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『Lemon』とともに 彼女とともに

米津玄師が具現化してくれる想い

去年の春、大好きで、大切で、かけがえのない存在だった従姉妹がこの世を去った。
それはあまりに突然で、到底信じられるものではなく、できることなら未だに受け入れたくない。
もっとできることがあったのに、と自分の愚かさを呪う。

兄弟姉妹のいない私にとって、妹ってこんな感じなのかな?と思わせてくれた彼女。
赤ちゃんの頃からよく一緒に遊び、育って来た。
それなのに、こんなに突然別れが来るなんて。

これほど受け入れ難い別れに直面したのは初めてで、死というものの本当の意味を知った気がした。
それは、どんなにどんなにどんなに願っても、2度と会えないということ。
これまで生きて来た中で、これほど後悔し、これほど時計の針を巻き戻したいと思ったことはない。

ついつい彼女の影を追い求めてしまい、まだ7歳の娘に、"今頃どこでどうしてるんだろうねー"と問うでもなく話しかけたら、"死んだらどこにもいなくなるんだよ"と当たり前のように諭された。
そうか、霊魂がどうたらといったこじつけは、未練を捨て切れない現世の人間が作り出した幻なのかも、と妙にストンと腑に落ちた。(あくまで私の考えであって、それを信じる人を否定するつもりはない)

葬儀の日、4月だというのに夏のように暑く、空は真っ青に澄み渡り、桜の花びらが美しく舞っていた。
彼女を送り出すのがこんな日でよかった。
そして、普段の生活に戻って気がつくと、心の中にはいつも米津さんの『Lemon』が流れていた。
もう、歌詞の全てが自分の心情にぴったりと寄り添い、彼女への想いが"溢れてやまない"。
もちろん悲しいのだけれど、それと同じくらい、この曲がある限り私は彼女のことを絶対に忘れないでいられるというよろこびがあって、曲を聴く度に米津さんに感謝している。

それから米津さんの曲を聴くようになり、10年ぶりくらいにCD(『馬と鹿』)を買った。
『でしょましょ』
なんだかもう、世の中恐ろしいほど便利になりすぎて、逆にとても生きにくくて、"死んじゃう前に なあなあで"行かないととてもやっていられない。
勝手な解釈だけれど、死ぬほど思い詰めている誰かがいるなら、本当になあなあで行ってほしい。
逃げて逃げて逃げて、助けてと、声の限り叫んでほしい。
叫んでも届かないこともあるかもしれないけど、もしそんな声が聞こえたら、できる限り受け止めたい。

映像盤のDVDに収録されていた『amen』は衝撃だった。
1度聴いただけで耳から離れないメロディー、フレーズ、圧倒的な世界観。
底が見えないほど昏いのだけれど、聴かずにはいられない叫び。

『LOSER』がとても好きで、前に進む力をもらっている。
"思ってるだけじゃ伝わらないね"
ホントそうだと激しく共感しながら娘と一緒に歌うが、アップテンポで刻む歌詞に口が回らずふたりでカミまくる(笑)
米津さん、すげーな。
いつかカッコよく歌えるようになりたい。

聴いたことのない米津さんの曲が、まだまだたくさんある。
楽しみでならない。

米津玄師の音楽がこれほど世の中に受け入れられるのは、きっと彼が、もがき、苦しみ、よろこび、その中で様々なものを感じ、噛み砕き、生み出して来たからだと思う。
そして、みんなが抱えながらもうまく表せない感情を、音楽というかたちに具現化してくれているからだと思う。

米津さん、音楽っていいな、と改めて感じさせてくれてありがとう。
そして、やり場のない気持ちを吐露させてくれた音楽文に感謝します。

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