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“ふるさと”とは

MONO NO AWAREの「東京」から考える

 
 
 
“ふるさと”とはなにかを考えたことはあるだろうか。
 
 

“ふるさと”と聞いてまず思い浮かべるのは、大人になって自分が生まれ育った街を懐かしむときなどに使う言葉だということ。その場合は故郷(こきょう)と言うこともある。

つまり、”ふるさと”とは何かに想いを馳せたり、感傷に浸ったりするときに思い浮かべることが多い言葉であり、普段の生活の中で”ふるさと”について考える場面は少ないかもしれない。

そんな中、ある曲と出会ったことで通学途中の電車の中で”ふるさと”について考えることになった。
 

ある曲、それは
MONO NO AWAREの「東京」である。
 
 

「東京」の歌詞の中に

ふるさとは帰る場所ではないんだよ

というフレーズが登場する。

ふるさとは帰る場所じゃない?どういうことだ?
というのが初めて聴いた時の素直な感想だ。

私は今も実家に住んでいるため、故郷に帰るという表現を使う場面はまだない。だが「ふるさとは帰る場所ではない」というフレーズがやけにひっかかってしまい、”ふるさと”とは何かを考えてみることにした。
 

ここからは私が考えた”ふるさと”の解釈だ。
 

例えば約20年の人生の中で一番充実していた高校時代に戻りたいな、とふいに思うことがある。

もちろん大学で好きなことを学べている今の環境にはとても満足している。大学生になって、この先仕事仲間になるであろう友人やいろんな音楽を一緒に楽しめる仲間に出逢ったり興味のある分野の知識を得たり、吸収したものはたくさんあるしこの先もいろんな学びが待っているのだろうと思うとわくわくする。

しかし良かったことだらけではないのも事実だ。

大好きな本を読む時間が減ったり、勉強に追われ心の余裕がなくなったり、高校時代に出逢った本音を語れる友人が少し遠くにいってしまったり。

気づいたら急に寂しくなるもので、ああ、あの頃に戻りたいなと思ってしまう。

この気持ちこそ”ふるさと”の答えの指標になるのではないだろうか。
つまり「帰りたい」はもちろん、ときに「戻りたい」と感じる場所や時間(私の場合は高校時代)も”ふるさと”になる。これが私なりの”ふるさと”の解釈である。
 

では、なぜMONO NO AWAREは
「ふるさとは帰る場所ではない」と歌ったのだろうか。
 

先程述べた通り”ふるさと”を思い起こすとき、少なからず過去を懐かしむ感情が沸き起こる。
それは単に懐かしさだけでなく、現在と比較したときに「あの頃の方が良かった」というような気持ちから”ふるさと”を思い出すこともあるだろう。

そんなとき、楽しかったあの頃に戻りたいということだけを考えてしまっては未来に進むことができない。

誰でも過去を振り返り、すがりたくなることはある。
しかし後ろ向きな気持ちではなく少しだけ頑張って今と比べて楽しかった過去を前向きに捉えることができれば、楽しかったあの頃があったから今の私がある、あの時の思い出はこれからの人生の糧になる。そう考えることもできるはずだ。
 
 

改めて「東京」を聴くと

“ふるさと”は懐かしむものであり、帰る場所ではないんだよ。
“ふるさと”での想いを力に変えて、未来へ進んでいきなさい。

そう言われているような気がした。
 
 

あの頃の思い出は大事にしまって
私は未来へ進もう。

今がいつか”ふるさと”になることを信じて。
 
 
 

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