3561 件掲載中 月間賞毎月10日発表
この数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。

三浦大知さんのシングル盤『I’m Here』を入手して幸せ

宣言される三浦大知のポリシー

今の三浦大知さんの音楽を知ることができる、強すぎる最新シングル盤『I’m Here』。

これがシングル盤って…冗談も大概にしてほしい。ミニアルバムの間違いではないか?
フラゲ日の2020年1月14日、軽いノリで再生したわたし。数分後――

合掌(PCの前で念仏を唱えないでください)。

このCDには
1.I’m Here
2.Nothing is All
3.COLORLESS
の三曲が収録されているのだが、完全にいい。どの曲も最高。どの曲も完全に最高。

シングル盤って一体?誰かが決めたラインー
『Unlock』収録の「Wanna Give It To You」や『(RE)PLAY』収録の「Look what you did」、『U』収録の「Complex」等、所謂《カップリング曲》でも素晴らしい楽曲が多い三浦大知さん。
中でも「Yes & No」「Forever & Always」を収めた『Cry & Fight』と、「Breathless」「Perfect Day Off」を揃えた『Be Myself』は特に好きで、よくセット聞きをしている。

そこで今回の『I’m Here』。
ここに収録されている3曲とも異なったテイスト。まるで「どうぞ、今の三浦大知はこういう音楽できますから。」ってプレゼンされているみたい。今の三浦さんがトラックメイカーの方たちと生みたい音楽を3曲に濃縮した、名刺みたいなシングル盤。ちなみに3曲とも作詞:Daichi Miura。
ていうかそもそもシングル盤って何なの?その定義までも覆してきた。
そもそも発売日の2日前である2020年1月13日のインスタライブにて(だったと思う)、三浦さん自身が「表題曲、カップリング曲とか考えて作ってない。」と言ってしまっている。自由な人だな。もうご本人がそう言ってしまってるならそういうことだ。

三浦さんの最近の楽曲は「自分の殻を破っていけ」「自分を信じて歩め」「自分らしさを誇りに」みたいなメッセージのものも多くて、実際自分もその曲たちに支えられている。
今回の「I’m Here」も“支えてくれる曲シリーズ”の一つではあるけども少し角度が他と違う。この曲は寄り添って一緒に歩んでくれるような、優しく柔らかい光で聞く側を包み込んでくれる。それはメロディもだし、歌詞も。
 

≫何処にも 行きたい場所がない
≫明日を 描く気にもなれない
≫頭と心の中を歩いても
≫やりたい事一つ見つからず 
≫あぁ また目を伏せた
 

自分の歩む道に自信が持てないので、その先を考える気にもなれない。何をしたいか自分でもはっきりせず、喪失感がある。「自分に何があるのか?何もできないのではないか?」自己嫌悪、負のループ。そこへサビの

≫何もない自分を ただ生きていけばいい
≫分からないまま
≫そのまま ありのまま そのまま

…「何もない自分=何もできない自分」そう思ってしまいがちだけど、「”まだ”何もない自分」なのではないか?未来に向かってただ「自分のために」生きて、色んなものを得ながら今と未来を繋げていけばいいんじゃないか。無理に「何か」になろうとする必要はない。欲張らず、自分らしさを大切にして少しずつ歩めばそれでいい――
これはまさに悟り。わたしの禅センサーが悟りメッセージを受信した。大知菩薩による般若心経の可能性がある。
この現代社会、自分探しで疲れている人はたくさんいると思うけど無理して急ぐ必要はないんだな。疲れてる人こそこの曲を聴いたらいいと思う。

コレオはシッキンことs**t kingzと三浦さんのコラボ作品。
とりあえずみればわかる。5人の動きのキレとシンクロがまるで一つの生き物みたいだし、運動量がめちゃくちゃ。なんでこれで歌えてるのか。
もうこれは筋肉体操の一種と言っても過言ではないのでは。どうなってるのか気になって延々に観てしまう。 
 

