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2017年7月18日

成田山 (28歳)

LiSA 20代最後の勇姿

彼女にしか出来ない『ロックヒロイン』

2017年6月17日(土)の神戸ワールド記念ホールは圧巻の光景が広がっていた。これまで幾度と彼女のライブを観て楽しんできたが、この日は特別だった。
LiVE is Smile Always~LiTTLE DEViL PARADE~ と銘打ち、LiSAとしてのキャリアハイとなるアリーナツアーの1公演目。LiSA本人はもちろん、関わる人全ての期待と筆者である私を含む大勢のファン(通称:LiSAっ子)たちの期待は計り知れないものがあった。

ここで、LiSAについて簡単に紹介しておきたい。
1987年6月24日生まれの30歳(女性)、岐阜県関市出身。幼少期から学生時代にかけミュージカルや洋楽などを嗜み、絶えず音楽との接点を持ち歌うことへの憧憬を高めていった。中学2年生からバンド活動に奔走、高校卒業から3年後に両親の猛反対を押し切って上京。そこから5年後、アニメ『Angel Beats!』の作中バンド「Girls Dead Monster」の2代目ボーカル・ユイ役に抜擢され脚光を浴びる。
2011年春には「LiSA」名義でソロとしてメジャーデビューを果たし、「Fate/Zero」や「ソードアート・オンライン」、「魔法科高校の劣等生」などアニメタイアップをはじめ最近では、「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」や「COUNTDOWN JAPAN」に代表される多数の音楽フェスへの参戦などジャンルを超えた多角的な活動を行い今に至る。

話を戻しますが、LiSAはファンに向けて
<期待しかしないでねっ!>
と声高々と叫ぶことがある。蓋を開けてみれば我々が感じることをいつも裏切り、全く予期しない斜め上の出来事が起きてきた。これまであらゆるアーティストのライブを観てきた筆者ですが、LiSAほど多幸感に包まれるライブに出会ったことがない。
彼女自身、先の見えない不安を感じたりすることはあるだろう。不安に押し潰されそうになることもあるだろう。その不安を振り払い、自分自身を鼓舞する意味で慣例的に行なっているにせよ、常に強気を貫こうとする姿勢に筆者は惹かれているんだと思う。

「LiSA」というアーティストと出会い、あらゆる面を知っていく中で、3つのポイントにおいて他のアーティストとは一線を画す面がある。
①歌詞
②人間性
③ライブパフォーマンス

まずは、「歌詞」である。
<認めていた臆病な過去 わからないままに怖がっていた>
<夢で高く跳んだ躰は どんな不安纏っても振り払っていく>
これは、2012年8月リリースの「crossing field」の一節である。数ある曲の中でこの曲を選ぶ理由として、LiSAという1人の人物の陰と陽の一面が見え隠れする両極な世界観へ無意識に引き込まれてしまうことを挙げる。
彼女自身がこれまで育ってきた環境や、成長していく過程で体感してきためまぐるしい心境変化・成功体験が顕著に現れている1曲だといえる。
この曲にかかわらず、彼女の曲で言えることは『世界観を表現する上手さ』ではないかと思う。

次に「人間性」である。
<愛と思いやりを大切に! 最高に楽しんでいきましょう! ピース!>
これはLiSAのライブの冒頭で必ず放つ一言であり、彼女の人間性を象徴する一面である。ライブに通い慣れると当たり前のこととして思い過ごしてしまうが、ライブの中で大切にする「愛と思いやり」とは何なのか?
今回、「音楽文」へ寄稿するにあたって改めて考えてみた。真っ先に思い浮かんだことは、ライブを楽しむ上で必要な「エチケット」である。誰しもが自分勝手に楽しめば、結果として多大な迷惑がかかってしまうこともある。この言葉はライブに参加する全ての人、これから参加しようとする人全てに向けたLiSAからのメッセージではないかと強く思う。
「愛と思いやり」とは、これを大切にした楽しみ方をライブに参加する人全てが実践すれば、ライブが終わる頃には多幸感に包まれて家路につくことを願ったLiSAの『豊かな人間性』に由来するものだと思う。

