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2017年7月11日

ぴぴこ (27歳)

はじめましての人といつもありがとうの人

SKY-HIとの初めましてのRAGツアー

SKY-HIは
LIVEの時には必ず聞くことがある。

「初めましての人。どのくらいいる?」
 

私がその「初めましての人」になったのは
2016年11月19日 和歌山SHELTER。
Round A Ground Round11だった。

リリースイベントには行ったことがあるものの、
LIVEは初めてだった。
曲は、たくさん聞いてきた。
LIVE映像も沢山見てきた。
予習はばっちりのはず。

でも、どきどきが止まらなかった。

「浮かないかな」
「モッシュとかあるのかな」
「どれくらいの盛り上がり方するのかな」
楽しみと不安が入り混じって、心臓の動きが一段と早くなる。

いつもそうだ。
何か初めての場所に行く時は、心臓がうるさくなる。
喉の奥がギュッと締め付けられる感覚に襲われる。

初めてのSKY-HI。
映像で見てたあのLIVEがもうすぐ目の前で行われるのだ。

会場に入ると想像以上に近かった。
LIVEハウスに来るのは高校生ぶり。
ここ数年は、LIVEと言えば、
アリーナやドームばかりに足を運んでいたから
ステージが近く感じる。

一緒に入った友人との会話が途切れない。
2人とも何か興奮を紛らわそうと口数が増えていた。

このRound A Ground(通称RAGツアー)は、
対バン形式で行われる。
多くは、その土地のバンドとだが、
和歌山は、SKY-HIの後輩、NIHA-Cくんだった。
ラッパー同士の対バン。

最初の30分は、NIHA-Cくんタイム。
NIHA-Cくんのステージで
最高に温まった会場に現れるSKY-HI。

初っ端から、逆転ファンファーレ。
あのファンファーレの音で登場する
SKY-HIは、まさに王者の登場と言わんばかりの存在感。

スポットライトに照らされた彼の姿に
呼吸をするのも忘れた。彼は、輝いていた。
真っ直ぐ前を見つめて歌う姿に心を奪われた。

そこから、Ms.Liberty。
この曲にはFLYERSの合いの手が加わる事で
さらに磨きがかかる。
途中の間奏で「一緒に踊ろうぜ」と彼の一言で
会場中でみんなが揺れながら、共に歌う。
初めての私たちも周りのFLYERSと共に体を揺らした。なんとも言えない心地よさが襲った。

SKY-HIの曲には、
手をあげて音楽にノリ、クラップし盛り上げ、
バウンスをし、共に歌い踊る。
そんな曲も多数あるが、どれも難しくはなく
また彼は「はじめまして」の人を、絶対に置いていかない。
気後れしないように必ず、一緒に楽しませてくれる。

MCを挟んだところで

私の中でこのツアーでもっとも聴きたかったBlanketが流れた。
鳥肌が止まらなかった。
時期が11月と少し肌寒い季節にピッタリのラブソング。
SKY-HIのラブソングは、
情景がしっかりと浮かびあがるようなストーリー性のある楽曲が多い。

この曲を聞くと、とてつもなく恋愛したくなる。
 

MCを挟んでから
SKY-HIの武器とも言える高速ラップのパートがやってきた。
一気に会場のボルテージを爆発させた。

新曲Double Downを含め
ラップパートを6曲一気に駆け巡った。

歌っているのはSKY-HIなのに、
私の息が、またもや止まっていた。
いや、会場中の時間が止まっていたのだろうか。

全員が一言一句聞き逃さないように、聞き入っていた。
しかし、どんどんあがるBPMに対し
何かがフッと切れたようにあちこちから歓声が湧いた。
会場中を完全にSKY-HI色に染め上げた。

歌い終えたSKY-HIは言った。

「楽しい。本当に楽しいよ。
こういう時間って大切にしないと。

だってさ、いつ無くなっちゃうかわからないから…」

そう言ってピアノを弾き始めた。
LUCEだった。
鳥肌が全身を巡ったあの感覚は、一生忘れないと思う。
あれほどまでに歓声で湧き上がっていたみんなが
今度はそのピアノの音に吸い込まれていた。

SKY-HI自身が学生時代に、経験した
大切な友人との別れを歌ったLUCE。
私は、そっと目を閉じて聴いた。

私にも、大切な友人を失った経験がある。
その子に最後に会った時に
「ああしていれば」「こうしていれば」という想い。
そして「伝えられなかった言葉」が、押し寄せた。

《誰かが言うお前のせいじゃない》(LUCE歌詞)

プツンと涙腺が切れた。
溢れてくる涙を抑えることは出来なかった。
しばらく泣き続けた後、
私は大きく深呼吸をして目を開いた。
SKY-HIは、その大切な人の目を見て歌っていた。
実際はいないけど、きっと目の前にはその人がいた。

