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東京ドーム、aurora arkに乗った先へ

バンプのメロディーフラッグを目印にまた思い出せる。今日の日のことを。生きていた証を。

 11月3、4日東京ドーム、BUMP OF CHICKEN、aurora ark公演。私は約5年前の東京ドーム公演を見ることができなかった。その頃、私は4年働いていた仕事を辞め、就活をしていたからだ。絶対に就職してからバンプを東京ドームで見ると泣く泣く諦めた。そして、今回、東京ドームでの公演が決まったときに、絶対に行くと誓った。願いが通じ、運良く、東京ドームでバンプを見れることになりずっと楽しみにしていた。

 11月3日、席はアリーナで近かった。ライブが始まる直前に、ステージ裏で4人がエンジンを組む姿が映し出された。これからいよいよ私は、aurora ark(箱舟)に乗りこむ。

 私は、『プラネタリウム』で涙が出た。四畳半の世界が、今はこんなに大きな東京ドームで歌われている。東京ドームは一瞬にして、大きなプラネタリウムになっていた。バンプ4人の目の前には一人一人が持っているライトが光っている。私はあの頃描いていた光を手にいれたのだろうか!?そんなことを思ったら涙が出てきた。

 MCで藤くんが何度も「感極まっちゃって」と言っていた。
 そして後方ステージへ移動し、『ダイヤモンド』の演奏がはじまる。始まってから急に藤くんが、「ちょっと待って!急に言いたいこと出てきちゃって!」と演奏が止まった。
 「ダイヤモンドを書いたとき、ちょうど四畳半くらいのアパートに住んでて、、、このステージより狭かったかもしれない。ワンピースとかも手を伸ばせば届く距離にあったんだけど。この曲は、俺がハタチの時に書いた曲なんだけど、その頃はライブしてもお客さんも何人もいなくて。友達がきてくれて、ようやく埋まるみたいな感じで。今、歌ってて、あの頃の俺は、今、この目の前にいるお前達に向けて歌ってたんだなと思うと感極まっちゃって。ハタチの俺から20歳になった歌を歌います」で始まった『ダイヤモンド』。本当に最高だった。本当にそうだよなって思ったし、20年経ってそう思えるって素敵なことだなと思った。

 そして、その後の『リボン』が4人のことを歌ってるなと凄く感じた。

「嵐の中を ここまで来たんだ」
「ここはどこなんだろうね どこに行くんだろうね 誰一人 わかっていないけど」

 ハタチの藤くんはこんな景色を見れるなんて想像してなかったと思う。どこに行くのかわからない道を不安の中さ迷っていたのかもしれない。それはみんな一緒だ。

けど、今

「側にいる事を選んで 今側にいるから 迷子じゃないんだ」

 いまそばにいる仲間と一緒にいるから大丈夫と歌っていた。

 『aurora arc』のインストでは、スモークと光の演出で、頭上に本物のようなオーロラが現れた。凄く綺麗だった。多分、私はイエローナイフに行って本物のオーロラを見ることはないだろう。だから、今回バンプがオーロラを見せてくれて嬉しかった。まさにあのCDジャケットのオーロラの旅にメンバーと一緒にきているような、そんな感覚だった。『aurora arc』のインストは藤くんが「イエローナイフにオーロラを見に行ったときの旅の世界観を曲にした」と言っていた通り、本当にその世界観を感じることができた。
 

 11月4日、席は天井席と言われる後方上だった。多分、今までバンプのライブを見てきた中で一番遠い席。しかし、私はこの席で初めての感覚に襲われる。

 中盤、ステージ後方で演奏された『真っ赤な空を見ただろうか』。
 藤くんがハンドマイクでヒロの目を見合せ、ヒロが藤くんの歌声に合わせてギターを弾く。凄く楽しそうで、まるで、レコーディングスタジオにお邪魔しているようなそんな雰囲気だった。

 アンコール後、最後に、藤くんだけがステージに残りMCが始まる。「魔法みたいな夜だった」の言葉に、本編、何度も 「感極まっちゃって」と言っていた藤くんの本当の気持ちが伝わる。
 「今日、おまえらがここで歌った歌は未来のお前に歌った歌なんだと思うよ。もしも、これから先、生きていくのが辛いと思ったとき、今日、お前が歌った歌声を思い出して欲しい。あのとき、生きてる証拠歌ってたよなって。もし、思い出せなくなったときの為に、俺達は音をだしてるのかもしれない。お前あのとき、生きてる証拠歌ってたっていうのを思い出す為に、俺達の音楽はあるのかもしれない 。俺達の音楽はお前のそばにいつでもいる。この世の中に何兆、何億とある音楽の中から、ものすごい数の分母の上から1を見つけてくれた。俺達とお前らは、音楽をまん中にして集まったんだ。今日はそれがうまくいった日なんだ。こんなに話してるなら、もう一曲歌って話だよな」みたいなことを言っていた。

「なににしよ!?」
「バンドのカッコいいところみせてやろうか?」
と藤くんがいい放ち、抱えたギターで始まった『スノースマイル』のアルペジオ。
 溢れでる涙をタオルで抑えながら聞いた。藤くんが弾き語る。途中から3人が加わり、バンド演奏となる。涙、涙で前が滲む私の前に現れた4人の姿。この4人が奏でる音を聞ける幸せで胸がまた熱くなった。

 曲の途中で藤くんが言いはなった
「俺のバンド、カッコいいだろ!?」
の言葉に、また涙。

 藤原基央のこの言葉に、もの凄い愛を感じた。この人達の音楽に出会えた喜びが溢れだし、これからもついていきたいと心から思った瞬間だった。

 MC中、『あのね!?』と何度も何度もお客さんに伝えようとする藤くん。 藤くんの強い信念が伝わった。強い意志、私たちをどこまでも引っ張ってくれる、いつも待っていてくれる、そんな信念。

 満員の東京ドームでこんなことを言えるって凄いなって本当に思った。本当に本当に信頼してる人にしか言えない言葉。こんなことを言える人だから信頼できるって思えた。

 そして、スノースマイルが終わりかけたときに、藤くんが「もう一曲ぐらい」と言って『花の名』のアルペジオが始まる。
 突然のことでメンバーも驚き、ヒロも後のラジオで「二番から思い出した」と言っていた通り、一番は本人達にとっては完璧な演奏ではなかったかもしれない。藤くんが「あの時、ヒロ、忘れてるなと思ったけど、俺がギター弾くこともできたけど、弾きたくなかった。ヒロを信じてたから」と言っていた。こうゆうエピソードにも、もの凄い愛がある。東京ドームでそんな画を見せてくれるバンプが大好きなんだ。愛おしいんだ。信頼しあってるからこそできること。

 今までバンプのライブを見てきた中で距離的には一番遠い席だったが、音楽は、思いは、心のすぐそばで響いていた。こんなに大きい東京ドームなのに、距離なんて全然感じなかった。むしろ今までで一番近かった。本当に不思議な気持ちだった。こんな感覚は初めてだった。距離を感じさせないバンプの音楽はどんなときでも私の側で鳴ってくれているんだと、そう感じさせてくれた。私だけじゃない、みんなの心にも。

 東京ドームで一人一人に届くライブができるのは、バンプ自身も同じ思いでいてくれているからだと確信した。

 11月3、4日、東京ドームでは4人でしか鳴らせない音が響いていた。私はバンプの立てたメロディーフラッグを目印にまたこの場所に戻ってこれる。

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