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Saucy Dogの描く世界

コンタクトケースに魅せられる冬

 
自分の愛しいと思う人が
そばにいてくれることの当たり前さに
人はその人を失ってから初めて気づく

そんな初めから分かり切っているようで
当たり前にも思ってしまうこの儚さを
彼らはただ真っ直ぐに唄う

2人で過ごした日々に
理由なんかなくたっていい
ただ楽しくて 
ただ幸せで
君が隣にいる
ただそれだけで十分であることを
 

人に恋をする上で
誰もが必ず通る道であるのが
その相手を失ってしまうことだろう

何度恋に落ちても
この失恋という壁を
なんなくクリアできる人は少ない

それでも人がまた誰かに恋をするのは
一度知ってしまった恋の温もりを求めるから

朝起きて隣に愛しい人がいる
人はその温もりを一度知ってしまうと
いつか味わう冷たさを考えることもなく
何度でも求めてしまう

たとえ辛い結末が待っていようとも
その温もりを求め続ける
 

コンタクトケース
 

Saucy Dogの歌うこの曲は
切なくて悲しくて
少し痛くて、どこか淡い

「空のコンタクトケースが 今も洗面所でポツリ
 君の帰りを待ってるよう」

僕の前から消えてしまった君に向けた歌であると同時に
必死で大好きな君を思い出にしようとする
僕の歌でもあるのではないだろうか

僕の横から君がいなくなってしまった今
僕はきっと
中身を待っているコンタクトケースと同じ

そんな歌詞に興味をそそられる出だしから
彼らの作り出す世界に聴くものは一気に引き込まれる
 

彼らの曲がなぜこんなにも
自然に耳に入るのか
 

きっと彼らの表現する日常が
あまりにもリアルで
どうしようもなく聴くものの過去と
重なってしまうからであろう
 
 

「今夜の月は明るくてまあるい」

君と過ごした最後の夜の月は
まあるくて明るかったはずなのに
一人で見る今の方がより明るいのは
月の明るさよりも眩しく美しかった君が
横にいないからだろう

君があの時泣いていたのは
この結末をもう知っていたんだね
 

僕は歌の中で少しだけ君のことを忘れようと
コルクボードに貼った写真を剥がしてみる
それでも残ったテプラがなかなか取れなくて
まるで僕の中からなかなか消えてくれない
君のように

忘れようとすればするほど
楽しかった日々が色濃く蘇る
君といた楽しさに理由なんかいらなくて
ただ隣にいれる幸せに
ずっと続くと思っていたこの日々に
甘えすぎていたのかもしれない

僕の前から君がいなくなったことが
もう昔話になってしまったように
この僕の気持ちもいつか
ずっと前のことのように思い出す時がきても
君が僕の前で笑ってくれていた日々は
きっと嘘なんかじゃない

そう信じたい

君がいつでも戻ってこられるように
僕はこれからも君を好きでいるよ
 

恋をすれば
それまでの日常が驚くほどに忙しくなる
好きな人のことを考えれば考えるほど
会いたくて
触れたくて
どうしようもなくなる

でも失ってしまってから
自分の世界にいてくれたその人の大切さに
初めて気づく

人は誰かに恋をすることで
自分の存在意義を見いだせるのかもしれない

恋愛という経験の中で
愛することが決して一つではないことを知る
だからこそ、人は何度でも恋に落ちる
 
 

この歌を聴くと
哀しくも
人に恋をすることの儚さを
優しく教えてくれる
 
 

私は今日も 
彼らの歌う冬に引き寄せられる
 

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