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『棒人間』と私

RADWIMPSが思い出させてくれること

≪ねぇ 僕は人間じゃないんです≫
(『棒人間』より)

私はそんな言葉ではじまるこの歌をずっと大切にしている。

私は医師になるという夢をかなえるために6年間浪人した。が、結局諦めてしまった。
自分の努力が足りなかったのかもしれないし、そもそも才能がなかったのかもしれない。
いずれにせよ、この人生は普通ではない。
正直、もっとマシな人生を送りたかった。

≪見た目が人間なもんで
 皆人並みに相手してくれます
 僕も期待に応えたくて
 日々努力を惜しまないのです≫
(『棒人間』より)

自分が浪人を重ねていることを周りが知っていても知っていなくても、皆優しく接してくれた。
大切な友達もできた。その友達と競い合って一緒に大きな目標を達成したかった。
友達が合格して目の前から去っていくのは辛かった。
そして、家族の期待に少しでも応えたかった。

≪僕もいつの日にかホントの 人間になれるんじゃないかなんて
 そんな夢を見ていました
 夢を見てました≫

≪全然大丈夫なフリしながら
 たまに涙流しながら≫
(『棒人間』より)

「努力を続ければ必ずいいことがあるよ」というありふれた言葉を信じて毎日勉強に励んだ。
試験の結果が悪くて、家に帰って自分の部屋でこっそり泣いたこともあったか。
家族を心配させたくなかったから、自分の部屋から出れば明るく振舞っていた。

≪怒らせ、苛つかせ、悲しませ
 僕は一体誰ですか?≫
(『棒人間』より)

なかなか思うようにいかない自分のために両親があんなに泣いてくれたのに、結果を残せなかった。ただ情けなかった。
受験勉強中、誰よりも自分の合格を期待してくれていた祖父が亡くなり、愛犬が亡くなり、大切な友達が亡くなった。
亡き祖父に合格の知らせを届けることができなかったのは悔しい。
幼いころから可愛がっていた愛犬の最期を見届けることができなかったのも悔しい。
亡くなった大切な友達と時間をもっと共有したかった。
もっと早く合格していたらと、自分の無力を思い知らされた。
これらのことが相重なって、私の家族は分裂の危機に陥った。
私は家族の前でどんな顔をすればよいかわからず、家族の誰とも話さない日もあった。
そのころから周りに馴染めず孤独を感じるようになった。

≪誰かのために生きてみたいな
 生まれた意味を遺してみたいな≫

≪何度も諦めたつもりでも
 人間でありたいのです≫
(『棒人間』より)

自分の家族にも悪い流れが伝染してしまった。私はこの悪い流れを断ち切るために、医師になるという夢を諦め、前に進むことを決意した。
ごく普通の生活を送ることを選び、「人間」でいたいと願った。
でも、この暗い過去をなかったことにはしたくない。
これから出会うであろう大切な人が正しい方向に進めるように、「人間」でいられるように、この過去をしっかり伝えていきたい。

RADWIMPSと出会って、『棒人間』と出会って、ほんとによかった。
『棒人間』を聞くたびに、受験中のことを思い出させてくれる。
この歌は私の目を覚まさせてくれる。
あー、私は器用な人間でも完璧な人間でもないって。
才能がなければ乗り越えられないこともあるけど、一方で努力で乗り越えられることがたくさんあるのを私はしっかり知っている。
だから、前に進むことを忘れないでいられる。
だから、周りの人に感謝の気持ちを持つことができる。

家族、友達、先生、そしてRADWIMPSへ
ありがとう

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