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『GO』は私のメロディーフラッグだった

BUMP OF CHICKENと出会ってから初めてのライブまで

私がBUMPと出会ったのは、大学3年の秋頃であった。
資格取得のために大学院へ進むか、就職するか。ちょうど進路に悩んでいた時期である。
周りの子がどんどん就活を始め、焦りを感じつつも院進の道を捨て切れないでいた時に、YouTubeで偶然聴いたのが『GO』であった。

どこかで聴いたことがある曲だな、きれいな映像だな、と思いながらぼんやり聴いていた時、1つのフレーズがすっと心に飛び込んできた。

「ゴールに僕の椅子はない それでも急いで走った 思いをひとりにしないように」

たったこれだけの言葉なのに、じわっと涙が出てきた。それは、大学入試のことを思い出したからだった。
私は、第一志望の大学に合格できなかった。
 

私の通っていた高校は進学校で、飛び抜けて得意なものがある子が周りにたくさんいた。そのような特別なものがなかった私は、みんなに置いていかれないようにと、ただひたすら勉強した。完璧主義で負けず嫌いな性格もあって、どの教科でも1番になりたいという気持ちを持ちながら、常に何かに追われているように勉強していた。

すると、まさか自分が目指せるとは思ってもいなかった大学を先生から勧められた。
驚きと同時に、届くかもしれないなら挑戦したいという強い気持ちが生まれた。かなりリスクは大きかったが、後悔はしたくなかった。
そういうわけで、高3の私は今まで以上に勉強に没頭した。今振り返っても、この頃の私は本当によく頑張ったと思う。

センターでは本番で過去最高点を出せた。2次試験でも、自分の力は出し切った。でも正直、試験が終わった時点で厳しいかなと感じていた。不合格が決まった時も、自分でも驚くほど涙が出なかった。

後期で別の大学に合格することができ、割り切ってこの大学で頑張ろうと思った。そこから3年間、高校時代のことはあまり思い出さないようにしながら、大学生活を送っていた。
 
 

しかし『GO』を聴いて涙が出た時、ああやっぱり私は悔しかったんだな、と思った。自分の思いと向き合って最後まで頑張った自分を、誰かに認めてほしかったんだ。感じないようにしようと思っていたけれど、ずっと憧れの気持ちを捨てられなかったんだ。そう気付かされた。

そして、『GO』はこう続いていく。

「とても素晴らしい日になるよ 選ばれなくても選んだ未来
 ここまで繋いだ足跡が 後ろから声を揃えて歌う」

この歌詞を聴いて、私は院進する意思を固めた。
もう一度あの憧れの場所を目指したい。他大学の院、しかも倍率の高いところに進むのはかなりハードルが高いと分かっていた。でもここまで積み重ねてきたことを信じて、自分の思いを無駄にしないように、未来を選んだ。
 

これをきっかけにBUMPを好きになり、過去の曲を聴き漁っていた頃、BUMPに多くの動きがあった。新アルバム発売にツアー決定。こんなにわくわくして嬉しくなったのは久しぶりだった。そして私は人生で初めて、ライブに行きたいと思った。4人の音を直接聴きたい、4人に会いたいと強く感じた。

院試が9月に行われるため、それが終わるまでは参戦は難しいかなと思っていたところに、東京ドーム公演の追加が発表された。
合格してここに行こう。このライブをモチベーションにして、勉強を始めた。
 

院試までの期間は、精神的にかなり苦しかった。
志望校を1つに絞ったため、落ちたら今後のことを一から考え直さなければならなかった。友人はみんな就職先が決まり、同じ立場の子がおらず孤独だった。一人暮らしで弱音を吐ける相手もおらず、夜は不安になってよく泣いていた。

そんな時に支えてくれたのは、やはりBUMPの音楽だった。
『GO』の他にも、『Stage Of The Ground』『オンリー ロンリー グローリー』『ロストマン』『歩く幽霊』などなどたくさんの曲を聴いて、頑張ろうと気持ちを立て直した。新曲の『Aurora』も、私のための歌なのではないかと思うくらいに歌詞が自分に重なり、何度も聴いて背中を押してもらった。
 

しかし、この院試でも私は合格できなかった。
筆記試験は通ったのだが、その後の面接で落ちた。積み重ねてきたことは報われたのに、たった10分の面接でそれが砕けて消えたと思った。

面接対策もしたし、本番でも考えてきたことは全部話した。ただ、自分の長所や強みについての質問に答えた時、一人の教授に鼻で笑われた。わざとなのかもしれないが、その時は自分の人間性が否定されたように感じた。自分はそもそもこの道に向いていなかったのではないかと思い、しばらく立ち直れなかった。

試験後、ずっと外れ続けていた東京ドーム公演の最後の抽選があったが、それも外れてしまった。BUMPの曲を聴くのも辛くなった。
特に『GO』は、ずっと聴けなかった。
 
 

10月になり、少し気持ちも落ち着いた頃、東京ドーム公演のリセールがあることを知った。今回行かなかったら、次いつ行けるかわからない。合格はできなかったけど、たくさん支えてくれたBUMPにやっぱり会いたいな、と思った。
そしてLINEのリセールと格闘した結果、運良く4日の公演に参加できることとなった。
久しぶりに、嬉しくて泣いた。
 
 

11月4日、aurora arkファイナル。私にとっては、最初で最後のaurora arkだった。
aurora arcがかかった瞬間から、少しずつ心が音楽に包まれていく感じがした。4人の円陣のシーンが映った時、涙が溢れた。
やっと4人に会えたんだ。
そこからずっと、泣きっぱなしだった。

2階席で、肉眼では4人はほとんど見えなかった。でもそんなことは全く関係なかった。音は、そして4人の気持ちは、まっすぐに私の心まで届いた。1曲1曲がいつも以上に深く刺さったり、楽しかったりで、本当に時間が過ぎるのが早かった。
そしてライブ後半、一生忘れられないようなことが起きた。
 

『GO』のイントロが流れてきた。しばらく聴けないでいた、でもとても大切な曲。
それだけで涙が滲んだのに、藤原さんがある曲を歌い始めた。

「響く鐘の音の様な あのメロディーを思い出して
 出会った頃に僕と君で刺した旗」

(※歌詞変え部分は筆者の記憶に頼っているので、誤っている可能性がある)

最初、何が歌われているのか分からなかった。それが『メロディーフラッグ』だと気付いた時、そして歌詞の意味に気付いた時、私は今までで一番号泣した。

私がBUMPを好きになったきっかけの曲。未来を選ぶ勇気をくれた曲。
その冒頭で、この曲が、この歌詞で歌われたことは、私にとって深い深い意味を持っていた。
 

『GO』は本当に私のメロディーフラッグだったんだ。
あの時BUMPに出会ってから、ずっとこの曲を目印にして、頑張ってこられた。
これから先、もっと辛いことや報われないことがたくさんあるかもしれない。
でも私には、BUMPと出会った時に刺したこの旗があるから、何があっても生きていける。
そう確信した。
 

魔法のような時間が終わった。
BUMPに出会えてよかったと、心の底から思った1日だった。
 

藤原さんはライブの中で、「今日お前が歌った歌は、未来のお前自身に向かっている」というようなことをおっしゃっていた。
このライブで歌った歌たちを目印にして、これからも未来を選んでいこうと思う。
 
 

最後に、BUMP OF CHICKENのメンバーのみなさん、スタッフのみなさん、本当に素晴らしい時間をありがとうございました。

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