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音の銀河の中に輝く星たち

BABYMETALの多様性

 赤い星はメタル。隣のオレンジの星はアイドル。青の星はディスコで、水色はユーロビート。黄色はラップで、白はJ-POP。緑はテクノで、紫はプログレ。
 そんな多種多様で色鮮やかな音楽が、BABYMETALの中にある。最近、発売された「METAL GALAXY」は、タイトルの通り、音の銀河のように様々な音楽がちりばめられている。その音楽スタイルは、五年前にリリースされたファーストアルバムで、既に確立されていた。オープニングの「BABYMETAL DEATH」はデス・メタルそのもの、「いいね!」はユーロビートとラップが混在、「ド・キ・ド・キ☆モーニング」はアイドル節のメタル、そして「イジメ、ダメ、ゼッタイ」は正統なメタル。さらにセカンドアルバムでは、「Tales of The Destinies」でプログレに挑戦し、「Sis. Anger」のメッセージ性はパンクのように激しい。
 私はBABYMETALの音楽を、型にはまらないオルタナだと思っている。メタルやアイドルという一つの音楽ジャンルに留まらない、自由奔放な音楽スタイル。そこが楽しくて面白い。
 コンサートに行けば、いろいろな音楽ファンに出会うことができる。アイドル好きのファンの方、メタル好きのファンの方、プログレ好きのファンの方。
 私はと言えば、キング・クリムゾンでプログレに目覚め、アイアン・メイデンでメタルに目覚め、ストラングラーズでパンクに目覚めたロック好きだ。
 今年は、イタリア・プログレ、フランス・プログレのライヴに参加し、11月3日には、27年振りに来日したストラングラーズのライヴに参加した。ライヴは最高だった。
彼らの音楽は、ストレートなパンクとは少し異なる響きを持っている。セックス・ピストルズやクラッシュは、ギターを中心とした激しい響きを持っているが、ストラングラーズは、そこに情緒的なキーボードが重なる。すると、パンクでありながら、ハードロックやプログレのような様式美が生まれる。その響きは、とても心地いい。ストレートなパンクとは違うアートな響きを持っている。今回のライヴでもパンクの激しさとアートな響きが、余すところなく表現されていた。
 それから二週間後、ストラングラーズの余韻を引きずったまま、私はBABAMETALのコンサートに参加した。場所は、さいたまスーパーアリーナ。会場に入って、シートの指定席に座ると、隣に外国人が座っていたので、片言の英語で話しかけた。彼は、ドイツから来たと言う。BABYMETALの魅力は、「とにかくSU-METALのボーカルが凄い」と英語で熱く語っていた。ウェンブリー、東京ドーム、二年前のさいたまに参加したと言う。他にも、オーストリア、イングランド、北アイルランド、オーストラリアの外国人の方と会話をした。
 コンサートは、「METAL GALAXY」のオープニングを飾る「FUTURE METAL」から始まった。まるで、映画「スター・ウォーズ」のテーマ曲のように荘厳な曲で、コンサートのオープニングを飾るに相応しい。続いて演奏されたのは「DA DA DANCE」。1980年代のディスコをメタル調に仕立て上げた爽快な曲。当時は、「ディスコなんて軽薄だ」と思っていたのに、私は腕を振り上げ、「ホー」と叫ぶ。楽しくて仕方ない。
 「METAL GALAXY」に収録された曲は、どの曲も、シングル・ヒットしてもおかしくない名曲ばかりである。
 そんな曲の間に、ファースト、セカンドのヒット曲を織り交ぜてコンサートが進む。
 最後は、「METAL GALAXY」のエンディングを飾る「Shine」から「Arkadia」の流れ。「Shine」は物悲しくも力強い曲で、「巡り会えた 奇跡 信じて 僕らは行く 君のもとへ」という歌詞に心打たれる。続く、「Arkadia」は、ひたすら美しくかっこいい。スピーディーでメロディアスな旋律から始まり、SU-METALの力強いボーカルが熱唱される。「Glorious, you just be ambitious!」の歌詞を、私は大声で歌っていた。
 コンサートの後、私は、ホワイトスネイク好きの仙台の方と会話をした。彼と偶然にも意見が合ったのは、「Kagerou」がメタルの名曲に値するということだった。この曲は、「イジメ、ダメ、ゼッタイ」や「Arkadia」のようにスピーディーな曲ではない。リズムはゆっくりとしている。メタルと言えば、スピーディーな名曲が多い中で、それでも「Kagerou」がメタルの名曲と思えるのは、オープニングのリフが重く激しいからである。初期のブラック・サバスに似ているかもしれない。だが、「Kagerou」は単なるサバスのコピーとは違う。重厚なリフの後は、SU-METALの爽やかなボーカルが響く。歌詞は希望と悲しみの二つを表現している。「希望の花 ヒラリ ヒラリ ヒラリ 舞い上がれ」と歌われたかと思うと、次の瞬間には「ヒラヒラヒラ ヒラヒラ落ちる」と歌われる。まるで、人生の浮き沈みのように物悲しい。こういう歌詞は心に刺さる。
 今回のコンサートでは、まだ披露されなかった「METAL GALAXY」の曲があった。私が会話した多くのファンが聴きたいとコメントしていたのは「Brand New Day」である。これまでのBABYMETALにはなかったJ-POP調の曲である。希望や悲しみとは違った何気ない日常を軽やかに歌った曲である。「晴れたらKnock knockしてみよう 雨ならBreakしたっていいんじゃない?」そんな生き方に憧れてしまう。
 BABYMETALの次のコンサートは、来年1月後半に幕張メッセで行われる。EXTRA SHOWと題されたコンサートで、音の銀河がどのように輝くのか、今からとても待ち遠しい。

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