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Yogee New Waves – 私たちは月にだって行ける

彼らは私たちをティーンの女の子・男の子に変貌させる

 初めてこの曲を聴いたのは、今夏の”TOUR BLUEHARLEM”だったと思う。
 ギターを弾きながら歌うスタイルである角舘さん(Vo.)が、「新曲です!」と言いながらギターを置き、マイクコードを引っ張り、ステージ前方へ歩いてきたのを覚えている。ギャップに驚いた。
 タイトルの”to the moon”を早速コール&レスポンスして、ニッコニコの角舘さんに、私たち観客もニッコニコだった。(私が勝手にテーマ付けている)ヨギーのテーマ、”幸福な空気感”と”ロマンティックな夜”が一度に舞い降りて、本当に月へと行ける気さえしていた。

 そして二度目に聴いたのは、”SUMMER SONIC 2019”のステージ…とここで、私は既にこの曲を二度も聴いているのか!と気づく。
 夏ヨギーの”to the moon”は、言わずもがな最高だった。

 特にサマソニでの、野外ライヴ。
 日差しがどんどん肌を焼きながら、反対にいる見えない月のことを歌う”to the moon”は、ただただ気持ちがよかった。潮風が髪の毛を揺らしていても、後のこと(潮風に当たった髪の毛は、とんでもなくベタベタになる)を何も気にせずに踊ったし、相変わらず楽しそうに歌う角舘さんはニッコニコだった。ロケーション、気温、風、全てがヨギーに味方していたあの映像を、思い浮かべるだけでにやけてしまう。

 さて、”to the moon”メモリーはこのへんにして。

 ヨギーの新曲を聴くたびに、彼らの奏でる音楽のテーマは絶対に変わらないことを知る(テーマというのは、私が勝手にテーマ付けている、例のアレである)。それは私たちをティーンの女の子・男の子へと変身させて、日常や羞恥を忘れて無我夢中に踊らせる。今作”to the moon”だってそうだ。
 日頃、月へ行くことなんて考えないし、「ねえ 月まで行こうよ」なんて言われないし、月へ行ってみたい!と少し思っていたとしても、恥ずかしくて言えないし。しかもいい歳した人間が、この日本という場所でだぜ?しかも物理的に行けるわけねえし!…という、この腐敗しかけた思考と感情を、見透かしたかのように歌う。<大人になって 自由になった 空を跨いだり 瞳に落ちて ねえ月まで行こうよ 「たどり着けないぜ」そんなセリフには 最低さ!そんな言い訳は!言葉にまみれ なにも言えなくても ねえ 月まで行こう さあ たどり着けない 生き物のようにね> 。
 <月まで行こう>という歌詞が、何かを比喩しているのか、それともそのままの意味なのかはまだわからない。インタビューなどで語られるのを待つしかないから、まだ推測でしかないが、個人的見解として私は、どちらもあると思う。というか、この曲は非日常的な、メルヘン、童話要素のある曲だから、深い意味なくそのままを受け取れば、私たちの救いの音楽であることには変わりはないと気づく。というか…本来音楽ってそういうものか。
 つまりヨギーは、本来人々が音楽に求めたものを詰め込んで、自分たちのテーマを添えて、私たちに届けてくれている。だから、受け取る私たちは本来の自分自身(ちょっと夢見がちな少年少女のような)に戻って心地良くなれるのかもしれない。月にだって行けるのかもしれない。

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