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BUMP OF CHICKENと紡ぐ今と過去と未来

6thアルバム「COSMONAUT」が教えてくれること

昔のBUMP OF CHICKENって言われるときは「ユグドラシル」以前、最近のBUMP OF CHICKENって言われるときは「RAY」以降を指すのかなとなんとなく解釈している。

昔の曲とか歌い方が好きな人もいるし、逆に若い子は「ray」で好きになったっていうのも聞くし、感じ方は人それぞれなんだと思う。個人的には、その時々の良さがあるし、自分もその時々で聴きたい曲が変わるから、どれも好き、としか言いようがない。たぶん多くのBUMP OF CHICKENリスナーはそうなんじゃないかなあと思う。
最新アルバム引っ提げツアーで、相変わらず「ガラスのブルース」をはじめ、昔の曲がちょこちょこ演奏されていたのは、BUMP OF CHICKEN自身の曲への愛を感じて、なんだかこっちまで愛しくなる。

ただ、今日書きたいのは、昔とか最近とかのカテゴリーに、ちょっと収まりが悪い(と勝手に思っている)6thアルバム「COSMONAUT」のことだ。

昔の尖った感じはもうあんまりないけれど、最近のキラキラな感じもない。「ray」とか「Butterfly」みたいなライブの定番曲もないし、タイアップも1曲しかない。そんな、ないない尽くしのアルバムだけど、洗練された音の中に、30歳前後のBUMP OF CHICKENの伝えたいことがぎゅっと詰まっている感じがして、すごく好き。発売から9年近く経って、BUMP OF CHICKENより7歳年下の自分が、この頃の彼らの年齢を超えたからか、発売当時よりも体と心にじんわり染みる。

20年以上前から「イマ」を叫んで、「イマ」を追いかけているBUMP OF CHICKENの曲たち。「COSMONAUT」の頃からは、今、過去、未来が、とても美しく、立体的に描かれるようになった。
 

“そこに君が居なかった事
 そこに僕が居なかった事
 こんな当然を思うだけで
 今がこれ程愛しいんだよ
 怖いんだよ”

「R.I.P.」
 

“出来るだけ離れないで
 いたいと願うのは
 出会う前の君に
僕は絶対出会えないから
今もいつか過去になって
取り戻せなくなるから
それが未来の 今のうちに
ちゃんと取り戻しておきたいから”

「宇宙飛行士への手紙」
 

「今」が、あらゆる偶然が重なって紡がれていること。常に動き続ける時間の中で、「今」はあっという間に取り戻せない過去になること。だからこそ「君と一緒に居られる今」を大切にしたい思いが、あふれそうなほど伝わってくる。

だけど、一緒に居られることは、喜びだけではない。
 

“how far are you?
 一緒に生きてる事は
 当たり前じゃない
 別々の呼吸を 懸命に読み合って
 ここまで来たんだよ”

「セントエルモの火」
 

一緒に居ること、居続けることは、決して簡単なことじゃない。簡単なことじゃないって分かっているからこそ、一緒に居られることが、こんなにも尊く感じられる。

それなのに、一緒に居られることは、永遠には続かない。
 

“そしていつか星になって
 また一人になるから
 笑い合った 過去がずっと
 未来まで守ってくれるから”

「宇宙飛行士への手紙」
 

“あなたを無くしても僕は生きていく
 それでも信じていてくれますか”

「66号線」
 

どんなに素敵な「今」だって、必ず終わりが来る。「一緒に居られる今」を懸命に繋いでも、一人になる未来は必ずやってくる。BUMP OF CHICKENは、いつだって、本当のことを歌う。

心の中には、こんな気持ちもあるのに。
 

“ああ どうかいかないで
いつまでもなくならないでいて”

「angel fall」
 

なくなってしまうことに対して、抗うことはできないけれど、やっぱりなくなってほしくないから、祈るように本音をこぼす。

だけど、こんなことも歌ってくれる。
 

“出会った事忘れたら
何回だって出会えばいい”

「三ツ星カルテット」
 

“どうせいつか終わる旅を
僕と一緒に歌おう”

「HAPPY」
 

終わりがあることも事実だけど、離れてしまっても、生きてる限りは繋ぎ直せること、ちゃんと繋げば一緒にいてくれることも事実なんだと思える。BUMP OF CHICKENは、いつだって、本当のことを歌うから、歌っていることは、なんだって信じられる。

ちょっと話は逸れるけど、この頃の藤くんの歌声が、昔ほどカッコよさ全開でもなくて、現在ほど伸びやかでもなくて、透明感やピュアさであふれた優しくてちょっとかわいらしい歌声で、それはこの時期だけの魅力だと思う。どのアルバムを聴いても思うけど、藤くんの声は、その時期だけの特別な魅力がある。

BUMP OF CHICKENと同じ時を生きていることに、心から感謝したい。そして、その時その時の、BUMP OF CHICKENのかけがえのない「今」の側にいたいと願う。

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