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時代の逆光から轟くミック・アンダーウッドの直撃ドラムサウンド

1977年の真正ハードロック STRAPPS「SECRET DAMAGE」

見つけたレコードはストラップス(STRAPPS)の1977年のアルバム「シークレット・ダメージ(SECRET DAMAGE)」惹かれたのはドラムを演奏するミック・アンダーウッドの名前、プロデュースと録音エンジニアを担当するクリス・キムゼイ(キムジー)の名前。
 

僕はいつも見つけたレコードのジャケット裏を確認して、そこに記されている参加者の名前を見ていく。
ここには MICK UNDERWOOD DRUMS AND PERCUSSIONとあった。

MICK UNDERWOOD、ミック・アンダーウッド、ミック・アンダーウッドって誰やった?と頭の中の記憶をくるくる反転させれば、パッとひらめいて、QUATERMASS(クォーターマス)のメンバーだったと思い出す。そうやったね。

クリス・キムゼイ(キムジー)は、そういえば、ローリング・ストーンズの70年代後期から80年代に関わるエンジニアだった。

音楽の内容を知らなくても、興味を抱くきっかけはこんなところにある。
 

今日もレコード屋へ行って探しているレコードを見つける為に、一枚一枚を見ながら店内の端から端へと移動した。何か良いのがあるかなぁと探して、見つかった嬉しさは何年経っても良いものだと思う。
見ている棚には、先に他の人がいる場合もあれば、後から来る人もいる。他の人たちはどういう気持ちなんだろう。いったい何を探しているんだろう。
 

レコードで音楽を聴くという事は、今や時代とは別の方向なのかもしれない。レコードを聴いている若者たちが幾らかは、いるんだろうというのは、店に通っていれば少しは実感できるけれど、実際にはほとんどが中年の世代の人たちだと思う。しかも男ばかりで、女の子はほどんどいない。
 

女の子が店に居ないのはオジサンが多いからなのかもしれない。今の時代、女の子は何の音楽を聴いているんだろう。音楽文を読んでいれば、より多くの人たちが共感しているのは、BUMP OF CHICKENにちがいないと思う。その他にもいろんな音楽があって、自分の知っている名前もあれば、名前を聞いたことだけあるものもあり、全然知らない名前もある。
 
 

僕は時代を逆行しているのか、自分の興味のある音楽を追究しようと思う。しかし追究と言っても一日に何曲も何曲も音楽を聴いている時間が無い。たとえば、好きな曲なら何回も聴きたいからといって何回も聴いたら、それこそ時間が無くなっていく。
とりあえず、自分には時間が足りない。
そう思うと、レコードを探している時間ももったいないと思えてくるのかもしれない。
 

なんにしても、ひとつの音楽に向き合ってまじめに聴くのは時間が要る。聞き流してしまえば、自分にはなんにも残らない。聞き流す時間はたくさんあるけれど、集中力を保ってここに取り組む時間は短く、あっという間に過ぎる。

本当に出逢う、という音楽は実は少ないのかもしれない。たくさん知っていても理解できていなければあんまり意味がない。
 

今日は久しぶりに同じ音楽を何度も聴いた。
レコードの盤面を返してサイド1とサイド2を行ったり来たりする。それは気に入った証拠で、これからも忘れない記憶の証になるのだろう。
 

先ずはじめに、僕はこのストラップスというバンドにそんなには期待していなかった。この「シークレット・ダメージ」のアルバムのジャケット写真を何処かで見たことがある記憶はあった。雑誌で1970年代のハードロックの特集記事に載っていたのかもしれない。
1977年といえば、時代はハードロックの季節を過ぎて、パンクの風が吹いていた時だと思う。ヘヴィーなハードロックが復興するニューウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィーメタル(NWOHM)のムーブメントもまだ2年先。
この微妙な時期のハードロックって、いまいち傾向が掴めない、というのが自分の中にはあった。
全然期待せずにレコードを聴いた。

するとどうだろう。
まずドラムサウンドが素晴らしかった。
レッド・ツェッペリンを聴いているのと同じくらいの迫力がある。ミック・アンダーウッド、凄いやんと思う。
もしかすると、この同時期にレッド・ツェッペリンを想わせる大迫力サウンドを鳴らしたバンドDETECTIVE(ディテクティヴ)と並べても面白いかもしれないと思った。

ストラップスの「シークレット・ダメージ」の音楽が陰影と転調のドラマティックな展開を見せるのも素晴らしい。1977年にも関わらず、ここにはハードロック全盛期の1970年代初期の時代を彷彿とする得体のしれないエネルギーが充ちている。例えば、”I Wanna Know”という曲、生々しい迫力のドラムソロの終局に残響と共に現れる異様なベースソロが格好いい。(ベースを弾くのはJOE READという人らしい)

第一、この時代に曲中にドラムソロの展開が組み込まれているのがめずらしいし、時代を飛び越えて、迎合すらも弾き飛ばして、いさぎよく鳴らされた自信満々のハードロックはそれこそ粋だと思う。

この音響はCHRIS KIMSEYに依るところも大きいかと思う。クリス・キムゼイはリズム音響が得意だ。素晴らしい。

まだまだ知らない音楽はたくさんある。
思い込みでちゃんと聴いていない事もあるだろうし、
決めつけで、聴こうとしないものもあるだろう。
 

僕はそんな壁をひとつひとつ乗り越えてゆきたい。

ドラム奏者ミック・アンダーウッドを再発見すれば、彼が参加した1970年のクォーターマスを聴きたくなる。STRAPPS以後に当たるイアン・ギランの1970年代後期のバンド、GILLANにも興味が出てくる。

それなら、CHRIS KIMSEYが大きく関わった、ローリング・ストーンズの1980年代音響の研ぎ澄まされた問題作「UNDERCOVER」だって聴きたくなる。
 

音楽を好きな理由に、
時代は何ら関係ない。
僕は自分が凄いと思える音楽に出逢いたい。
それが音楽を聴き始めるきっかけになったのだから。

限りある時間をどういうふうに工夫すれば、ちゃんと音楽を聴けるのか、問題は多いけれど、
ここにある今、30分でも大事にしたいと思う。

僕は音楽を好きになった最初の”16才”をまた始めたいと思う。

STRAPPS「SECRET DAMAGE」のジャケット裏側のメンバー写真や内袋のスナップ写真を見れば、一番のクールな男前はミック・アンダーウッドだ。まったく渋いと思う。やっぱり最初は見た目から惹かれる。
 

でも見た目が良いだけじゃだめなんだ。
どれだけ凄い事をやってやろうって、目指すところとその男気に憧れる。ロックってそういうもんだと思う。
 

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