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2017年7月14日

来花 (26歳)
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人生に寄り添い続ける音楽

BUMP OF CHICKENと私について

それは今から10年以上前、自宅で何気なく聴いていたラジオから流れてきた曲だった。
そのバンドのことは、なんとなく知っていた。ああ、お母さんがいい曲だって昔言っていたっけ。

聴き流そうとした時、ある言葉が耳に飛び込んできた。

「気が付けばいつだってひたすら何か探している 幸せの定義とか 哀しみの置き場とか」

何故だかはよくわからない。でも、私の中で、小さな雷が落ちた。

それまでの私は、音楽になど興味はなかった。むしろ、流行りの歌が嫌いだった。恋愛や友情。みんな同じような歌ばかりだと思っていた。

でも、その時耳に飛び込んできた言葉は、異質で、私に刺さって抜けなかった。
幸せは、定義できないものだけど、ずっとその意味を探しているもの。哀しみは、置いておきたいけれど、心の中の置き場が見つからないもの。うまく表現できないけれど、感覚が一致したのだと思う。

BUMP OF CHICKEN、天体観測。

そこからどうしても彼らを知りたくなって、徹底的に調べた。ちょうどリリースをしていない時期だったので、音源を集めたかった。もちろん、そんな気持ちになったのは生まれて初めてだった。

次に手にしたのはインディーズのデビューアルバムだった。1曲目。今も彼らの原点の曲であり続けるその曲。

「生まれて来た事に意味があるのさ 一秒も無駄にしちゃいけないよ 嵐が来ようが 雨が降ろうが いつでも全力で 空を見上げて笑い飛ばしてやる」-ガラスのブルース

2度目の大きな雷が落ちた。
当時、思春期であり、生まれつきの障害を抱えていた上、中学時代にイジメも経験した私は、生きていても意味がないんじゃないか、と考えたことが何度もあった。

生きていていいんだ。この歌が、一瞬で私を救ってくれたのだ。

その瞬間に、私はこの先何があっても、彼らの音楽についていこうと心に決めた。

色々なことがあった、
チケットを必死で取り、初めて1人でライブに行った時のこと。一緒に行く仲間なんていなかった。それでも、彼らはちゃんとそこにいて、そこに音楽が鳴っていて、それだけで涙が止まらなかった。ライブの楽しさを知った私は、そこから様々な音楽に触れ、ライブに行くようになった。

その空間にいる限り、私は他の観客と同様、その音楽に共鳴する仲間として、どこまでも平等になる。音楽には、年令も、性別も、障害も関係ない、その場所にいるだけで、私は自由になれる気がした。

新たな扉を開けてくれる彼らと出会ったことで、私は変わっていった。高校では、生徒会活動に挑戦し、人間関係が広がっていった。
様々な出会いと別れがあり、多くの経験をしたが、その度に、私の人生に寄り添ってくれたのはやはり彼らの音楽だったと思う。

近年になって、BUMPは積極的にメディア露出するようになり、気持ちが遠ざかっていきそうになったこともあった。

そんなときに、こんな言葉に触れる。
「伝えたかった事 伝わったのかな
伝えたかった事ってなんなのかな
君の昨日と君の明日をとても眩しく思う」
-You were here

ライブに来た人一人ひとりの生活を思うこと。誠実であろうとすること。何も変わっていなかったBUMPの姿があった。

そして、2016年。社会人になった私は、横浜の日産スタジアムにいた。観客は7万人。桁違いの数だ。今度こそ少し遠いものに感じられてしまうのでは?と私は心配だった。

ライブが始まると、すぐにそれが杞憂だとわかる。7万人に対しても、以前と同じように、音楽で、全力でコミュニケーションしようとする彼らの姿があった。

藤原はふと、このようなことを口にした。
「日産スタジアムに立って、7万人全員と握手したいと思わせてくれるバンドなんて、そうそういないと思う」

どんなに人数が増えても、音楽とリスナーのキャッチボールは1対1。

彼らのライブに行くたび、自然と心の中で対話している自分がいる。ひとつひとつの曲と同時に、自分の人生が走馬灯のように蘇り、シンクロする瞬間がある。

7万人の観客が拳を振り上げるザイロバンドの光を見ながら、私は、仲間なんていないと思っていた10年前の私に、この壮麗な光景を見せたいと、強く思った。
知らなかっただけで、仲間はこんなにもいたのだと。

あなたはひとりではない。
そう知らせてくれるのが彼らの音楽であり、生き方であるから、私は側にいるのだと思う。

そして、それはこれからもずっと続いていく。あの日、共に生きていくと決めたのだから。

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