「I’m Here」が光ならば「Nothing is All」は光と闇の中間。間接照明やろうそくの揺らめきが見えるような。
多くのレビューは何故だか表題曲の「I’m Here」と3曲めの「COLORLESS」中心に語られがちだが、「Nothing is all」も絶対に外してはいけない。

湿度のあるしっとりとした空気感に、いつもより高めで少し甘えたような歌声がのった「Nothing is All」。裏声が中性的にも聞こえる。
「エキサイエキサイ!している三浦大知さん」しか知らない人が聞いたらちょっと驚くかもしれないテイストの曲。でもこういう曲もナチュラルセクシーに歌っちゃうのが三浦さん。実は結構こういうタイプの楽曲も多い。

シングル盤『Be Myself』に収録の「Breathless」もしっとりしていて最高に好きな一曲だけど、そちらは夏の少し蒸した汗ばむ感じの湿気、ミストサウナ。「Nothing is All」の方は眠気に誘われているような心地よさもある、じわっとした湿気。
そんな歌声で語られるのは、共にいるだけでその時間が幸せという心地のよい愛。共にいる時間がすべて貴重である、無駄はない。これもまた悟り。

≫何にも無い
≫この時間が 何よりも愛しい
≫誰もが求めたもの ほら重ねた手の中に

良い。幸福感があふれる「無」。
繰り返されるメロディとリズムも癖になって耳から離れない。
良すぎ。幸せだ。
 

光、中間、そして「COLORLESSは」闇。
単なる真っ暗な闇ではなく、薄暗く色が識別できない空間に鋭く響かせているようなイメージ。
上述の2曲とはまたテイストが違い、強い「主張」を感じる。
「限られた時間内に生きる中で、敷かれたレールをわざわざ探して枠にとらわれている暇はない」「カテゴリに自分から嵌まっている必要はない。自分は自由に生きるけど、君は?」そんなメッセージがグサグサ、キレ良く刺さる。

ちなみに三浦さんは2013年11月、アルバム『The Entertainer』リリースに際したインタビューでこう語っていた。

≫基本的に三浦大知の音楽はカテゴライズできないものになっていくといいなと思うので、自分たちが作りたいものを振り切って作るという感じでしたね。

2020年現在、既にカテゴライズできなくなっていっている。ポリシーを貫いていて、かっこいい。

FNS歌謡祭のパフォーマンスは伝説だ。
アリーナツアーのオープニングで既に楽曲とパフォーマンスを観ていたが、実際に画面上ではっきり全貌を確認できたのは2019年12月4日 日本時間23時頃、FNS歌謡祭にて。
MVも白と黒のコントラストの中でセルフシンクロをしたりで有無を言わさずかっこ良いから絶対観るべきだけど、FNS歌謡祭のパフォーマンスがあまりに伝説すぎて忘れられない。
世間に発表されたてほやほやの曲(先行配信スタートが12月4日)をいきなり“大衆”に、しかもあのハイクオリティで見せつけ「ここにルールはない やりたい事が正解」と宣言してしまう三浦大知さん、反社会的勢力か?強すぎる。
12月4日は「世界カラーレス宣言の日」に制定しよう。
美しくてプライドを感じるパフォーマンスだった。

MVでもFNS歌謡祭でも、そもそもダンサーの皆さんが強すぎる。三浦さんを取り囲む神々なのか。陣の中で宇宙が発生している。 この概念はまさに東寺(教王護国寺)の立体曼荼羅。
ダンスの詳しい技術とかわからなくても自然と鳥肌が立つ。足さばきの美しさも見とれる。
 

丹精込めて紡がれた作品が放つメッセージが強くて、拙くても自分がどのように受信したか「お返し」せずにはいられなかった。
一言で言えば「凄い」「やばい」なんだけどそれではいけない、なにか!と思わせてくれる、そんな作品に出会えるのは幸せなことだな。
わたしも可能性を自分で狭めず、自分なりに「自分」を作っていこう、そう思えた。

  • 投稿作品の情報を、当該著作者の同意なくして転載する行為は著作権侵害にあたります。著作権侵害は犯罪です。
  • 利用規約を必ずご確認ください。
  • ハートの数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。
音楽について書きたい、読みたい