面を感じるPaulの代表曲Let It Be、The Long And Winding Road、Hey Jude、インタールードに、Carry That Weightがさりげなく鳴り響くのが泣かせる
Georgeは、Something、Here Comes The Sunこれしかないよな。主人公がウクレレで演奏するシーンがあり、現在のPaulのライブを思わせるのがまた時代が現在であることを思わせる
Ringoのボーカル曲はないが、重要なシーンでYellow Submarineのおもちゃが使用されるのがうれしい
Johnは内省的なJohnらしいナンバー A Hard Day’s Night、Strawberry Fields Forever、In My Life、そして、愛と平和のJohnを象徴するAll You Need Is Love。All You Need Is Loveはロックがわかってきた頃はそのストレートすぎるメッセージに違和感を覚えることもあったが、このストレートな表現こそJohnにしかできない表現であり、リアルタイムでのこの放送の迫力がスクリーンから伝わる熱気に圧倒された。
そして映画で最も重要なナンバーはHelpだ。今更俺が解説するのも烏滸がましいが、シリアスなメッセージにPOPなメロディというのはPOPミュージックの理想であり、故にHelpはPOPミュージックの理想的なナンバーである​。俺のような幼稚で英語を理解できないリスナーは、初めて聴いたときは、Johnの心の叫びも知るはずもなく明るく楽しいPOPミュージックとして聴いてしまったナンバー。そのHelpだけは大きくアレンジを変えて演奏された。Johnの当時の心情と追い込まれていく主人公の心情を重ね合わせ、​​性急なビートで演奏され、主人公が最後にHelp Meと悲痛にシャウトする。​​
主人公はこの瞬間にThe Beatlesを演じることをやめることを決心したのだ。それは、屋上コンサートというThe Beatlesの最後のライブ演奏、解散と重ね合わさせた重要なメタファーである。
最後にDanny Boyle、Richard Curtisが伝えたかった最後のメッセージのエンディングを迎える。とにかく、見どころが多い映画だ

The Beatlesは、解散して来年で50年だ。​
The Beatlesがデビューして、あと数年で60年である。俺が生まれる前にThe Beatlesは存在していた。
最後に録音したアルバムアビイ・ロードから50年である。そのアビイ・ロードはリマスター盤は50年後の現在でもチャートに1位になってしまうのである。そんなバンドは今後2度とでてこないであろう。​
解散約半世紀という長い時間を経てもThe Beatlesの音楽は世界中で愛されている。​
釈迦に説法だが、ロック、ポップミュージックが、現在カルチャーとして認められ、その現代的な芸術性価値を作り上げたのはThe Beatlesである。コンセプトアルバム、スタジオ技術の導入、ロックと様々な楽器のコラボレーション、ワールドミュージック、ミクスチャーロック、テープループの導入によるリズムの変革など枚挙にいとまがない。
ロックの芸術性を上昇させただけではない。The Beatlesが最も偉大なバンドであることの最大の証明は、その圧倒的なエンターテイメント性=圧倒的に売れたという事実である。半世紀後の現在もチャートの1位を記録するほど現在でも売れ続けているのだ。The Beatlesの存在、音楽は普遍性を獲得しているのである。
The Beatlesが存在しなければ、音楽ビジネスがこれだけ巨大になることもなかったろう。
批判覚悟で言いきってしまう。が、批判は怖いので、言い訳をしておく。俺はBob Dylanのライブに行くファンだ。この文章を書いていたら次の来日が決まったそうだ。行くしかない。しかし敢えて言ってしまう。ノーベル文学賞を受賞したBob Dylanはロック史上最高の詩人の1人であろう。そして、The Beatlesに多大な影響を及ぼしてもいる。Bob Dylanとの出会いによって、The Beatlesの音楽世界は特に歌詞において進化した。Bob Dylanとの出会いがなければ、数々の名盤は生まれなかったかもしれない。しかし、The Beatlesに出会わなければ、Bob Dylanがロックンロールに回帰し、現在まで大きな影響力を持つミュージシャンになれなかったかもしれない。何よりもThe Beatlesが巨大なセールスを記録し、世界中にその影響を及ぼしていなければ、Bob Dylanの歌詞がカルチャー、芸術としてここまで評価はされなかったのではないだろうと思う。The Beatlesというのはそういう存在だと思う。

ここまで書き続けて、冒頭の好きなバンドという質問にLed Zeppelin、King Crimson、David Bowieと答えるが、The Beatlesと書かない理由がわかった。Led Zeppelin、King Crimson、David Bowieはギリギリセーフでリアルタイムに存在を感じることができたバンドだった。しかし、The Beatlesは永遠に体験できないバンドだったのだ。The Beatlesはいつも傍らにいた存在ではあったし、同時に俺がロックを聴く中で常にクライテリアとして存在し、重要な愛すべき存在であった。しかし、仕方がないことだが、文字、映像、レコードで体験するしかなかったのだ。The Beatlesが存在した時代の空気を感じることはできないのだ。存在がどうしてもリアルになりきれないところがあった。
勿論、イエスタデイも映画である。しかし、イエスタデイが俺の心を動かし、The Beatlesを無性に聴きたくなったのは、The Beatlesが登場したときの空気を今現在にThe Beatlesが登場したらというファンタジーで俺に体験させてくれたからだ。

イエスタデイを観た俺は、The Beatlesを現代において体験することができた。俺に今の時代のThe Beatlesを感じさせてくれた素晴らしい映画だった。

映画の主人公の最後の決断は、Danny Boyle、Richard CurtisのThe Beatlesは人類の偉大なる遺産であり、永遠の普遍性を獲得しているというメッセージだと思うのは俺だけだろうか。

俺にもし好きなバンドという質問に応える機会があったら、迷わずThe Beatlesと答えるだろう。

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