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高高-takataka-TWO PIECES ORCHESTRA

こじ開ける未来は 鮮やかに色めく

ニュースサイトに「2019/11/2 アコギデュオ高高-takataka-の初ワンマンライブに、矢井田瞳サプライズ出演」の文字が躍っている。

誰がこんな未来を想像しただろう。

渋谷クラブクアトロで行われたワンマンライブ。two pieces orchestraの名に相応しく
2人から生み出された音が数多の煌めきを伴って
解き放たれたように全方位に放射線状に拡がっていき溶けていった。
会場全体が高高-takataka-の創り出した世界に包まれていた。

皆さんは
最近、矢井田瞳と一緒にコラボレーションしている
この高高-takataka-というアコースティックユニットをご存知だろうか。
自分は数年前の屋外イベントで彼等の音に初めて触れ「惚れた」。そして夢中になった。

2018年11月。音楽文に初めて記事をポストした。この音楽に対する情動をどうにかして残したかっだからだ。ただその一心だった。

あれから一年。
まるで堰を切ったかのように
世の中に溢れ出した高高-takataka-という
アーティストの才能について
しつこいようだがもう一度語らせて欲しい。

2本のアコースティックギターとエフェクター。使用楽器はこの2つだけ。
足元にある多くのeffects unit はアコギ2本でどれだけの音を出せるか試行錯誤した結果だという。同期やLooper(録音)は使用しない。自分たちで爪弾いた音や叩いたボディ音をディレイさせたり歪ませたり増幅させ、自分たちの音を追いかけながら実音を重ねて演奏していく。音が消える瞬間まで計算に入れて責任を持ち回収していく。それが高高のスタイルだ。毎回がまさにライブでとにかく面白い。
「その時、その場所で全身全霊を掛けてライブをする」という彼等はフィジカルでデジタルをも凌駕する、現代において稀有なアーティストであるといえるのではないだろうか。

殊に素晴らしく、驚かされるのがその音の多彩さとアレンジの豊富さだ。
この1年で出した2枚のEPはどちらも既に発表していた楽曲のリテイクを含んでいるが
初動の良さはそのままに確実にその音楽の幅を広げレベルアップしてきた。
高高の曲は経年進化を遂げる。時を経て化ける。

無理なことほど「やってみようじゃんかと思う」という高田歩のギタープレイは
もはやスラム奏法やパーカッシブ奏法という言葉だけでは片付ける事ができない。サポートギタリストとしても活躍する彼は自我を殺しながらも自己主張をする。まるでヴォリュームダイヤルを回すように調節し、Voの魅力を引き出す。またVoとしての声も魅力的だ。
かたや、高瀬亮佑はVoメインでギターをこなし高田の奔放なギタープレイに対して堅実な音で勝負をする。そして憂いと熱を帯びた声はどこか儚くもしなやかで力強い。どこかにありそうでどこにもない記憶に刻まれる声。まるで高高が産み出す世界観と現実を繋ぐ役割を担っているかのようだ。

この2人からなる高高-takataka-は2013年に結成。ただ実直にライブを重ね「その時」を待っていた。

以前、自分は高高の音楽は傷を抉るような痛みがあると表現した。
治りかけの傷をずっと抱えているような
どこか報われない悲哀のようなものを漂わせていた。
しかし今、彼等の音楽から感じるのは
内包していた毒を吐き出して、全てを出し切った後に向かう再生だ。
新曲「WILL」では「前進したい」という「願い」や「生命力」が「痛み」よりも上回っている。

俯いたままギターをかき鳴らしていた青年は今しっかり前を向き瞳に未来を映している。
すがるようにマイクスタンドを握っていた青年は
マイクスタンドからマイクを外し、一歩前へと踏み出した。
2人の「届ける」「届けたい」という強い意志や熱い想いを感じる。

この1年の快進撃を言葉で表すのはあまりにも無粋だが、矢井田瞳と組んだことによりyaiko×takatakaとして
ライジングサン、ミュージックステーションなどに出演を果たした。
そんな彼等は2020年、矢井田瞳20周年ツアーに同行する。
そこでまたこの高高サウンドを多くの人が知る事になる。
これらの大きなステージに高高-takataka-自身の名義で出演する日も近いとワンマンを終えたいま、肌で実感することができる。

ここから始まる。これから始まる。
そんな未来を確かに想像する事ができる。

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