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やっと『大阪ロマネスク』の物語が放つ輝きの一粒になれた

Winter Paradise 2019で内博貴が歌う『大阪ロマネスク』を初めて聴けた話

いったい誰が、2019年に内博貴の歌う『大阪ロマネスク』を聴ける日が来るなんて、想像しただろうか。

『大阪ロマネスク』の初披露は2004年。
関ジャニ∞がまだ8人だったころ、キャパ約1000人の大阪松竹座で公演をおこなっていた時に披露された曲だ。
私は当時高校一年生。
まだジャニーズのコンサートへ行く方法もよくわからず、インターネットの掲示板でこの曲が生まれたことを知った。

「御堂筋や心斎橋が出てくる素敵な曲ができた」らしい。
当時は曲名もわからない謎の名曲の誕生にわくわくした。

しかし翌年の夏、友人が誘ってくれて初めて行けることになった念願の関ジャニ∞コンサートの直前に、内博貴くんは無期限で活動を休止。
私が関ジャニ∞のコンサートで彼の歌声を聴くことは叶わなかった。
彼のメンバーカラーであるピンクのTシャツを着た私が見つめるステージには、その色だけが欠けていた。
終盤、関ジャニ∞の7人が涙ながらに歌う聴いたことのない曲に「御堂筋」とあって、きっとこれがあの『大阪ロマネスク』なのだと、確信したのを今でも覚えている。

それからも、『大阪ロマネスク』はさまざまな場面で歌い継がれてきた。
8周年を祝う初めてのスタジアム公演では、幕開けの一曲に選ばれた。
イベントでは、ファンが選ぶ人気曲一位にもなった。
渋谷すばるくんがいなくなった直後のコンサート『GR8EST』では彼の歌い出しを6人全員で担い、錦戸亮くんが関ジャニ∞として出演する最後のコンサートになった15周年のドームツアー『十五祭』でもセットリストに組み込まれた。

いつも関ジャニ∞の歴史とともにあった曲だった。

ただ、関ジャニ∞とファンが節目ごとに大切にしているその曲の中に、私は自担との思い出を持っていない。
「メンバーとファンが積み重ねてきた『大阪ロマネスク』の物語」が輝くとき、私は外側からそれを羨ましく見つめていた。
この曲をCDやコンサートで聴きながら、何度も何度も「内くんが歌う『大阪ロマネスク』を聴いてみたかった」と残念に思ってきたけれど、「いつか聴きたい」なんて思いつきもしないほど、近くて遠い曲だった。

だから『Winter Paradise 2019』内博貴公演の終盤、その願望が実現したとき、私はそれまで振っていたピンクのペンライトを握りしめて固まるしかできなかった。

何の前触れもなかった。
『虹色の空へ』が終わり、拍手をした。
この曲は、活動休止後の復帰コンサートで披露された、関ジャニ∞に対する想いを込めた曲だ。去年のライブは、この曲で締めくくられた。終盤に歌う曲はこれまでのセットリストで出尽くしたし、今年もこれで最後だと思ったのだ。
しかし「終わっちゃった、楽しかった」と思うと同時に、ドラマーのカウントが続いた。
まさかまだ曲が続くなんてと驚いたそのとき、聴き慣れたフレーズが聞こえた。

「今日も誰かが めぐり逢う 遥か 遥か 西の街」

ミラーボールが反射するピンクのライトは季節外れの桜吹雪。
客席には無数のピンクのペンライトが揺れている。
2005年の夏、ピンクのTシャツを着て参戦した私の思い焦がれた光景が、14年経った今、突然現れたのだ。

幻かと思った。
ピンク一色に染まるステージと、空間を満たすように伸びやかに響く声。
それがあまりにも美しくて、諦め切れなかった夢を幻覚として見ているのだろうかと思った。
「嬉しい」よりも先に「うそ?」「なんで?」がひっきりなしに頭の中を駆け巡った。
別の曲を歌っている彼の姿に、私が14年間憧れた音声を勝手に重ねて見ているのかと思うほどだった。
それがやっと現実のことだと認識できたのは、サビで「恋をするため 心斎橋には」のフレーズに合わせて、ささやかながら振り付けを見せてくれたときだった。
33歳の内くんが本当に『大阪ロマネスク』を歌っている。
ようやく理解が追いついた。
 

今年の9月、渋谷すばるくんに続き錦戸亮くんが抜けてしまう発表がなされる直前、内くんは関ジャニ∞6人最後のコンサート『十五祭』の最終日に観に行ったそうだ。

『十五祭』は関ジャニ∞が8人だったころのイラストを使ったオープニング映像から始まり、8人時代の映像が流れ、会場の外には8人のデビュー当時の衣装を纏ったぬいぐるみオブジェまで飾られていた。

私はそのコンサートを見て、関ジャニ∞が8人だったことを15周年の一部としてきちんと見せてくれたことがとても嬉しかった。
8色に光るペンライトをピンクに固定し、8人の映像に向けて振れたことは、14年前の”楽しかったけれど心の底から楽しめなかったコンサート”をやり直せたような気がした。

そして、それに応えるように披露された内博貴の歌う『大阪ロマネスク』。
どういう気持ちでこの曲を披露したのか多くは語らなかったけれど、復帰後にバンドと活動するようになってから関ジャニ∞の曲を歌わなかった内くんが、関ジャニ∞とファンの思い入れが強い『大阪ロマネスク』を披露したということには、大きな覚悟があったのだろうと想像している。

この2019年、『十五祭』で8人のコンサートをやっと見ることができ、『Winter Paradise 2019』で足りなかった歌声をやっと聴くことができた。

内博貴が歌う『大阪ロマネスク』は、ピンク一色に輝いていた。
私は初めてその物語の輝きの一粒になれた気がした。

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