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宇多田ヒカル「あなた」に出会うまで

「97の世代」と宇多田ヒカル

最近知ったこと。
1997年は音楽的に「97の世代」と呼ばれているそうだ。

ふむ。

宇多田ヒカルはその翌年にデビューする。誰もが目にした「Automatic」のMVが印象的だったのは、映像でも音でもなく「音楽」そのものが目の前の僅か15歳のアーティストによっていとも簡単にアップデートされたからだ、と思っていた。

そこに至るまで様々な想い葛藤、努力はあっても、その当時はそう思っていた。

だって15歳は中3である。青春よろしく思春期である。
15歳の僕はと言えば「映画監督かミュージシャンになりたいな」と脳内フローで漠然とした憧れがあっただけの田舎のニキビ男子にすぎない。

その結果、今は毎日しがないサラリーマンを演じているのだから、15歳の女の子がテレビの向こう側でユラユラとしている様は羨ましいとも思った。

「97の世代」と呼ばれるのは、くるり、スーパーカー、ナンバーガール、中村一義、Coccoといった普遍的なバンドやアーティストたちの存在と同時に、洋楽志向だったリスナーが、彼らの音や言葉や佇まいを通じて、日本産の音楽に「未来」や「可能性」を感じたこと、その功績が重要だからなのだと勝手に思う。

僕もそれまでは洋楽一辺倒だった。でも97年以降は、ダイナソーJr.も聴くけどスーパーカーも聴いた。ピクシーズよりかナンバーガールを聴いた。ローゼズじゃなくてくるりばかり聴いていた。

日本の音楽は常にアップデートされ続けてきた。リアルタイムで聴きたくて見たくて触れたくて、僕はあれから20年以上変わりなく彼らの音楽も、その他の音楽もアンテナを張り聴き続けている。

でも音や映像や言葉や文化は情報が乱れ溢れ、僕のアンテナじゃ到底追いつかない。何がアップデートされたのか僕の耳では気づくことも少なくなった。

「あなたのいない世界じゃ どんな願いも叶わないから」

僕はこれまで20年以上、まともに宇多田ヒカルを聴いた事はなかった。でも何故か気になっていた。最近、なんだか彼女が気になっていた。

じゃあ、もうそれって必然だ。

で、導かれるように「あなた」を聴いた。

初めての宇多田ヒカル。

「あなたの生きる時代が 迷いと煩悩に満ちていても」
「晴れ渡る夜空の光が震えるほど 眩しいのはあなた」

感動して震えた。

彼女がいなかった20年は、今の彼女に出会うための20年だったのか、って思うほど。

これはなんだ。あ、恋心ってこんな感じか。
どうなの?んーわからないけど。近いよきっと。

余韻に浸りNetflixで「Laughter in the Dark Tour 2018」の映像を観る。

僕の中では、あのユラユラしていた15歳の女の子が、目の前で一気に大人になってしまった。

黒いドレスで力強く、時に涙を浮かべ、時に儚く、ただただ圧倒的な美しさで、歌っている。

20年以上、彼女の音楽に触れたことのない僕が、今は彼女の音楽しか聴くことができなくなってしまった。

音と言葉、その独特の仕草から感じる「愛しさ」

絶望の中でも愛や吐息を感じることができる。希望はどこまでも果てなく眩しい。歌に込められた「生命」

Liveの終盤で歌われる「Automatic」

誰もが知っているあのメロディが流れ、歌い出される。
でも懐メロなんかじゃない。

僕の全然知らない新しく力強い宇多田ヒカルがいた。

今、そんな「あなた」に出会えたことに感謝して、
もっともっと「あなた」の音楽を楽しもうと思う。

そしてこれから生まれてくるだろ、
「あなた」の揺るぎない音楽に想いを馳せて。
 

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