そして「ライブパフォーマンス」について触れておきたい。
ここまで、LiSAについて書き進めてきたが筆者である私は3年前 2014年12月28日の「COUNTDOWN JAPAN 14/15」で彼女を初めて知った。MOON STAGEのトップで登場したLiSAだったが当時の私は、何となくふらっと後方でどんな人?どんな音楽?
その程度しか気にしていなかったことを覚えている。
しかし、冒頭からLiSAからほとばしるただならぬ雰囲気とそのライブパフォーマンスに圧倒された。165cmで細身の華奢な体格から凄まじい声量と高音ボイス。ラウドロックを彷彿させるような圧倒的な音圧なのに、ボーカルの声が通る感覚にただ圧倒されるばかりだった。
声量に驚くのも束の間、更に驚かされたのは男勝りな激しさである。全身を振り乱しながら全身全霊で音楽を楽しむ彼女を見て、私の腕もいつの間にか上がっていた。終わる頃は後方にいたはずの自分が、フロントエリアに差し迫ろうとしていた。
この日から3年経ち、LiSAのあらゆるライブに参加してきた。彼女を好きになると共に、彼女に煽られたり周りの盛り上がりに呼応し、彼女が仕掛ける激しいパフォーマンスに酔いしれる自分が好きになっていった。「愛と思いやり」を大切にしつつ彼女の世界観や人間性を全身全霊で楽しめるLiSAのライブパフォーマンスは、一見の価値があると思う。この音楽文をご一読された皆さまにおかれては、是非ともお勧めしたい。

①歌詞
②人間性
③ライブパフォーマンス
この3つの要素が絶妙なバランスで絡み合い三位一体となった時、LiSAの放つ輝きは最高潮に達する。

そして最近では、LiSAを表現するとっておきの代名詞が登場した。
<ロックヒロイン>
言うまでもなく、ロック界のヒロイン的存在としてメディアでも取り上げられるようになり、アーティスト仲間からも彼女の存在に一目置かれるようになった。
世の中、多数のロックバンド等が存在する中で彼女にだけこれが当てはまる理由を考えてみる。やはり、LiSAが持つ三位一体の極みではないかと思う。
ロック界は男性多数の世界、それでもLiSAはこれらに負けないアツくて激しく、楽しむ人に多幸感を与えるライブパフォーマンスを平然とやってしまう。また、アニソン歌手でありながらアニソンであることを忘れさせる曲作りも掛け合わさりこの代名詞が付けられる存在になったといえるのではないか。
そしてLiSA本人も次のように語り、受け入れている。
<ロックヒロインと呼ばれ続けていきたい>
彼女が今後も現場の第一線で闘い続ける限り、私もその代名詞に恥じないよう精一杯盛り立てていきたいと思う。

2011年のメジャーデビューから6年が過ぎた今年、念願のアリーナツアー開催を果たしたLiSA。実は、1公演目の神戸公演は彼女にとって20代最後のライブだったのである。
ライブの中でこの事について彼女自身も触れていたが、ツアー1公演目という独特の雰囲気・異様な緊張感もありこの日のライブの特別感は極めて高いものだったと言える。ライブ前の期待はあっという間に裏切られ、想像を超える完成度とオーディエンスの盛り上がりに会場の光景は最初から最後まで圧巻だった。
アリーナツアーはその後、さいたまスーパーアリーナ2days(6月24日〜25日)と第二の地元 愛知県の日本ガイシホール(7月1日)でファイナルを迎え大円団となった。

最後になるが、「ロックヒロイン」はLiSAにしか出来ない役だと思う。彼女にしか描けない世界観、彼女特有の豊かな人間性、彼女にしか出来ないパフォーマンスを武器に到達したポジション。
これまでLiSAはアニソン歌手と位置付けられることもあったが、これからはアニソン歌手というファクターを取り除いて見てほしいと思う。
そしてLiSAの音楽と触れ合うことで音楽の見方に新しい視野が広がったり、彼女のパーソナルな面を随所に感じ取れることを伝えたい。
私は、「ロックヒロイン」の20代最後の勇姿を神戸ワールド記念ホールで目に焼き付けたことを誇りに思うのと共に、LiSAの夢であるナゴヤドーム単独公演に向けて今後もLiSAの勇姿を見届ける覚悟を決めた。

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