私の隣にいた友人の肩が震えていた。
彼女もまた、泣いていた。

私の前にいた男性も、涙していた。

「みんな何かを背負って生きている。
普段は明るく笑っている人も、
人生上手くいっているように見える人も、
きっと何かを背負って精一杯生きている」
そう感じた。

でも、そうやって涙を流して
みんなが自分を責めていた気持ちを少し軽くした後
SKY-HIが歌ったのが、カミツレベルベットだった。

SKY-HI自身が、辛く、先の見えない道を歩き
極限に達しできた曲、スマイルドロップ。

そして、それを経て、
自然と出てきた言葉

『Everything’s gonnabe alright』(全てうまく行くよ)

SKY-HIが嫌いだった言葉でもあるという。
《全てうまく行くなんて有り得ない。
誰かの幸福には、誰かが犠牲になっているから》

ただ、この言葉を自然と歌った瞬間に
「ウケる」とと思いつつも自分自身の言葉に救われたという。
(SKY-HI 2016/1/18 blogより)
 

そんなカミツレベルベットは、
私たちの心も救いあげてくれた。

SKY-HIが言うように、
きっと全てが上手くいくことなんてないだろう。
実際に、今日私が彼のLIVEに来ているという事は
誰かがチケットを入手出来ずに家で泣いていたかもしれない。
それでも、この曲を聴いている今だけは、
『Everything’s gonnabe alright』
この言葉に心底救われた。

SKY-HIは、常に自分の音楽を聴いてくれる
リスナーを大切に考えてくれる。
「君たち」の「たち」と付けるのを途中で
「達だなんて失礼だな、君だよ」と、
1人ひとりに向けて向き合おうとしてくれる。

RAGツアーでは、
カミツレベルベットが終わった時に
ファンを何人か指名し
「楽しかった?」と感想を聞いていった。
きっと、全員に聞きたいのが本音なんだろう。
時間の関係上5.6名になったが
みんなが「楽しかった」と答えて行くのを
嬉しそうに聞き、
最後のひとりが「楽しかったです」と答えると
満面の笑みを見せ、
一呼吸置き、アカペラで歌い出したのは
 

アイリスライトだった。

《君がただ「幸せ」って言う一秒が作れたら
それだけでいつも僕は僕になれる
その泣き顔が 笑顔に変わるのなら
それだけが きっと 僕の生きる意味だ》
(アイリスライト歌詞)

歌詞に出てくる
《白黒黄色流す血の赤 混ぜるアイはまだ足りないのかな》
(アイリスライト歌詞)
の「アイ」は、愛であり、藍色の藍であるという。

《世界が5原色で構成されてるのに、
白人、黒人、黄色人種、流す血の赤だけで、
青色=藍色(アイリス)はないですよね。
だから、人間は“アイ”っていうピースが最初から欠けてる存在とも言えると思うんです。
だからこそ“アイ”を探すのかなって》
(※1:Amebreak インタビューSKY-HI談)

SKY-HIの愛は、自分へ。
自分の周りの人へ。
まだ見ぬ先のファンへ向けて。
そして世界へ向けて発信されている。
 

最後にSKY-HIが歌ったのは
ナナイロホリデーだった。

1人で作り始めた音楽。

SKY-HIという名で始めた頃は、
お金を払ってステージに立ち、5人のファンの前で歌った。
たくさんの非難を浴びせられ、辛い日々もあったという。

売れ始めた時にもまた、人の裏切りに悩まされた。

でもその中で出会った
彼の仲間、SUPER FLYERSとの出会い。
そして、目の前に確実にいる自分のファン(FLYERS)。

その彼だからこそ今、歌える歌。

《夢の中なんかより現実はAh 歓びにあふれてる》
(ナナイロホリデー歌詞)
 

私は、この「初めまして」のLIVEの時は、
一緒に行った友人しか、会場に知り合いはいなかった。

でも、半年たった今、私には「FLYERS」の多くの仲間がいる。
どこの会場に行っても、必ず知ってる仲間がいる。

そして、その日にまた新しく仲間を作って帰る。

彼がSUPER FLYERSという
最高の仲間が出来たように

LIVEに行く度に私たちには、
FLYERSという仲間が増えていく。

ああ、
半年前よりも確実に実感してるよ。
「夢の中なんかより、
現実は歓びにあふれてる」
と。

今年もまた、RAGツアーが始まる。
きっとまた、全国を回りながら
私は仲間を多く作って帰ってくるだろう。

SKY-HIは、LIVEの時には必ず聞くことがある。

「初めましての人。どのくらいいる?」と。

そして、
「いつもありがとうの人。どのくらいいる?」と。
 

今年のRAGツアーは、
「いつもありがとう」で、
仲間と共に大きく手を挙げたい。

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