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あまいたましい

キリンジ

 
 
人生には虚無の期間もあるらしい。
感情に振り回されて生きてきた人間の感情が、家出をした。

なにを見ても、なにを食べても、なにも感じない。
それは大好きな音楽にも影響し、感情に訴えかける曲を 最近聴けなくなった。
 
 

だけど、そういえば なんとなく
キリンジが居た。

わたしは、キリンジをあまり知らない。
何曲か好きな曲がある。ただそれだけ。
ただそれだけだから、良いこともあるのかもしれない。

押しつけてこない、感情に揺さぶりをかけてこない、なんとなくそこに在る音楽。

天才だけど、偶然通りがかった者ですみたいな顔をした音楽。
 
 

人はひとつになれないし、明日も朝は早いし、税金は払わなきゃいけないし、どうしたら良いんだろう。
夢も追いかけたい。
コインランドリーにも行かなきゃ。
 
 

いつかきっと大丈夫になれますようにと願う部屋で、キリンジが じんわりと優しかった。
 
 

「手を取り 抱きしめあえば(1)」呼吸することが少し楽になってしまう。そんな生活。
そんなものだとわかっている。
でも、もがいている自分がいつも居る。
 
 

いっぱいお金が欲しい。飽きるほど愛されたい。他人よりちょっと賢く生きたい。あなたに可愛いって言われたい。幸せになりたい。
隙間が満たされても、隣の芝生はいつも青い。

ぜんぶ自分でわかっている。
 
 

キリンジの音楽は
そういう濁って淀んだくだらない悲しみを、
牛乳みたいにしてくれる。

心臓をもちもちされている気がする。

お布団みたいで、
(まあまあ とりあえず眠りなよ)
と、諭されている気がする。
 
 

あなたとキリンジはちょっと似ている。
ただそばに居て、
慈しむみたいに微笑んでくれる。
 

もう少し待っていてね。
いっぱい欲しがらずに 生きるね。
 
 

「手を取り 抱きしめあうなら
  それだけで何も 何もいらない あぁ
  君と僕に(1)」
 
 
 
 

(1)キリンジ「スウィートソウル」から
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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