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2017年7月20日

ちゃんマリ (21歳)

時代を超えてずっと側にある私たちの青春

〜スピッツ結成30周年〜

2017年7月5日。大阪城ホール。
圧巻だった。1曲目から止まらない胸の高鳴りとスピッツから溢れ出る音楽に涙した。

「CYCLE HIT 1991-2017 Spitz Complete Single Collection -30th Anniversary BOX-」のリリース日に、私はスピッツが大好きな幼馴染と一緒に、スピッツ結成30周年をお祝いするためにツアーに足を運んでいた。

スピッツの音楽を聴いて来た人には、それぞれ様々なストーリーがあると思う。私達ももちろんその中の一人だ。

私がスピッツの音楽に初めて触れたのは今から11年前。小学4年生の時である。映画の主題歌にもなった「魔法のコトバ」という曲だった。ラジオから流れる「魔法のコトバ」は眩しいくらいにキラキラしていて、幸せな気持ちになったのを今でも覚えている。

それからラジオを聴くのが大好きになり、小学校5年生の頃には、ラジオから流れる「ルキンフォー」が聴けるのを毎日楽しみに生きていた。当時携帯を持っていなかった私は、FAXでラジオ局にリクエストを送ったりもした。その頃はまだ小学5年生で、歌詞の意味も深さもわからなかったが、ボーカル草野マサムネさんの歌声とスピッツの世界観にどんどん引き込まれていった。

毎日小学校から帰って来ては、ランドセルをおろし友達と公園で鬼ごっこをしたりお喋りをする日々を送った。そして、家に帰り宿題をした後に当時大流行していた「こうかんノート」を書く時間が大好きだった。なぜなら、カセットテープにダビングしたスピッツのベストアルバムを聴くことができるからだ。

何故か当時カセットテープに凝っていた私は、家の中でも車の中でも擦り切れる程にスピッツのカセットテープを聴いた。CDと違って早送りも巻き戻しも面倒臭い。でもそれが当時の小学生なりに味があると思っていたのだと思う。YouTubeとも疎遠だったし、音楽をダウンロードする術を持っていなかった私にとってスピッツの曲が入っているカセットテープが全てだった。歌番組の録画も何度も何度も繰り返し見た。

友達の中でも、スピッツを聴いている小学生は私とその幼馴染の女の子くらいで、2人にしかできないスピッツの話もたくさんした。その子とは幼稚園の頃からの親友で、同じくらいの時期にお互いスピッツが好きになったのもとても素敵なことだと思う。だからこそ、今回一緒に行けたことがとても嬉しかった。大好きな曲のイントロが鳴るたびに二人で目を合わせ笑顔になった。スピッツのゆるゆるで微笑ましいMCに二人で笑った。

そしてライブが終わった後、目を閉じればたくさんのことを鮮明に思い出すことができた。

ラジオから流れる音。
CDを手に取った時のワクワク感。
擦り切れるほど聞いたカセットテープの残響。
母と観に行ったエンディングを担当した映画。
父と「新曲良いね」と語り合ったこと。
幼馴染とCDを貸し借りしたこと。
部活をサボってライブに行ったこと。

些細なことでも全部が大切な思い出として私の心にずっと残っている。

スピッツは今年で結成30周年になる。私は今21歳なので、スピッツの音楽と共にずっと年を重ねたわけではない。大ヒット曲の「チェリー」も「ロビンソン」も私が生まれる前の曲だ。でも今聴いても全く古く感じない。心が浄化される不思議な感覚に陥る。そして、小学生の時に初めて聴いた時の印象と全く変わらないのだ。スピッツを聴いていると音楽は一向に色褪せないのだと思い知る。それと同時にスピッツは、音楽は時代を超えるということを教えてくれる。

インディーズの頃からスピッツが大好きな人も昨日好きになった人も関係なく、スピッツの音楽は側にある。優しくそっと寄り添ってくれる。こんなにも愛されながらマイペースながらにもコンスタントに、活動休止やメンバー脱退もなく活動を続けているバンドが他にいるのだろうか。

今回CDショップにも何件か足を運んだが、どの店の展開にも愛情が溢れていた。溢れすぎていた。スピッツ。愛されすぎだよ。
今では簡単に音楽と触れることができる時代になり、ダウンロードをする人が増えていると思う。でも、CDショップの展開を見てCDを手に取り、家に持って帰って聴くまでのワクワク感や、歌詞カードを見ながら歌詞の意味を噛みしめる時間が未だに大好きだ。それを教えてくれたのは間違いなくスピッツなのだから。

私が産まれる前からあった曲が私にも届いているという事実と、たくさんの人に感動を与え続ける音楽をかき鳴らし続けるスピッツが、未だに活動しているという幸せな現実。「おめでとう」と「ありがとう」以外にもう言葉が見つからない。

きっとこれからもスピッツの「ロック大陸の物語」はずっとずっと続いていくのだと思う。

ライブが終わった後、40周年も絶対一緒にお祝いしたいと強く思った。私は幼馴染と「また絶対一緒に行こうね。」と約束をし、笑顔で帰路に着いた。そして、前日にフラゲしたアルバムを聴きながら目を閉じた。

スピッツが描く世界は甘酸っぱくも毒がある。あの声にあの音にあの歌詞に何度救われただろうか。まだ私は大人になりきれていない気がする。まだまだ青春ど真ん中だ。だからこそスピッツは、小学生だった私にも、大学生になった私にも、ずっと側にある青春としていつでも近くにある。

そして、きっとこれからも、スピッツは「時代を超えてずっと側にある私たちの青春」として輝き続けるはずだ。

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