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今日も明日も兄弟であれ

共に歌う “4人のgo!go!vanillas”という人間讃歌

これは犬を飼っている友人から聞いた話だが、犬の居る生活は「兄弟が増えたような感じ」だそう。

生きてきてペットを一度も飼ったことがない私はこの話とgo!go!vanillasを照らし合わせて、兄弟とはそもそも何かということを考えた。

犬を飼うということにおいて、学校や仕事にいる間お留守番して待っている愛犬のことを想わない飼い主は居ないだろうし、一緒に同じ時間を過ごしていくうちに飼い主も愛犬も互いに心も体も大きくなるものだ。

go!go!vanillasの4人がいつも言う「俺たちはあなた達といつまでも兄弟のようでありたい」という言葉。バニラズが他のバンドに比べてどこか近い距離感で接してくれていると感じるのは4人がファンを兄弟だと言ってくれるからなんだと思う。

私はバニラズを追いかけると決めた日からバニラズのことを考えない日など殆ど無かった。辛いことや悲しいことは
バニラズの音楽で乗り越えてきたし、嬉しいことがあった時は頭の片隅にバニラズの4人の顔が浮かんだ。

4人は私にとって、いつだって背中を押してくれるヒーローのようなお兄ちゃんだった。

こんなふうに、同じ母から産み落とされているかどうか、つまり、兄弟に血縁の有無は関係ないのではないか。お互い支え合いながら想い合いながら成長出来る関係それこそが兄弟なんだと思う。
 
 
 
 

だから辛かった。自分のことのように辛かった。大好きなgo!go!vanillasのベーシストがある日突然欠けてしまったと知ったあの日。

学校の昼休みに携帯を開いて重要なお知らせを見てしまった私は、余りにも立ち直れず5限の授業を休んで保健室のベッドに潜り込み、こぼれ落ちる涙を布団の端で拭った。

バンドマンも私も同じ人間だし、「明日」が当たり前のように保証された人間なんて何処を探しても居ない。

もう二度と4人の音楽が聴けなくなったらどうしよう。それ以外考える暇もなかった。3人が大丈夫って言ってくれても不安なもんは不安だった。祈ることしか出来ない自分の無力さに押し潰されていよいよ涙が止まらなかった。

その日の夜のこと。私はラジオから流れてきたある音楽に救われた。

” デスから デスから デスからアゲイン
墓場で鳴らせコール
デスから デスから 這い上がれ
しょんぼりしてる 暇なんかねぇよ ”

SCHOOL OF LOCK!にて、彼らの新曲”No.999″が初フルOAされていた。

この状況だからこそすんなり入ってくる歌詞と、紛れもなくバニラズ節全開の新曲を初めて聴いて、「なんだよ、いつものバニラズじゃねえか!!!」と思わず吹き出してしまった後、4人ならきっと大丈夫だって初めて思えた。
 
 
 
 

私が初めてプリティの居ないバニラズを見たのは、4月21日に行われたZepp Osaka Baysideでのワンマンライブ。

プリティが帰ってくるまでの間、残された3人はライブ活動を続けると決意した。音を止めない選択。それだけでとても心強かった。

でも、「湿っぽくやるつもりはない」という言葉には最初少しだけ困惑した。この状況で湿っぽくないライブとは?蝶ネクタイ姿でぐしゃぐしゃ笑顔のベーシストが居ないバニラズのステージ。考えるだけで辛くて涙が出てしまいそうだ。最終的には、やっぱり4人じゃなきゃダメだよって
やっぱり辛くなって終わるんじゃないかと思っていた。

でも全くそんなことなかった。

3人は、ステージに立っている時だけは決して悲しい顔を見せなかった。プリティのベースを用いて楽器チェンジをしたり、「プリティ絶対帰ってこいよ!」とコールアンドレスポンスを響かせたり。今出来ることを全力でやって見せてくれた。それは、自らの音楽を楽しむことであり、自らの音楽で楽しませることでもあるように見えた。

療養中のプリティも無事に少しずつ回復していき、復帰に向けてリハビリに専念していたという。

そんな4人の姿に後押しされて、私も様々なことを乗り越えてきた。部活の大会や大学受験など、思い返してみてもバニラズが居たから乗り越えられたことばかり。
 
 
 
 

そして秋、本当にプリティが帰ってきてくれた。4人でステージに立ってくれた。

彼らがそれぞれこの10ヶ月間で具体的にどんな経験をしてどんな感情を抱いてきたのか。それは本人が言葉で伝えてくれる範囲でしか隅々までは分からないし、知ったかぶりだけは絶対にしたくない。

けれど、普段ありったけの笑顔でライブをしてくれるメンバーが目に涙を浮かべている姿を見てしまった以上、ここに帰ってきてくれるまでに自分には到底想像しきれないほどの辛い経験を沢山味わったんだろうと悟らずにはいられなかった。

ああ、これだ、私が求めていたバニラズの姿。ずっと待ち望んでいた姿。

いつ居なくなるか分からない儚さと、それでも必死で今を噛み締める力強さ。ひとつひとつが愛おしくて涙が止まらなかった。

もうなんと言っていいか分からない。
よく頑張ったね、なのか
私も頑張ったよ、なのか
おかえりなさい、なのか
これからもよろしくね、なのか。

感情が渋滞して頭の中が混沌としていたが、全てに「ありがとう」という気持ちがあって、笑顔で4人を迎え入れられたことが嬉しかった。

4人だからこそ作れるライブの空気感と多幸感。“マジック”の歌詞の通り、止めどもなく涙が溢れ出すのに笑いが耐えぬそんな場所が目の前に広がっていた。
 
 
 
 

事故を知らされたあの日のことは、今思い返してみてもトラウマとしか思えない。でもそれ以上に、こんなことでも起きなければ気づけなかった大切なことを得た。

自分にも自分を取り巻く周りの人にもこれから何が起こるか分からないから、

会いたい人に会いに行く
食べたいものを食べる
言いたいことを言う
聴きたい音楽を聴く
ありがとうとごめんなさいを言う

全部が全部叶うとは限らないけど、そうやって少しでも悔いのないように過ごせていけたら。
 
 
 
 

“大切な何かを守れるなら
人は笑顔で死んでいけるから”
人間讃歌/go!go!vanillas

私にも、大切に守っていきたいものが沢山ある。そのうちの一つが、go!go!vanillasそのものであり、兄弟のように大切にしていきたい存在だ。

私の最期までも、心の中でgo!go!vanillasのロックンロールが鳴り続けていたなら。その時どんなことを想うだろう。

ヘイ、マイブロ 届いてますか。
4人に出会えて良かったよ。
世界が輝いて見えたよ。
来世も出会えたら良いな。
本当に本当にありがとうな。

なんて想えて笑顔で死んでいけたらどんなに幸せだろう。
 
 
 
 

バニラズと出会って3年目を迎えた。ずいぶん長くバニラズの音楽を聴いて過ごしてきたような気持ちになるが、この兄弟関係はまだ始まったばかりなんだ。

これからもずっと、バニラズの音楽で年老いていきたい。

今日も明日も兄弟でありたい。

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