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「かけがえのないもの」について考えた

MONO NO AWARE のライブに行って

「かけがえのないものを思い浮かべながら聞いてください」

玉置くんはライブのMCでそういった。
 

「かけがえのないもの」
 

そう言われると少し難しい。
友達や恋人や家族は私にとって「かけがえのないもの」だけど、「物」ではなかった。
 
  

「家を出るときにコレだけは持ってく!ってものじゃない?」
 
 

帰り道、「かけがえのないもの」を探しているとき、友人は閃いたように口にした。

そうか、そうやって考えると具体的になる。

「家を出るときに、コレだけは持ってくもの」
何度か心の中でその言葉を呟いた。
そうすると、すぐに一つだけ心当たりを見つけられた。
 

エピフォンのセミアコースティックギター
 

人生で初めて自分で買ったギターで、青春の真っ只中を共にしたギターだった。

買った初日に落としてついた傷も、途中から愛おしくなったこと、今でも覚えている。

そういえば、セミアコを初めて使った日のライブで、「素敵だった」と私の下手くそな演奏で泣いて喜んでくれた子がいたっけ。

大事なライブの前の日にジャックが壊れて、リペアショップに駆け込んだら、「大事にしてるのが伝わってくる」と言われて、誇らしかったこともあったな。
 

「かけがえのないもの」のことを考える度に、温かい記憶が沢山フラッシュバックしてきて、私にとって「かけがえのないもの」はタイムマシンみたいだった。

懐かしくなって、家に帰ってすぐに触ると、昔と同じ綺麗な音が部屋に響いた。と、言いたいところだが。
実際は、ゆるめた弦は錆びれて、埃をかぶって冷たかった。

高校卒業と同時にやめた音楽は、部屋の片隅で小さな思い出になっていたのだ。ああ、そうか、もう音楽をやらなくなって三年が経つのか。

忙しいを理由に触っていなかったけど、言い訳だって自分がよく分かってる。でも、もうあの頃の私にはなれないことも知ってるから。

だからその代わり、世界で一番輝いていたあの頃にいつでもに戻れるように、今日はセミアコの弦を張り替えようかな。

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