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最大級のありがとう!

BUMP OF CHICKEN aurora arkがみせてくれたもの

BUMP OF CHICKEN TOUR aurora ark 名古屋ドーム2日目
彼らのライブはいつだってドキドキしてわくわくして
心の底から楽しいと思える。だけど、今回はもっともっと強い力をもらえたよ。

ライブの中盤で歌われたのはアルバム収録曲の「望遠のマーチ」
アルバムが出る前から、何度も聞いている曲だった。
『与えられた居場所が 苦しかったら そんなの疑ったって かまわないんだ』
このフレーズが忘れられない。
そしてアンコール1曲目、「同じドアをくぐれたら」
『もう気付いたろう 目の前のドアの鍵を 受け取れるのは
手の中がカラの時だけ』
『手に入れる為に捨てたんだ』
そしてまさかのアンコール3曲目。藤くんが最後のMCを終えて、そのままの勢いで歌い始めた、バイバイサンキュー。
『ひとりぼっちは怖くない』

ああ、今日の曲たちはきっと私のためにあったんだ。そんなわけないとか、勝手だとか思われるかもしれないけど、ライブを通してこの曲達が私の身体の中にストンと落ちて染み込んだ。

私はこのライブ1週間前にちょうど転職が決まったところだった。職場が嫌いになったわけではない。優しい先輩に囲まれて、楽しい同期がいて、可愛い後輩もできた。いじめもないし人間関係は良好。仕事内容だって嫌いでは無い。こんなことで転職なんて言えば贅沢だと言われてしまいそう。初めて働く職場として、今の場所を選んだことは後悔していない。
それでも私は今の生活を続けることが辛かった。自分自身のために、未来の自分を大事にするために居場所を変えることを選んだ。

「望遠のマーチ」を初めて聞いた時から
『与えられた居場所が 苦しかったら そんなの疑ったって かまわないんだ』
このフレーズが気になっていたのはこういうことだったんだ。ライブを通して彼らの音と言葉がやっと本当に理解できた。
今の居場所を疑う、なんて選択肢もなかった私に突然投げ込まれたこの言葉。ハッとして顔を上げて周りを見渡せばこんなにも広い世界が広がっていた。
そこから考えて考えて出した答え。今の私を、そして未来の自分を大切にするための選択だったからそれほど後悔はない。それでもたくさんの人に迷惑をかけることへの心苦しさや、次の居場所への不安は消えない。
『目の前のドアの鍵を 受け取れるのは 手の中がカラの時だけ』
でもそんな不安はこの一言で消えた。何かを得るために捨てること。
『そんなに勇敢な選択だ いつまでも迷う事はない』
『振り返らないで 悔やまないで 怖がらないで どうか 元気で』
私、間違ってなかったよね。
そして最後の『ひとりぼっちは怖くない』と何度も繰り返されるバイバイサンキュー。
今までと違う選択をすること、新しい居場所を見つけに行くこと、そんな時には不安が付き物だし、寂しい思いもたくさんする。怖いと思うことをがたくさん待ち構えているに違いない。
この曲を作った彼らだってそうだったはずだ。今までに慣れないことをやってみたり、新しい環境に飛び込むこと。ひとりぼっちだと思うことが何度あっただろう。それでも、何度も何度も呪文のように「ひとりぼっちは怖くない」と繰り返し自分達を奮い立たせてここまできたのだ。
藤くんは最後のMCで、
君が辛い時に物理的に君のそばにはいられないけど、僕達の曲は必ずそばにいます。その曲達は、直接何かの役に立つかわからないし、その曲を見つけるかどうかは君の自由です。それでも曲は君のそばにいます
と言ってくれた。

BUMPの曲はいつだってそうだ。優しくてそばに寄り添うように歌ってくれるけど、やっぱり最後は自分自身なんだと思い知らされる。いい意味でも悪い意味でも自分でどうにかするしかないと。
望遠のマーチの歌詞に
『夜を凌げば 太陽は昇るよ そうしたら必ず また夜になるけど』
という歌詞がある。
初めて聞いた時は、なんて元も子もない歌詞なんだろうと思ってしまった。
だけどライブで聞いた時は印象が変わっていた。当たり前だけど、日常は太陽が昇ったままではいない。当たり前だ。当たり前だけどこれが現実。
辛いことを乗り越えたら楽しいことがあると信じたい。頑張ったぶんだけ嬉しいことがあって欲しい。でもそうではないことも、もっと辛いことが襲ってくることだってあるのが現実。また必ず夜はくるのだ。だけどそんな時だって前に進めるのは自分しかいない。自分でもともとついてない羽で飛んでいかなければならないのだ。
これだけ聞くと絶望的な感じがするが、でもこれが現実で、その現実を丸ごと受け止めて一緒に寄り添ってくれるのが彼らの曲だ。
『体は信じているよ 君の全部を』

そしてツアーファイナルの東京ドーム公演にも行くことができた。東京ドーム公演が追加された時、申し込みを悩んでいた。その頃、実家を出ようか本気で考えていた頃だった。今の環境を変えたくて、何か行動しないと、今のままの私じゃだめな気がして。ライブよりもやらなきゃいけないことがあるんじゃないか、なんて思っていた私が恥ずかしい。こんなに好きなことがあって、好きなことが思う存分できることがこんなにも幸せなのに。結局、実家からは出ないままで新しい転職先が決まった。いろいろなタイミングが重なってできた選択。後悔はしていない。なによりも11月4日の東京ドーム公演に行けて本当によかったと思っている。
着席指定席で立ち上がって盛り上がれないことが寂しいな、なんて始まる前は思ったが、そんな気持ちは一瞬で消えた。バルコニー席1列目、遮るものは何もない。ステージからは遠く離れているけど、彼らを独り占めした気分だった。間違いなく、私とあなたの時間があった。5万人を前にしてそう思わせる彼らの音楽はやっぱりすごい。ありきたりの言葉しか出てこないことがもどかしい。
独り占めしたステージを前にして、みんなと合わせて手拍子することも忘れて全ての音と言葉を吸収してきたつもりだ。望遠のマーチでは自然に涙がこぼれた。この歌詞が、とかそんなはっきりしたことじゃない。ただ漠然と「私は1人じゃないんだな」って思えたから。
彼らは音楽で、言葉で、1人じゃない、1人にしない、そう言ってくれた。音楽は本当に困った時に直接は役に立たない。何も解決しない。そんなこと、きっと音楽を届ける彼らが1番分かってる。それでも何か届けたい、力になりたい、そう思って演奏してくれている。
ライブで楽しそうに演奏する彼らを見ていると、自分の今までは間違ってなかったと思える。拾って離さなかった選択肢もあれば、どうしても選べなかった答えもある。それでも彼らの曲を選んで、ライブに行くことを決めた。
大げさかもしれないけれど、生きてていいんだよって言われてるような。
1人1人に届けたいと願って演奏された曲達は、私1人にちゃんと届いたよ。私のために歌ってくれたって思えたよ。

「1人じゃない」
おまじないのように唱えては、あの夜を思い出す。なんだかわからないけど、きっと大丈夫だって思える。自分でそうやって思えたらたいていのことはきっと大丈夫なんだ。
ありきたりの言葉しか言えないけど、今の私の素直な気持ち。
ありがとう。

『』内は、望遠のマーチ、同じドアをくぐれたら、バイバイサンキューから引用

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