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『HYPE』に寄せて

米津玄師 「灰色と青」が好きなワケ

 私には想い出があまりない。
自分で自分の記憶を消してきたから。他人の記憶から消えるように生きてきたから。
唯一あるとすれば、子供の頃のこと。公園のブランコ。神社の境内での虫取り。川遊び。雪だるま。両親に優しく見守られ、何の不安もなく穏やかに過ごせた日々。

 大人になるにつれ、生き辛さを感じるようになった。自分の価値を見出せず、「ダメなやつ」..と悟られるのを恐れ、他人を避けた。孤独だった。孤独な記憶は全部消し去り、自己否定と諦観の日々を送っていた。

とあるきっかけで出会った相方は、そんな私を責めることも諭すこともなくいろんな所へ連れ出してくれた。それでもうまく笑えず殻に閉じこもろうとすると、さらにそこから引きずりだそうとしてくれた。そう、想い出を残すために。

そんなある日、ふと出来た心の余裕の隙間に『灰色と青』が飛び込んできた。聞いた瞬間一瞬で子供の頃の記憶へと帰っていった。

 『「何があろうと僕らはきっと上手くいく」と無邪気に笑えた 日々を憶えている』

美しいメロディー、郷愁的で切ない詞… 涙が溢れた。原点に戻った気がした。私は今まで何をやってきたのか… 何の努力もせず嘆いてばかりで… あの穏やかで温かな原点がある限り、私はもっと強くいきられたのではなかったか? 今更ながらそう気づいた。

   「どれだけ無様に傷つこうとも 終わらない毎日に花束を」

そうだ。傷ついてもありのまま堂々と生きればよかったんだ。
私はもう半世紀以上生きてしまっている。残りの人生は短い。今からでも間に合うか?いや間に合わなくても精いっぱい生きなくちゃいけない。そう強く感じた。

今回の2020HYPEツアーへの参加チャンスを相方が勝ち取った。年齢的に、参加していいものかどうか迷ったが、行って良かった。米津さんの生歌は最高だった。心を揺さぶられる要素満載だった。『灰色と青』の熱唱は深く心に染み入った。ずっとずっと聴いていたかった。
今回のライブこそ、私の心の奥底に残る最高の想い出となるだろう。

米津さん、素敵な曲をありがとう。存在してくれてありがとう。
そして相方、本当にありがとう。
 
 
 

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