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出かけたくなるように

〜Galileo Galileiへ思いを馳せて〜

まるで母親のおなかの中にいるような、
浮かんでいるという不安定感 と 包み込まれているという安心感 の両立した場所へ────
 
 
 
 
 

安定感はいつでも得られる。
物理的に立つ・座るだけでなく、
精神的にも‘ 慣れる ’ということが私に安定感をもたらしている。
 
 

安定感が得られているのに、安心感が全くない。
〝あの時こうしていれば〟
〝これからどうしよう〟
〝このままでいいのか〟
そんなことばかりが頭の中を巡り回っている。
 
 

ある時、私がよく行くTSUTAYAでレンタル落ち中古のカートを覗いていた時のこと。
私はいつものように自分の好きなアーティストのCDを探していた。できれば、ボロいのはやだし、それでも古い作品がいいなぁなんて我侭になりながら、レンタル落ち中古のコーナーを何周もしていると、見覚えのある名のアーティストのベストアルバムが目に入った。

Galileo Galilei の 車輪の軸

ベスト盤が好みでない私は購入を即決できなかった。
何分もその場に足を止めたまま…
結局2枚組で曲数も多く、オトクだからという浅はかな考えで購入を決意した。
なんだかただの2枚組にしては重たかった気がした。

帰りの途中で、Galileo Galileiと私の記憶を思い出してみた。

私が初めてバンドの曲をiTunesでダウンロードしたのは彼らの「恋の寿命」だった。
だからよくGalileo Galileiという名前は覚えているのだけれど、それ以外の楽曲を追い掛けることはなかった。

当時小学6年生。私の聞いていた音楽はテレビの音楽番組で見れるものしか知らなかった。
また、当時はボカロ全盛期だったようで、友達から教えてもらったボカロ曲が数曲iPodに入っていた。
わざわざiPodを親に懇願した意味をなしていない私のiPod。
バンドがなんだかすら、ギターとベースとドラムなんて概念は言葉だけしか知らないながらも、「恋の寿命」の訳の分からない良さを小6の私なりに味わっていたつもりでいた。
 

帰宅後、早速Disc1をCDプレーヤーに入れた。「恋の寿命」を聴いていた頃を懐かしもうかななんて思いながら…
 
 

私は覚えのある安心感に身体中を包まれた。
だけれど、浮遊感が見え隠れする世界にいるみたいだ。

────まるで母親のおなかの中にいるような、浮かんでいるという不安定感 と 包み込まれているという安心感 の両立した場所

産まれてからずっと、正反対の場所にいたんだ。
でも、その場所はすぐにわかった。
 
 

気がついた時にはDisc2をかけ終えていた…
 
 

Galileo Galileiはもう既に終了して何年も経っていた。

このベストアルバム「車輪の軸」は、彼らの‘ 終了 ’が決定したあとに発売された最初で最後のベスト盤。
 

このアルバムの余韻が凄まじいものだった。
 
 

Galileo Galileiの曲はどんな小説よりも濃く情景が浮かぶんだ。恋のうたも、悩みのうたも、未来へのうたも、愛のうたも…

その全てがあの場所へ運んでくれる
 

気がつけば私は、Galileo Galileiがもう居ないことを知ってしまっているのに彼らの面影を追うようになった。

少し前にGEOに行った時、
本当は正規の値段を払うべきだとわかっていながら「Sea and The Darkness」初回盤を買ってしまった。ごめんなさい。
自責の念に襲われると共にあることを発見した。

そのCDは異様なほど綺麗だった。
ディスク本体や歌詞カード、ケースまでに指紋も傷も何ひとつとしてついていない。新品未開封なのかと思ったが、新品未開封品よりもピカピカなのだ。売る前にとても丁寧に拭いて下さったのだろう。
Galileo Galileiが在ったときにきちんと聴いていた方に出逢った、そして、当時の彼らが見えてきた気がした。
 
 

私も当時聴いていた人のようになろう。
 
 

母親のおなかの中にいるような、不安定と安心のある場所へ出かける。
だけど、〝この場所に戻れたら〟とは思わない。

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