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L’Arc〜en〜Cielは潔が良すぎる。

彼らはどんなに人気のアクション映画だとしても、続編を出さない

L’Arc〜en〜CielがTwitterのトレンドワードに上がってから数日経った。
気がついたらサブスクも解禁していた。

中学からありとあらゆる日本のロックバンドに心酔し、高校でやっとの思いで軽音楽部に入り、大学の軽音サークル、社会人サークル……と順当にコピーバンドのエリート街道を歩いたわたしのTwitterのフォロワーも、もちろんバンド大好きマンばかりだ。
「久々に聴いた〜」「サブスクさいこー!」のツイートでタイムラインは溢れかえっていた。

あれだけ聞いた、みんなにとっても思い出のL’Arc〜en〜Cielを聞き返した。

ライブに足を運ぶほどのファンではなくても、わたしたち平成初期生まれにとってのL’Arc〜en〜Cielは、なんていうか青春だった。
友達と「新曲いいよね」なんて言い合い、カラオケで盛り上がり共有はするが、ぜったい一緒にイヤホンで聞くことはない。通学やひとりの部屋で勉強の合間に聞くような……少し秘密の存在。

昔はなかった音質のいいイヤフォンでL’Arc〜en〜Cielを流すと、そんな思い出と、今はほとんど使うことない勉強机、ベッドのそばのカーテンの色が脳裏にブワッと蘇った。そういえば、うちの家は「READY STEADY GO」が収録された「SMILE」のジャケットを濁らせたような、黄色いカーテンだったな。

この歳になって聞き返して、真っ先に浮かんだ言葉は「潔さ」だった。

「Driver’s High」は2番がなく、すぐへギターソロからCメロへ移動し、90分のアクション映画のように潔く立ち去っていく。
「まだまだ観ていたかったな」と思わせる映画に似ていると思った。
普通の楽曲のように1番サビのあとに2番のAメロに戻る選択肢だってあるのに、彼らはその余韻を惜しまずサッとエンドロールへと向かう。HYDEの声が甘いだけに、相反してその余韻が惜しく感じる。

「HONEY」はサビから入ったと思えば、短いイントロを挟んですぐにAメロへと向かう。Cメロで「甘い笑顔に とけていたい」と歌っているのに、気持ちいいリードギターのリフとともに、サッとサビ終わりへ向かう。

『「STAY AWAY」はAメロ、Bメロがメイン』と言わんばかりサビを駆け抜けていく。
どうしてこんなにL’Arc〜en〜Cielは潔いのだろうか?

「花葬」を聴いてみた。L’Arc〜en〜Cielのなかではしっとり歌い上げるバラードだけど、やっぱりどこか潔いのだ。その答えはドラムにありそうだ。メンバー変更の過去があるのは承知だが、テンポが基本的に早い。叩き切った感をひしひしと感じる。
「これだ」と思った。「花葬」はもっとゆったりとしたテンポの曲に仕上がっていてもおかしくなかっただろう。だけどこのスピードを落とさないで、去っていくところがL’Arc〜en〜Cielなのだ。

他のバンドと比べたときに「ドラムの潔さ」もあるんだけど、やっぱり改めて感じたのは彼らの「一曲一曲に対する世界観へのしがみつき方」だ。
全力でしがみついて、作り上げては、次のステージへと降り立っていく。その背中は追いかけたくてもスピードが早いから、追いつけない。主人公感が圧倒的に強い、RPGゲームの丘の上に次々にジャンプで渡って行くL’Arc〜en〜Cielを前に、わたしたちはその背中を少しボーッと見つめて、後からついて行こうとする。

L’Arc〜en〜Cielのファンの方が読んだら腑に落ちない部分もたくさんあるかもしれないけれど、わたしが書かずにいられなかったのは、やっぱり「青春のL’Arc〜en〜Cielが帰ってきた」と思わずにいられなかったからだ。

サブスクに頼りきりの自分も恥ずかしいが、「エモい」という言葉が溢れに溢れ、この「潔さ」が薄れてきた時代に、音質がクリアになって潔さが増したL’Arc〜en〜Cielを聴くことができて嬉しかった、というのが本音。だってどう考えてもかっこいいもんね、L’Arc〜en〜Ciel。続編を狙わないアクション映画みたいで。

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