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東京ドームで再確認した解けていなかったリボンと確証の無い約束

親友と迎えたBUMP OF CHICKEN「aurora ark」ツアーの果て

ずっと後悔していた事がある。
およそ5年前、BUMP OF CHICKENの「WILLPOLIS 2014」ツアーのファイナルとして開催された、東京ドーム公演に行かなかった事だ。
「行けなかった」のではない、「行かなかった」のだ。
当時の私はまだ高校生。ライブも地元のライブにやっと行けるようになったぐらい。
その時の私は
「きっと反対される」「どうせ行けない」
そんな思いから、チケットに応募すらしなかったのだ。
今なら思える。何故応募しなかったんだろう。
どうして反対されてでも行きたいという意思を示さなかったのだろう。
すっかり社会人となった今でも後悔し続けているのに。

そんな思いを抱え続けたある日、再びBUMP OF CHICKENが東京ドーム公演を行うと発表されたのは何月だっただろうか。
その発表を見た時、行けるとも決まっていなかったのに涙が出た。
高校生から抱えていた後悔をようやく消せそうだったから。

結果的にチケットを手にするのはかなり厳しかった。
当然と言えば当然だ。前回の東京ドーム公演は本当に素晴らしかった。
またあの場所でBUMP OF CHICKENを見たいと願う人達は多いに決まっている。
私自身、自分の力でチケットを当てる事は出来なかった。
というよりもう諦めていたのだ。
行けないのは苦しいけれど、応募し続けて行けないのならそれはもう仕方ないの事だ。
そう心構えは出来ていた。

「行こうか」
ある日親友から入ったLINE。その後に来た1枚のスクリーンショット。
それは東京ドームのチケットが当選した知らせの物。
私を含めて一緒に東京ドームのチケットを応募してくれていた親友。
涙とありがとうが止まらなかった。

親友とは中学の頃からの付き合いだ。
振り返るともう10年以上の付き合いになる。
けれど、学生生活を一緒に送っていたのは1年程しかない。
私が父親の仕事の都合で転校をしたからだ。
不思議なものだ。たった1年しかいなかったのに。
たった1年しか一緒に過ごせなかったのに。
そこから今に至るまで関係が続くなんて。
そんな親友とBUMPのライブを見れるのが夢みたいだった。

今回のBUMP OF CHICKENの「aurora ark」ツアーは、私にとって本当に大きな意味を持ったツアーだった。
ツアーの始まりとなったメットライフドームでも、私は親友達と共に同じライブを共有する事ができた。
BUMPを知らない親友もいた。
けれど、隣でずっと笑ってくれていた。
魔法みたいだってずっと思っていた。
ずっと会いたいのに会えなくて。
けれどBUMPのおかげで魔法のような夜を一緒に過ごせていた。
そして、「aurora ark」の終着点となる東京ドームも、私は親友の隣にいた。

正直ライブが始まるまで半信半疑だった。
夢じゃないかって。こんな日を過ごせているなんてと。
けれど、ライブが始まってからBUMPは、藤原基央は叫んできた。
私はここにいると。

アンコールでのMCにて、藤原基央はこんな内容の話をしていた。
「魔法みたいな夜だけど、今日はあくまで俺と君達が音楽を通じて待ち合わせをしたのが上手くいっただけで、いつもと変わらない日」
「今日は明日の続きだし、死ぬまで今日の続き」
そう考えれば、日常はある意味魔法で溢れているのかもしれない。
光に満ちたaurora arkというツアーだって、日常の中にあったに過ぎないのだから。

私はあまりにも転校を繰り返していたものだから、友人達との関係は、それまで結んできたリボンは解けてしまっているものだと思っていた。
いつかは忘れられてしまうし、解けていることすら忘れてしまうものだと。
けれど、私は変わらず連絡を取り合う親友達がいて。
時々夜中に電話して、馬鹿みたいに笑って眠りについて。

「僕らを結ぶリボンは 解けないわけじゃない 結んできたんだ」
今回のツアーでも披露されたリボン。
ずっと、これはBUMP OF CHICKENの唄だと思っていたけれど、そうではなかった。
誰だってリボンを結んでいる相手はいる。
私が結んできたリボンは解けていなかった。
その事実をBUMPが再確認させてくれたのだ。
メットライフドームでの夜で、東京ドームでの夜で彼等が教えてくれた。

「また会おうね」
「また遊ぼう」
ずっと当たり前の約束だと思っていた。
当たり前に叶う約束だと思っていた。
けれどそうじゃないと分かるようになったのはいつからだろう。
メットライフドームでも、東京ドームでも藤原基央が一貫して伝えてくれた事がある。

「明日目を覚まさないかもしれない」
「1年後10年後何が起こるか分からない」
「想像もしなかった良いこと悪いことが起こるかもしれない」

確証もない、根拠もない、絶対的な約束なんて存在しない。
突然別れが来るかもしれない。
こうして笑いあえているのは最後かもしれない。
けれど、だからこその
「また会おうね」
という言葉があるのだろう。
藤原基央は
「また会う口実を作る」
と去り際に私達に言ってくれた。
それも確証のない約束だけど、約束なんてそんなものだ。
そしてその約束は私達に想像以上に大きな力を与えてくれる。

次会えるのはいつだろう。
東京ドームに響き渡った記念撮影の秒針の音。
私はあの音を忘れない。
親友と見た光を忘れない。
親友と見たオーロラを忘れない。
BUMP OF CHICKENと見たオーロラを忘れない。

私は心から親友達に伝えたい。
私の隣でBUMPのライブを見てくれてありがとう。
私をBUMPのライブに連れて行ってくれてありがとう。
そしてBUMP OF CHICKENに伝えたい。
私のリボンが解けていないことを教えてくれてありがとう。

BUMP OF CHICKENは幼稚園からの幼なじみだ。
私も親友達とそんな関係でありたい。
これから先もずっと関係を続けていられるような、リボンがずっと結ばれているような、絶対じゃない大きな約束を交わせていられるような、そんな関係でありたい。

「赤い星並べてどこまで行こうぜ」
東京ドームでのリボンで、藤原基央はメンバーに向かって笑顔でこう歌っていた。
私も同じ言葉を親友達に伝えたい。

そして私は今日もまた、あの日の続きを生きている。

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