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11月15日のはじまりの光

Nothing’s Carved In Stoneと約束を交した日

 
2019年11月15日。
4年目を迎える“Live on November 15th”が今年は仙台GIGSにて行われた。
昨年の大阪に引き続いて地方開催となった通称「ノベ」。
その日の仙台は雲ひとつない快晴で、仙台空港に到着した瞬間、どんだけ寒いんやろう……と思いながら持ってきていたマフラーを外した。さすが数多の雨予報を覆してきた晴れバンドの誕生日。
まさしく小春日和の日差しがまぶしい仙台の街に、夜が近づくごとにナッシングスのグッズを身につけた人達が集まってくる。
日が暮れてしまうとさすがに晩秋の夜風が冷たくて、でもこれがノベの季節だなぁなんて思いながら会場に入った。

東北地方最大のライブハウスのステージは普段通りのシンプルさ。いつ見ても黒い背景に白い「Nothing’s Carved In Stone」の文字がよく映える。
アルバムツアーの真っ最中での開催となった今年のノベは、その地続きのテンションをたしかに感じるものだけれど、でもツアーとはどこか違う。
ツアーは対バンライブであるのに対し今日はワンマンだからだろうか。もちろんそれもあるのだろうけど、やっぱりノベは私たちにとってもナッシングスにとってもちょっと特別な日だ。

ツアーとはガラリと変わったセットリスト。「Crystal Beat」「Crying Skull」「Sands of Time」あたりのレアな曲が披露されるのものこの日ならでは。
ナッシングスは自分たちのフェーズごとに常に新たな側面を打ち出す変化をいとわないバンドだけど、同時にどのタイミングでどの曲をやってもぴったりハマってしまうバンドでもある。
単に昔の曲をやってくれて嬉しい、なんて気持ちを越えて、彼らのライブがいつでも魅力的なのは、変化し続けながらも根底には一貫したプライドがあることの裏付けだと思う。
そんなことを考えながらこの日披露された20曲すべてに酔いしれていた。

ライブの終盤、ボーカルの村松拓が「俺たちにははじまりの曲がいくつかある」といったような話を笑いながらしてくれた。
きっと人それぞれの感じ方があるだろうけれど、私が思うナッシングスのはじまりの曲は、結成以前から存在していた“はじまり”の曲「Isolation」、今年5月の独立後初のシングルであり、新たなステージへの“はじまり”を宣言した曲「Beginning」、そして村松がこのバンドをやろうと決めた時の心境を綴り、タイトルがそのままバンドの誕生日になった「November 15th」の3曲だ。

3曲ともこの日のライブで披露されたのだけど、どれもまったく違うタイプの楽曲なのに、4人から伝わってくる熱量とメッセージの結論はいつもブレることがない。
今のナッシングスがせつせつと語る「あなたのそばに届く音楽を」その思いが、彼らがステージに立っているどの瞬間からも溢れている。

ライブという非日常の魅力にとりつかれた人はきっとみんな分かると思う。
ライブで好きな音楽を聴いている時、この時間が永遠に続けばいいのにと思う。でもこのライブには必ず終わりがあって、終わればまた日常がはじまるってことも同時に考えていたりする。嫌なことばっかりというわけでもないけど、やっぱり四捨五入すればため息をつきたくなるようなことのほうが多いかもしれない。
でも、もちろんライブが終わってしまったら寂しいけど、この日最後の曲を聴きながら、私は明日からも頑張ろうかなとも思えていた。
しんどいし面倒くさいこともたくさんあるけど、ナッシングスが鳴らした音を思い出しながら毎日を過ごしていけると思えたのだった。

“November 15th,I need your bright light.”

ライブで歌われるたびに輝きの増すこのフレーズは「また会おう」の約束だと思う。
楽しいばかりじゃない日常に向かう背中をそっと押して、「またライブハウスで会おう」って日常の先で待っていてくれる。
だから、この歌が照らしてくれる日常を乗り越えて、またNothing’s Carved In Stoneに会いに行きたい。

11月15日、来年もどこかの街で約束を交わせますように。

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