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フジファブリック、 15周年。

記念すべき年に。 伝えきれない想いをのせて

 
メジャーデビュー15周年。
今年は沢山のイベントが打たれ、アルバム「F」の発売に次ぎファン投票によるプレイリストアルバム「FAB LIST 1」「FAB LIST 2」の同時発売、新曲リリースにコラボ曲の配信リリース、ラジオやTVでもフジファブリック に会えるという、ファンとしても充実した嬉しく楽しい1年だった。

気づけば12月。金木犀薫る季節は過ぎ、年の瀬が迫っているのを感じ、15周年のうちに纏まりが悪くとも、今の想いを此処に記しておきたいと思った。

フジファブリック を知ったのはいつだったか、言わずと知れた名曲、「若者のすべて」が、ふと流れてきた時だった。

この曲なんかグッとくる。何回か聞いたことあるやつだな。

長い時間の中で毎回消えずに蓄積されていたらしい。断片的に記憶に残っていた、なんとも胸をしめつけるそのメロディーが、
「やっぱり。」という閃きと一緒についにドーンとやってきたのだ。
「他の曲も聞いてみたい。」そう思ったのが始まりだった。とにかく失っていた時間を取り戻すように、その名曲たちを時系列で聴き込んだ。

なんなの?フジファブリック 。
クセになる曲ばかり。ボーカルの声も好きだし振り幅ハンパない。全部ヤバイんですけど!!!

すぐに志村くんの不在を知るも、志村くんの歌とドラマティックなメンバーの演奏が頭から離れない日々を過ごした。私もまた、存命中に志村くんに会えなかった事を、悔やんでも悔みきれないファンの一人なのだ。
その独特な切り口の歌詞も、メロディーも志村正彦にしか作り得ない世界なのに、志村くんはもういない。

それでも彼のつくる歌も彼自身の存在もまるで古くはならないのだ。永遠に今も曲のなかに、聴く者の心のなかに、そのただならぬ気配を漂わせている。

アナログが同時発売されたばかりのインディーズ時代のアルバム「アラカルト」「アラモード」はいかにものどっぷりとしたプログレ色が強いものなど個性的な印象が深く、渋くカッコいい。その後の「フジファブリック 」からの都度洗練されていく感じも心地よく、どのアルバムも見事に刺さってしまった。
ジャケ写が好みな「FAB FOX」。モノノケハカランダ、地平線を越えて、雨のマーチ、水飴と綿飴 どれも大好きだ。「TEENAGER」は、さぁ始まるぞという映画の幕開けのような、優しい序章のイントロからの入りが心地よいペダルから展開されていく。アルバム自体が一つの物語として流れるように一瞬で聴き終わってしまうような、自分の中のジェットコースターアルバムである。

そして「CHRONICLE」もまた言わずと知れた傑作で、こうなる事を予知出来る訳でもないのに、志村正彦がその音楽人生を賭け全てを出し切って作ったパーソナルなアルバム。必ず残さなくてはいけなかった必然性のあるこの一枚を、最高のメンバーと共に創り上げる事が出来たことは、ファンとしても心から良かったと思う大切なアルバムだ。志村くんらしさに溢れた孤独感の表現。もういない君への想いをつづり徐々に壮大なバラードへと昇華させていくAnthemはFAB LIST投票曲の一つに選んだ。

そして今、三人で活躍中のフジファブリックに私は夢中になっている。
山内総一郎の、爽やかに透き通り、なおかつ太く強さのある声はどこまでも伸びやかに真っ直ぐで、志村くんの印象とはまたガラリと変わるのだが、そのマイクに向かう精神は志村くんのあの眼差しと変わらないものだと思うのだ。
それは大切な志村くんを失った事で更なる覚悟を背負い、それを乗り越えてきた過程で沢山のコトに開眼されてきた証でもあるのかも知れない。

とにかく、フジファブリックは進化しながらも、最初から一人一人がフジファブリックの色をしっかりと持ち寄り創りあげていたという事なのだろう。その色は今も鮮やかだ。キーボード金澤ダイスケ、ベース加藤慎一との三人の個性が際立ちながら、なんともバランスのとれた関係は決して崩れることのない安定感で、演奏スタイルのカッコよさは勿論、メンバー同士の仲の良さも見ていて微笑ましい限りだ。

そしてソウ君がフロントマンとしての資質を持ち合わせていた奇跡に加え、自らの力を信じながらも決して奢ることなく、気持ちを示し続けてくれたからこそ今のフジファブリックがあると感じずにいられない。そして進化の中にも芯の部分で変わらず、揺らがないものを感じるのだ。

15周年の中で忘れられないものにMUSIC STATIONの初出演がある。
Mステにフジが出るなんて!
「若者のすべて」を歌うと知った時、実は一瞬残念な気持ちになってしまった。勿論、この切なさ満載の神曲は大好きなのだけれど、今も良い歌を沢山作っているのに、これといった曲が何曲もないバンドのようで勿体無いと思ったのだ。
Water Lilyーでもないし、手紙でもないのか。
そんなことを想いながらいつもの流れで洗濯物をどんどん畳んでいた時だった。ハタとその手が止まってしまった。
 

