2624 件掲載中 月間賞発表 毎月10日
この数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。

唯一無二の歌声と新たなる一歩を。

Aimerさんに寄り添われていたと気付いた日々

 
Aimer ーエメー
フランス語で「好き」という意味だ。

わたしは、Aimerさんの歌声がすきだ。

「終わらない夜に願いはひとつ
“星のない空に輝く光を”」
─六等星の夜─

はじめて彼女の歌声に出会ったのは2011年7月。学生時代に大好きだった小説が深夜枠でアニメ化された。あさのあつこさん原作のNO.6のED「六等星の夜」。それを歌っていたのがAimerさんだった。独特でハスキーでどこか憂いを帯びたようなその声を聴いたとき、真っ暗な部屋のなかで見ていたエンディングのアニメ映像も相まってか涙が零れた。
 
 

「世界中の孤独をつなぎあわせ 悲しみ包むオーロラ
祈りは果てしなく どれくらいの願いをかなえるだろう」
─悲しみはオーロラに─

Aimerさんの綴る夜の世界、唯一無二と評されるその歌声に惹かれたのは、学生生活を楽しみながらもどこか寂しく孤独を感じる多感な時期だったからかもしれない。寄り添ってくれるような彼女の創る世界とその歌声にあっという間に引き込まれていった。

彼女が15歳のとき、喉の酷使で声が出なくなりその治療法の結果唯一無二と言われるその歌声となったというのはファンの間では有名な話だ。デビュー前も、そしてデビュー後も様々な苦難を乗り越え、挑戦し3枚目のアルバム「DAWN」を引っさげて行われたライブツアー。夜を彷徨い歌い続けていた彼女がついに夜明けを迎えることを決意した。そのとき参加した大阪公演は今でも覚えている。終始、涙が止まらなかった。彼女の創り出すやさしく儚さをも感じる幻想的な夜が終わる寂しさと、夜明けを迎え新しい旅路を歩む期待とうれしさ。彼女は立ち上がる勇気をも教えてくれた。

「眠れない想いを抱きしめた夜に 朝は来るよ
手を伸ばせば 朝は来るよ」
─DAWN─
 

夜が明けた彼女の世界は名だたるアーティスト達からの楽曲提供によるコラボレーションで、今までになかった姿を見せてくれた。バラードの多かった彼女がロック調の力強い歌声を魅せる。ポップで弾むような歌声が響く。あまりの振り幅に衝撃を受けたが、どんな曲でも自分のものにしてしまう彼女の才能には舌を巻くほどだった。

ただ、少しだけ怖かった。新しい旅路へのうれしさはあったのに、どんどん先へと進んでいく彼女についていけなくなってしまうのではないか。そう思っていたのはきっと、わたしだけではなかったはずだ。

しかしそれはただの杞憂に終わった。彼女は誰も置いてきぼりにしたくない、そう言ってくれた。いつでも音楽を通して傍に寄り添っていたいと思ってくれていた。彼女の表現はどんどん世界を広げ進化していくが、音楽にもファンにも真摯に向き合う根底にある想いは変わることはなかった。わたしはいつからか、歌声や世界観と同様に”Aimer”というひとりの人間としての魅力に惹かれていた。

彼女の歌声に寄り添われながら、共に新しい景色を見続けていきたいと願った。

陽の光を浴びることで次第にモノクロだった彼女の世界に色が付きはじめた。壇上では暗がりのなかで歌っていた彼女にもスポットライトが当たるようになり、眩しいくらいの笑顔を見せてくれた。見たことのなかった一面を見る度にうれしくなった。そして夜明けを迎えた彼女が様々な世界を越えて4年。満を持して再び夜へと舞い戻ってきた。また新たにはじまる夜の旅路が楽しみで仕方がなかった。

「荒波を行け その闇を抜け ただ前を向け」
─Torches─

今までの寄り添うようなものでありながらも、そのタイトル通り松明のように照らし出してくれる力強い夜だと思った。
 
 

現在、彼女は年をまたいでのホールツアー真っ只中だ。つい数日前にわたしもその公演に参加してきた。それについてはすべてが終わってから改めて綴りたいと思う。

そんな中でわたしはまたひとつ歳を重ねた。
この一年間を振り返りながら。
そして、Aimerさんの六等星の夜を聴きながら。
彼女のデビュー曲であり、わたしのAimerさんとの出会いの曲。大切な曲。特別な日に聴くのが当たり前になっていた。
(以下すべてのカッコ内「六等星の夜」より)

