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SPITZ ツアー“MIKKE” 武蔵野で彼の声を

再会のビュンビュンで見つけたもの

SPITZ JAMBOREE TOUR 2019-2020 “MIKKE”
18:00。
始まる。
彼らの演奏が。

心をときめかせながら、待った時間が、
あっという間に飛び散って、今、スピッツが目の前に。
知らない間に目頭が熱くなる。
ああ、また、会えた。
会えることができた。

何度となく、参戦しているライブなのに
この瞬間は、決して色あせない。
人は、本当に好きな人達には、きっと何度でも恋をする。
そうなのだ。

草野マサムネの歌声は、今までの辛い想いやイヤだったことを
すべて洗い流してくれる。
深い深い安心感に包まれて、どこか遠い世界へ連れて行ってくれる。
これは、神が私にくれた特別なご褒美なのだろうか。
生きていくことがこんなにも愛おしく感じる。

この世界に、この歌声が存在する限り、
人は生きていける。
神経の奥深くまで、点滴をつきさしたような
この抱擁感。

先先月にリリースされたニューアルバム‟見っけ”からの新曲と
これまでの楽曲の中からのチョイスと
取り交ぜての演奏は、続く。

どの曲も完璧に近いくらい口ずさめるくらい、
何度も聴いた。
それでも、それでも、まだ聴きたい。
まだまだ、まだまだ聴きたい。
そう彼の歌声で。

音楽は、普通に好きだった。
ロックは特に好きだった。
けれど、どちらかといえば地味でダサい私は、
バンドを組むというグループなどに入れる隙間もなく、
ライブハウスに通う勇気も度胸もなく、
ああいう世界に憧れながら、
近くの楽器屋でギターをながめながら、
ピックを買い集めていた。

社会人になって、自分のお金でライブに行くようにはなったけれど、
それでもどこかいつも場違いな気がして、
年を重ねるたびに、この空間が遠くに行ってしまうような気がした。

ライブ会場になった武蔵野のアリーナは、
京王線の飛田給の街にあり、
初めて降りたその駅からの一本道を
ひとりで歩いた。
途中のコンビニで、2割引きになった総菜パンを購入して、
それをかじりながら、会場に向かう。
いい年をして、何、みっともないことをして、
少しも、今でも、ロックじゃないなと思いながら、
でも、聴きたい。

音楽って、何だろう。
聴けば楽しい。
でも、働き始めてからは、それほど聴かなくなった。
たぶん、いつまでも青いままじゃいけないんだ。
しっかりとした大人になって、
ライブやCDやツアーグッズになんか、お金を使っちゃいけない。
休憩時間に音楽雑誌をむさぼるように読むような人には、
なっちゃいけない。
きっとそう思い続けていたんだ。

でも、彼の歌声は。

音楽が好きで、ライブに行くのが誰よりも好きで、
そのために毎日節約して、
その日が近づくと、遠足やお正月を指折り数えて待つ子供の頃の自分に戻れる。

音楽は、きっと生きる希望なんだ。

彼の歌声を生で聴くたびに神様に出会えるような気持ちになる。
そう、草野マサムネのこの声は、
きっと私だけの十字架なのだろうと思う。
 

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