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人間にとって最も大切な「if」

MONO NO AWARE 『言葉がなかったら』が教えてくれた世界

ある時の感情を言葉にしてみると…
「楽しい」 「嬉しい」 「悲しい」 そのくらいの言葉しか思いつかなくて、こんなんだったら、言葉にしない方がよっぽど美しいままの記憶に残せたのに。と思う時はないだろうか。
 
 

私は、多々ある。
そのひとつに、とある音楽を伝えようと友達に話そうとしたり、LINEで文章を打とうとしたりしてその時のことを言葉にしようとしてみると…
はじめて聴いたあの瞬間の感情や、だんだん聴いていくうちに伝わってきた時のその感情、歌詞に対する印象など、その時々に沸き起こった感情を満足なキレイな言葉で言い表せない私がいる。
そうして結局、「やばい」 「つらい」 「エモい」などと、なおのこと訳の分からない言葉で伝えてしまっている自分に嫌気がさす。

また、こうして音楽文にその楽曲やアーティストに対する気持ちを丁寧に綴っていても、なにかどこかで、抱いていた楽曲とのイメージと擦り合わないことがあり、ピンとこない。

なんでなんだろう。
言葉でしか伝えられないのに。

MONO NO AWAREも同じだった。
そうして私たちへ「言葉がなかったら」と問いかけてきた。

そうか、言葉がなかったら…私たちはどうしていたんだろう。

1番大きなところは、言葉がないと思考がないということだ。
そうなると私たちは享受したものにそのまま反応できる。だろう。

例えば、
言葉のない世界に住んでいたならば、
・音楽で受け取ったものを、踊ったり手を叩いたりしてその場で反応する。
・美しい花を見て受け取った感情のままに泣き出すことができる。
・人からもらったぬくもりをそのまま返すことができる。
 

私はそんな世界を思い浮かべながら、その世界をただただ羨ましいと思った。本能むきだしで美しいじゃないか。

言葉のある今の世界は私を息苦しくさせている。
なぜなら、伝えたいことをそのままに伝えられない。それどころか口すら噤んでしまう。怖い。
そのくせ、思考が止まらない。
こんなことを重ねる世界にいるんだ。嫌になる。
 

しかし、MONO NO AWAREは、『 言葉がなかったら 』のラストサビの直前に《 言わなきゃな 》と、決意を歌い上げた。

それはなぜなのだろう。

そうして、言葉がない方が楽なのに、どうして言葉のある世界が創られたのだろうか。

それは──
言葉が私たち人間を最も人間たらしめるからだ。

このくらい大袈裟でも逸れることはないだろう。

話すことも書くことも、
そして、話そうとして口を噤むことも書いてみても伝わらないだろうと感じることも、そのすべてが愛おしく、人間らしい。
 
 

言葉がなかったら…
私はその世界を羨ましいと書いたがやっぱり撤回しよう。
言葉のない世界は息苦しささえも感じない空虚な世界かもしれない。
 
 

言葉があったから…
私たちは人間の道を歩んで行ける。
人間であることを輝かしいと思える。

言葉のぬくもりもつめたさも、私たちは受け入れて、そして、伝えられなくても伝わらなくても人間らしくて素晴らしい世界だと思っていたい。
 

《 言葉に直したら 嘘になってしまうとしても ギリギリのところまで 表していたいんだ 》

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