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〈さよなら 古びたプライドを捨てて〉フレデリックの変われる強さ

私の〈目と手で確かめた〉その歩み。

まず、はじめに。
私はフレデリックが格別に好きである。
世界にはダンスミュージックと呼ばれる音楽が一体いくつあるだろう。
その全てをフレデリックというフィルターを通して聴いてみたい。

フレデリックとは…
自分にとってそんなバンドである。
 
 
 

私は本もろくに読まないし、ガチガチの理系であったため文章を書くのは正直得意ではない。
だが、自分の感じたことをぽちぽちとスマホにメモするのは好きである。
 

「フレデリック=オドループ」と認識している方がいるとしたら。
そんなあなたへいかにフレデリックの魅力を語ろうかとあとは投稿ボタンを押すまでに仕上げた文章をやっぱり自分らしくないな、
と今デリートボタンを押しつつ書いている。
 
 

私がフレデリックと出会ったのはおおよそ3年前だった。

“オンリーワンダー”のMVを見たのがきっかけだ。
正直言うと第1印象では三原健司(Vo./Gt.)さんの鼻にかかった歌声が苦手に感じた。

しかし気がつけば、仕事から帰ってくるとカフェインが入ったあの栄養ドリンクのように来る日も来る日もオンリーワンダーを聴いた。

速いBPM、4つ打ち、耳触りの良いキャッチーな歌詞、クセになる声。
職場で浴びた心無い先輩の言葉やうまく仕事がこなせない自分への嫌悪感をぶっ飛ばしてくれる中毒性と疾走感がそこにはあった。

就職して1年目。
壊れそうな心を支えてくれたのは間違いなくオンリーワンダーだった。
 
 
 

時は流れ、
“TOGENKYO”がリリースされた。

忙殺される毎日において、私が望んでいた栄養ドリンクとは少し違う楽曲に正直戸惑った。

ライブに行ってみたい、という気持ちは途切れなかったが、
気がつけばiPodのフレデリックの再生回数はあまり増えなくなっていた。
 
 

そんな中で
友人がTwitter上でフレデリックのチケットが取れたから誰か一緒に行かないかとツイートしており、行きたい!!と脊髄反射的にリプライをした。
毎日蛍光灯の下で働き、ネガティブな感情で満たされたただ時間だけが過ぎていく日々を何か変えてくれるのではないかと思った。
 

ライブハウスは「陰キャ」の自分には無縁の場所であると思っていたし、
軽音部の人々は住む世界が違うと思っていた学生時代。
 
 

2017年12月、私にとって人生初めてのライブ。それがフレデリックだった。
 

衝撃だった。
そこにいる4人が鳴らしている音、自由にゆらゆら揺れる人々で埋め尽くされたフロア。

音で心が鷲掴みにされるなんて初めての体験だった。
 
 

誇張ではなく、ここから私の人生は変わった。
 
 

原宿系のファッションが好きで、スカートばかりが並んでいたクローゼットがズボンとバンTだらけになった。

研修のためにしか出していなかった仕事の休み希望をライブのために書いた。
 

幼少期からピアノはやっていたが
ギターもベースもドラムも触ったことない自分が各楽器の音を聴き分けられるようになった。

特にドラムは大好きになった。
 
 

前置きが少々長くなったが、
フレデリックは自分に数えきれない変化をもたらした。
 
 
 

話は移って。
時は5年前、メジャーデビュー曲“オドループ”がリリースされた。
 

〈踊ってない夜を知らない〉というキャッチーでユニークなフレーズがリスナーの耳に残り、
フレデリック=踊る、ダンスミュージック
のイメージを世に広めた1曲だろう。
 

一方、
腰を落ちつけて歌詞を読むと、一筋縄ではいかない暗喩や二重否定などが散りばめられ、
ある種の謎解きのような、もっとディープな楽しみがリスナーを待っている。
 

この歌詞が本当に言いたいのはどういうことなんだろうと思わず考え込んでしまう。

その「一筋縄ではいかない感じ」はフレデリックにしかない魅力であり、他のバンドとは異なるアイデンティティだと感じていた。
 
 
 

