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「友よ」と語りかける声が届けるもの

関ジャニ∞「友よ」

関ジャニ∞の新曲「友よ」
生田斗真さん主演の日本テレビ系ドラマ「俺の話は長い」の主題歌になっている。
作詞・作曲:GAKUさん 編曲:高慶“CO-K”卓史さん

 |なぁ友よ
 |人生って最高だろう?
 |だからやめられないんだろう

安田章大さんの声ではじまるこの歌は、熱の込められた思いでプラスへと舵をとる言葉がつづいていく。
しかしそこには、否定の気持ちが心に渦巻くことを自覚しているからこその強い肯定があるように感じられて、
何も知らずに歩んできたわけではない、地層のように重なった思いから湧いた希望を「友よ」という歌にほとばしらせている。

人生って最高だ!ではなく、“最高だろう?”と問いかけている意味。
そのあとに続くのは、“だからやめられないんだろう”という言葉。そう思っているとわかりきっている人に、この言葉をかけるだろうか。そう考えた時、この歌詞が好きになった。
なにもかもが面倒になることがある。生きることには手順が多すぎて、この先、が視界に入った途端、そんな途方もないことをただ生きていくというあまりに切実な行為を、耐えぬいていくことができないと、立ちすくむことがある。
やめてしまえることを知っている。それでも選んでここにいる。

関ジャニ∞が歌うから、届くものが必ずある。
それはこれまでも、これからも同じで、苦労をすればするだけいいなんて絶対に思わないけれど、ひとつひとつの経験を不器用すぎるほどに受け止めて、きちんと悔しがり、生身のままで向き合い続ける一人の人としての姿は、彼らにしか歌えない歌へと繋がっていく。

 |答え無き時代に 揺るぎない覚悟

「友よ」のなかで、この歌詞が特に胸に刺さっている。
それぞれの中にある正義を面に向けて振りかざせば人を傷つけて、誰が正しいのかと議論する世界でも、 結局“答え無き時代”にいることを自覚する。
立ち向かうため、必要なのは“揺るぎない覚悟”で、外側に答えを求める前に、自分の中に何があるか。
2番の歌詞に胸が熱くなる感覚は、フルで聴いて体感してほしい。
 

サビに入る前に聞こえる“HEY!”の声が、歌を通して聴いてみて大きな役割を担っていることに気がつく。
ズシリズシリとつづく言葉の間に決意のような掛け声があることで、気持ちは晴れやかに、まあやってみるか!という気にさせてくれる。
安田章大さんの雨も泥も掻き分けていく熱い歌声から、村上信五さんと安田章大さんのユニゾンになる。そして丸山隆平さんと横山裕さんのユニゾンに安田さんのハモり。大倉忠義さんの声に村上信五さんの声が重なる。

横山裕さんの声、村上信五さんの声、丸山隆平さんの声、安田章大さんの声、大倉忠義さんの声。
こんなに長い間、同じ人の声を聴き続けることはそうないのではと思うほど、日常のなかで歌にテレビにラジオでと聴き続けている馴染みの声。
耳にするだけで顔が思い浮かんで、笑い方もふとした仕草も想像できる。
知ってるなんて言える程ではないけれど、それぞれの性格や、これまで歩んできた道のりのことを思い返すことができる。

MVの空気感やセットは無骨で、形作らず。でも落ち着いたスマートさが表れていて素敵な映像。
今時のテレビやパソコンの画面比率は横長な映画館のスクリーンタイプが多い気がするけれど、「友よ」のMVは最初やシーンによっては横長になるものの、基本はかつてのテレビの比率。
そこに出る縦の歌詞がまた良くて、毛筆で書かれた“友よ”の文字を後ろ盾に歌う関ジャニ∞は、和との相性が完璧。
 

今回「友よ」は、初回限定盤、通常盤、47ツアーオフィシャル“BOY”Tシャツ付き盤、さらにセブンイレブン盤がある。
なんとも個性豊かな販売形態ではあるけれど、それぞれ魅力があるので好みに合うものを選ぶことができる。
セブンイレブン盤の特典映像は、1時間半。こんなに見てもいいんですか!?と思うくらい、ボリュームとカロリーがすごいことになっている。
今の関ジャニ∞ってどんな感じ?どういう空気?と思っている方は、この映像を見てほしい。
しっかり話しこむ時間もありつつ、節目節目に肉を焼いてきた(?)謎の盛り上がりと、バーベキュー好きを語るだけある横山裕さんのテンションの高さ。お肉食べて、お酒飲んで、話して笑って。見ているだけなのに、その雰囲気がものすごく心地いい。
しんみりだけでは終わらない彼らなので、特典映像として普段も見たくなる面白さがちゃんとある。
「My Story」は安田章大さんと大倉忠義さんの共作の曲で、「Faaaaall In Love」はユニバーサルスタジオジャパンのジェットコースター“ハリドリ”でもBGMになっている曲なので、どの盤も楽しみどころがある。
 

先が見えたら見えたで立ちすくむくせに、想像もつかないこれからに恐ささえ感じている今の私は、「友よ」を聴いて、ちゃんと叱られた気がした。諦めるな、と言われた気がした。
ままならないことが往々にして起こる。それってすごく理不尽で、だけどそうであっても向き合っていく関ジャニ∞の姿ほど、心強いものはない。
こんなにも熱のある歌が、「俺の話は長い」という蟹を食べるか食べないかで悩んだり飲みに行く理由を探してあれこれする、ゆるーくだけど芯を押さえたドラマのラストに聞こえてくるというのも、素敵なギャップだと思う。思いがけず家族の本音が話し合えた第3話「酢豚と墓参り」の回で、黙々と回す中華テーブルの前で、“なぁ 友よ”と聴こえてきた瞬間がぐっときた。
 

 |君が見る時代に 惜しみない愛を

今を暮らしている人たちだけでなく、これから生まれてくる“君”への歌でもあるこのメッセージ。綺麗なものを探すことの方が難しいかもしれないけど、それでも“惜しみない愛を”と歌う。
私は今まで知らなかった。
なり振り構っていられるかと覚悟を決めた大人が、こんなにかっこいいものだとは。 

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