違う。志村くんを連れて行くんだ。
 

瞬間にワッと全身に鳥肌が立ち、泣きそうになってしまった。
放送当日、TVにかぶりついてその時を待っていた私は、録画機能が壊れたままで、仕方なくスマホで画面いっぱいにその様子を捕らえていたが、思わず
「志村くん、やっと出れたね。」
と言う、なんとも後に恥ずかしい自分の声を一緒に録画してしまう事となった。映像の中の志村くんとメンバーの熱い気持ちが一つになった素晴らしい演奏。真っ直ぐに届くソウ君の、沢山の想いの詰まったボーカルとギター。
表に出さずとも優しい気持ちで飄々とベースを弾くかとをさん。
キーボードのダイちゃんがかつてのように志村くんの声にコーラスをつけている場面では本当にグッときてしまった。
 

夏には子供を連れ、渋谷で開かれたエキシビジョンやタワレコ新宿店の機材展にも行った。フジの世界観をイラストやコラージュなど様々な形で表現したエキシビジョン。私はやはりフジを直接感じられるものが好きで、ライブを体感できるコーナーと、茜色の夕日のコーナーに映写機で素朴な風景のスライド映像と共に展示された志村くんのエレキと対面出来たのが忘れられない。感動的なのに同時に辛いのは、その状態が時間の経過を物語るからだろう。錆びた弦やブリッジを見つめながら、一本でいい。メンテナンスしてソウ君が引き継いで弾くような事は、絶対に出来ないのだろうか…と、志村くんに弾いてもらう為にあったその愛すべき白のストラトから暫く離れられずにいた。
一方、VR映像のコーナーでファンもその場にいるかのような体験が出来るメンバーに囲まれたテーブルで、映像のコップや箸を掴もうとするなど子供ながらに堪能するも、「フジファブリックはママが好きなだけだから。」と言っていた息子はいつの間にかほぼ全ての歌を口ずさむようになり、ほどなく始まった機材展の際には、
「なんかフジファブリック 、好きになっちゃってるかも。」などと言い出した。
そんな矢先、人生初のアーティストライブをプレミアムモルツ×フジファブリックのプレモルライブで体験する事が出来たのだ。
EX THEATER ROPPONGI
応募総数16000強の中から良く掴んだチケットではあったが、今の私や息子に必要なライブと感じ、当選する気しかしなかった。
今更ながらに人生初の親子コーデがフジファブリックのライブTシャツになった二人はドキドキしながら準備万端。
Suger!!で始まったスペシャルライブはアコースティックあり、最近演っている今までの曲の歌詞をつなぎ合わせたラップありのてんこ盛りな内容で会場を沸かせた。ダイちゃんサイドでその巧みなプレイを堪能しながら、ステージから5m圏内、ソウ君と一緒にかとをさんが前に出て来た時の迫力は忘れられない。フジファブリックを前にどうなるのか気がかりでもあった息子は、隣の方からお子さんノリノリですねと声をかけられるほど、見えたり隠れたりギリギリの身長ながら初ライブ参戦を楽しんでいた。
開演前にはどこからか、「今日はとりあえず城ホールの慣らしって感じだよね。」なんて声も聞こえてきたが、私はメンバーの性質上、100%のプレイで臨んでくれていると思った。
フジファブリックは大阪城ホール IN MY TOWNを目前に控えながら、このイベントまで打てる余裕あるバンドに仕上がっているのだ。なんとも逞しい。会場にきたファンにコメント動画を配信するなど嬉しいくらい全方向に隙もない。
きちんとコンセプトに合わせて練られたセットリスト、もちろんテンションのクライマックスは城ホールに持っていくにしろ、この日のひとときを大切にした彩り豊かな最高のステージだった。
アンコールのラストにはまさかの「虹」。嬉しくて跳び上がった。イントロが流れたら秒ですぐに私の顔を覗き込んだ息子はこの12月、ギターの発表会で虹を弾くことが決まっていた。

残念ながらこの15周年のメインイベントである大阪城ホール IN MY TOWNには行けなかった。公式サイトの応援サポーターには名を連ね気持ちを乗せた。グッズの通販を待ち、記念に大阪の人気店とのコラボ品であるビスキュイ缶を手元に残した。この缶の中に、これからバッジやポストカードを増やし、私だけの宝箱にしようと思う。

IN MY TOWNのプレイリストが聴けるようになった。音源では志村くんが歌う曲、ソウ君が歌う曲が当たり前に混在するのだが、もうそこにファンとしての違和感はない。そして子供は尚更それを感じないようだ。
どちらでもフジファブリック 、全てがフジファブリックだ。

志村くんは今月、亡くなって10年になる。
子供の発表会の衣装には毎年悩むが今年は迷いがなかった。
色々な帽子を被っていた志村くんだったが、その中からライブや取材で着用していたイメージに近い黒の中折れハットに一時期挿していた赤と緑の羽を添えた。息子もまたそれが志村くんカラーである事に拘り、敬意を示した。

志村くんの想いはフジファブリックの中で息づいている。これからも彼の歌は日常に寄り添い、彩りを与え続けてくれるだろう。
そして精力的に活動を続け、第二の黄金期を迎えているフジファブリックから目が離せない。
SNSやレコード店の寄せ書きでとにかくこの一年よく目にしたのは、フジファブリックを続けてくれてありがとうというファンの感謝。ファンからもメンバーからもありがとうが飛び交うバンド。
本当に愛されている。

来年2月からのツアー「I FAB U」
先行チケットを一つ確保した。
次のツアーでまた会いましょう。
これからもずっと愉しみは続いていく。

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