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2019年に置いてきた最高のブルース

Brittany Howard のソロアルバム「jaime」が残した衝撃

2020年になり1週間以上が経過した。正月気分もなくなり、2020年が日本にも馴染んできている。しかし、私は2019年発売の1枚のアルバムから依然として離れることができない。今回はそのアルバム、Brittany Howard「jaime」を取り上げたい。
 

 アルバムは2019年9月18日に発売された。ロックバンドAlabama ShakesのボーカルであるBrittany Howardによる初のソロアルバムである。私とはこのアルバムと大阪アメリカ村のレコードショップで出会った。ジャケットデザインに魅せられて聴いてみたのだが、そのあまりの完成度の高さに一瞬で虜にされてしまった。
 

 針を落とすと子気味良いが重たいグルーヴのドラムが鳴り響き1.”History Repeats”が始まる。
 そしてアルバム名でもある13歳でこの世を去った彼女の姉Jaimeが亡くなったときに彼女が体験したことを表現した2.”He Loves Me”へと続いていく。静かに落ち着いて始まる曲だが、曲が進むにつれ歪んだギター音など入り、当時の混沌とした彼女の心境を現しているかのようである。
 4.”Stay High”は父親に捧げた歌である。MVも故郷のアラバマのアセンズで撮影され、彼女の家族や知人が実際に出演している。
 レコードはまわり続け7.”13th Century Metal”が始まる。この曲は他の曲のような聴きやすいメロディラインや美しい歌声はない。むしろ奇妙な聞き心地の悪いサウンドである。そこに彼女の痛烈なポエトリーリーディングが重くのしかかる。「we are all brothers and sisters」と叫び続けるのだ。
 そしてこのアルバムで最も壮大に歌われる11.”Run To Me”でアルバムは終わる。
 

 アルバム自体は11曲35分と決して長いものではないが、アルバムを通して1曲1曲に彼女の思い、人生観、世界観が凝縮されている。戦争に関して、死や神に関してなどの難しいが常に我々のそばにある問題に対する彼女の考えを見事に歌い上げた1枚である。
 

 昨年9月に発売され、すでに評価を得ているアルバムではあるが、普段ほとんど洋楽を聴かない私にこれほど感銘を与えたアルバムは他にないため、自分のためにも音楽文に記しておく。まだ聴いていない方はぜひ聴いていただきたい。

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