「傷ついたときは そっと包みこんでくれたらうれしい
転んで立てないときは 少しの勇気をください」

Aimerさんが新たなる夜をはじめると宣言したなか、毎日忙しなくすぎていく日々、それは突然だった。というよりも、今までの積もり積もったものが収まりきらなくなったのだろう。こころにも身体にも不調の違和感。気がつけば傷だらけ。もうダメだ。そう思うことが何度もあった。もうどうでもいい、どうにでもなればいいと自暴自棄になったりもした。音楽すらも聴くのを忘れた。楽しむことすら出来なくなっていた。何をしてもおもしろくない。何もやる気が感じられない。結果、病院では医師から抑うつ状態であると診断された。

「眠れないときは そっと手をつないでくれたらうれしい
夜明けは来るよと 囁いていて 嘘でもいいから」

眠れなくて動くことすらままならない日々が続いた。自分でも信じられないくらいだった。真っ暗で何も見えない。この先自分はどうなるのか、どうすればいいのか、どうしていけばいいのかわからなかった。怖くて、悲しくて、不安でいっぱいな日々だった。繋いでくれる手などない、嘘でもそう言ってくれる人などいない。

「想いはずっと届かないまま 今日も 冷たい街でひとり
ココが何処かも思い出せない」

だいすきなはずのAimerさんのことを思い出したところで、そのときの自分にはどうすることも出来なかった。わたしには絶望感しかなかった。

しばらくの休息期間を経て、漸く少しずつ気持ちが落ち着きはじめた。そして色んな世界の彼女の楽曲に触れた。久しぶりだった。物理的ではないが、その歌声が傍に寄り添い手を繋いでくれていたことに気がついた。立ち上がる勇気をくれた。DAWNでは何よりも暗いのは夜明け前だと歌ったAimerさん。彼女の歌が夜明けは来るのだとわたしに囁きかけてくれていたのだ。きっとその日々がわたしにとっての夜明け前だったのだ。

現在はこころも身体も回復傾向にあり、復職した。
音楽だってたのしめる。やりたいこともたくさんある。わたしにとっての夜が明けた。
 

「星屑のなかで出会えた奇跡が
人ゴミのなかに また見えなくなる」

これまでの日々、振り返ればたくさんの人と出会った。Aimerさんとの出会いもそのひとつだ。そしてまた多くの別れも経験した。大切にしたいと思っていたのに気がついたらその手のひらからこぼれ落ちてしまったかのように、手放してしまったものもある。しかしわたしはこの次のワンフレーズの言葉を今まで出会ってきたすべての人に贈りたい。

「こんなちいさな星座なのに
ココにいたこと 気付いてくれて ありがとう」

デビュー当時の彼女は目を凝らしてようやく見える六等星の様だったかもしれない。今でも変わらない想いでいるかもしれない。しかしわたしにとって彼女の歌声は、行く先を示してくれるポラリスのようで、導き照らし出してくれる松明のような、そんな存在だ。彼女の歌声はいつだってわたしの傍に寄り添ってくれていた。

こんなちっぽけなわたしだけど、どんな時も傍にいてくれた友人や支えてくれた家族。出会ってくれたすべての人に感謝の思いを伝えたい。そして、どんな時も音楽を通して傍に居続けてくれたAimerさんに。

あんな真っ暗な夜にはもう二度と戻りたくはない。しかし夜は必ず明ける。そして必ずまた訪れる。自然の摂理だ。だが、その夜が再び同じものとは限らない。新たなる夜を旅すると決意し、その世界を切り開いていくAimerさんのように。
 
 

六等星の夜はAimerさんと出会えたかけがえのない大切な曲だ。そして今でも支えの中心にある。

「戻らない過去に泣いた夜たちに 告げるサヨナラ
明日はきっと輝けるように」

過去の自分を抱き締めて、わたし自身もまたここから彼女の歌声と共に新たなる一歩を踏み出して行く。
 
 

  • 投稿作品の情報を、当該著作者の同意なくして転載する行為は著作権侵害にあたります。著作権侵害は犯罪です。
  • 利用規約を必ずご確認ください。
  • ハートの数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。
音楽について書きたい、読みたい