2018年4月。
私がフレデリックの虜になってから数ヶ月後、

神戸ワールド記念ホールにて初のアリーナ公演を行った際に
“飄々とエモーション”は披露された。
 

初めてライブで聴いた際には
健司さんのレーザーのような強くて伸びやかなロングトーンや
一体感を強めるフロアとのコールアンドレスポンスの格好良さに鳥肌が止まらなかった。

そして何よりも

〈最後の最後に生まれ変わって また始まったとしても〉
〈この時間は忘れられそうにないな〉
 

という部分。

この曲を初のアリーナワンマンでサプライズで披露し、
歌詞にした作詞作曲の三原康司(Ba.)さんの気持ちを勝手に想像し、心震えた。
 

そして、
〈僕のさいはてに最後まで付き合って〉もらうための手段として
いわば自身のアイデンティティであるユニークな暗喩から、ストレートな大衆に伝わりやすい表現に歌詞を変える強さを感じた。
 
 
 

フレデリックが進化させたのは歌詞だけではなかった。
 

ほどなくして“LIGHT”がリリースされた。

ミディアムテンポでシンセが特徴的なまさにダンスミュージック。

リリースされた際には「フレデリックぽくない」という言葉も聞かれ、正直自分自身も戸惑った。
再生回数が自然と増えなくなったあのときの感覚がフラッシュバックした。
 

LIGHT LIVEと打ち出してBPM120~140の楽曲でセットリストを組んでライブも行われ、

私は正直その場でLIGHTを聴くまでピンと来ていなかった。

しかし、ミラーボールが煌びやかに輝く空間で、メロディの波に乗って自由に身体を動かし、

「あ、フレデリックがやりたいことはこれなんだ」と頭ではなく身体で理解しダンサーにさせられた時、
「何か」が自分の中で越えた。
 
 

そこからはもう、文字通りただひたすらに踊らされる日々であった。
 
 
 

時は流れ、“VISION”。

今夏、まだタイトルしか発表されていない段階で、

「俺たちのこれからを見続けてください」

健司さんがそう口火を切り、
サプライズで“VISION”は披露された。

(フレデリックというバンドはサプライズが本当に好きである)
 

イントロから「あ、好き」と確信し、
滲み出るフレデリック節に心奪われる。

強烈に耳に残るシンセとギターのリフ、
自分自身の鼓動かと勘違いするほどの胸や腹の辺りを強く打つバスドラムの太い音。

〈ずっと譲れないVISION 理想以上の世界を 掴み取るんだ 今はただ〉

〈さよなら 古びたプライドは捨てて
歩き続けよう 研ぎ澄まして〉

目の前で健司さんが艶やかな歌声で言葉を紡いでいく。
 

そして、この日健司さんはフロアに訴えかけるようにこんなことも話した。

「そのバンドを知ってても知らなくても。
知らない人も楽しみ方を知れば楽しめる。
音楽好きだから出来る。
みんなで知らないっていう壁をなくしましょう」
 
 

“オドループ”
“オンリーワンダー”
“TOGENKYO”
“飄々とエモーション”
“LIGHT”

ここ何年間の自分の目と手で確かめてきた曲たちが、1つのライブで全部全部全部繋がった瞬間だった。
 
 

いつかの自分もそうであったが、
音楽を自分の好みと照らし合わせて、
「好き」や「嫌い」で表面的に判断するのは尚早で、それはただ楽しみ方を知らないだけなのだ。
 

そして、
〈理想以上の世界〉を掴み取るために
アイデンティティとも言うべき歌詞を変化させたり、新しい曲調に挑戦するなど
進化出来ることがフレデリックの本当の魅力なのだと何年か越しにやっと気がつけた。
 
 

これを読んでいる画面の向こうのあなたは
「フレデリック=オドループ」だと思いますか?
ぜひ確かめていただきたい。
 
 
 
 

終わりにはなるが、

来たる2月に行われる横浜アリーナ公演では一体どんな見たこともない景色を見せてくれるのか…

私はこれからもフレデリックがどんな未来を歩むのか
自分の目と手で確かめていくつもりだ。

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