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終わりと始まり。

34歳、おじさんへ向かう1人の男のリアル。平手友梨奈という衝撃。

2020.1.23 夕刻。

 職場の部下が
スマホを見ながらこう言った。
「大変な事が起きました!
 これは凄いニュースです!」

部下のとても驚いている様子に
僕は、
「今この瞬間、
とてつもない事件が起きているのか!?」
心の中に焦りと不安を感じた。

すぐに部下に聞いた。
「どうした!?
 そんなにとんでもない事が起きたとしたら、
 どっかの国がミサイルでも撃って来たか!?」

部下は少し言いにくそうにこう言った。
「いや、欅坂の平手友梨奈が脱退しました、、」

なんだそれ!?
くだらない!

瞬間的に不安すら感じた分、
返ってきた答えに少し苛立ってしまった。
 

くだらない。

どうでもいいトピック。
 
 
 
 

仕事が終わり、帰宅。

夕食、シャワーなどいつもと変わらない夜。

そろそろ寝ようかとベッドに向かい、
寝る前の恒例になっているスマホいじり。

ネットニュースでもYouTubeでも、
今日部下が話していたアイドルが脱退するという話題が
たくさん出ていた。

欅坂46の認識はあったが、
メンバーの名前なんて1人も知らない。

「平手友梨奈」という話題になっている子が
どの子なのかもわからない。

ただ、「サイレントマジョリティー」というのは
YouTubeで何度か観たことがある。

ファンの方には申し訳ないが、
「変な踊りを踊らせられている、垢抜けない少女たち。」
そういった印象だった。

これだけ話題になっているし、
寝る前に少しだけ観てみるか。

久しぶりに「サイレントマジョリティー」の
MVを観てみた。

やっぱり変な振り付けだ。

この真ん中の女の子が「平手友梨奈」か。

可愛らしい子だけど、
34歳の自分からしたら、
何でそこまで人気があるのかわからないな。
 

関連動画に
「黒い羊」のMVが表示された。

これも欅坂か。
また変な振り付けなのかな?

興味本位で「黒い羊」のMVを再生。

さっき観てた感じとは随分と違う雰囲気だな。

この子が「平手友梨奈」かな?
でもだいぶ印象が違うけど。

そんな事を考えながら、
何気なく再生した動画ながら、
その映像と曲に引き込まれ、
歌詞もしっかりと聴き取りながら
スマホの画面に集中していた。

まるで映画みたいなMVだな。
 

そして、

曲の終盤、涙が溢れた。

34歳のアイドルに興味のない男が
真夜中のベッドの中で
アイドルのMVを観て泣いているのだ。

「黒い羊」を観終わると
次は関連動画に
「角を曲がる」というのが出てきた。

再生を押してみる。

また印象の違う「平手友梨奈」らしき子が
今度は1人で踊っている。

ソロ曲もあるのか。

これもまた違う印象で、
平手友梨奈という子は
曲によって随分と印象が変わるんだな。

そして曲の終盤、

また泣いてしまう。

泣こうと思っていないのに涙が出る。

あれ?
おかしいぞ?

俺はロック好きの34歳だ。

好きなアーティストは
細美武士
BRAHMAN、10-FEET
Dragon Ash など。

男臭いバンドが大好きで
アイドルなんてどっかで見下しながら
生きていたはずだ。
 

「言葉でうまく言い表せない」
とは正にこの事か。

そう思うほどに、
説明はできないが
この瞬間に
「平手友梨奈」という人物と
衝撃的な出会いを果たしてしまった。

「角を曲がる」を観終わった後も
ひたすらに欅坂46の動画を次々と夢中で観ていた。

気付けば朝。

アイドルの動画を夢中で観て朝を迎えるなんて、
自分の頭がおかしくなったのか?
と疑うほどに自分でも異常なハマり方だった。

睡眠不足で仕事をする。

仕事中も
「平手友梨奈」が頭から離れない。

仕事が終わると、
また夜更かしをして何度も何度も
「欅坂46」「平手友梨奈」
の検索で出てくる動画をひたすらに観続ける。

その合間には
ネット検索で
「欅坂46」「平手友梨奈」
で出てくる記事を順番に読んでいく。

Apple Musicで
「はじめての欅坂46」というものを
追加する。

どうやら完全にハマってしまったようだ。

東京ドーム公演の
DVD、Blu-rayも発売されるらしい。

まさか自分がそれも買うのか!?
 

買った。
 

発売日前日の夜にタワーレコードに行き、
小学生がエロ本を買うような気持ちで
「欅坂46」のBlu-rayをレジに持って行った。

サカナクションのBlu-rayの下に隠して、
2枚重ねてレジに持って行った。

34歳のロックバンド好きの自分が
アイドルのBlu-rayを自分用に買うなんて、
それ程までに抵抗がある事だった。
 

サカナクションは自分用。
欅坂46は妹に買って来てと頼まれて、ついでに。

自分に妹はいないが、
そうゆう設定でレジに持って行ったのだ。

何ともくだらない話だが
これが本当だから自分でも笑えてくる。
 

東京ドーム公演のBlu-rayを観てみる。
 

もはや当たり前のように泣く。
 

この涙の意味は何なのか?

なぜ泣くのか?

それが不思議と本当に説明ができない。
 

唯一、
最初に「黒い羊」のMVを観て泣いた時は、
何となく理由がわかった。
 

自分は、
普段から孤独を感じていた。

持って生まれた性格なのか、
良くも悪くも
何でも言いたい事を言って生きている。

イエスマンとは真逆の存在。

職場では、上司にも部下にも
自分の意見をズバズバと言うタイプで
それを評価される事も確かにあるが、
多くの人から煙たがられたり、
どこかでいつも孤独を感じている。

自分は他の人とは違う、
変な人間なんだと落ち込む事ばかり。

だけど、言いたい事は
全て真っ直ぐに伝えないと納得がいかない。

本当に34年間、
この自分の性格と付き合うのが
なかなか疲れる事である。

本当はもっと妥協して、
みんなに合わせて
ニコニコ楽しくやって行けたら。
 

そんな気持ちがあっても、
気がつけば人に向けて
厳しい言葉を言っている。

そんな自分の葛藤と
「黒い羊」の歌詞、
そしてMVの印象が
重なった。

アイドルと言われるジャンルの曲に
自分を投影して泣くとは思わなかった。

「黒い羊 そうだ 僕だけがいなくなればいいんだ」

「目配せしてる仲間には僕は厄介者でしかない」
 

この秋元さんの
歌詞をアイドルが表現するのには無理がある。
 

歌わされている。

そういった印象から、
曲が心に届かないはずだ。
 

だが、
それを「平手友梨奈」は
しっかり伝えていた。

十分すぎる程に、
まるで自分の言葉であるかのように。

「平手友梨奈」が人気があるのは、
この表現力なんだと思う。
 

ロックバンドが大好きな自分だからわかる。

「平手友梨奈」とは、正真正銘のロックだ。

細美さんやTOSHI-LOWさんと似ていると本気で思う。
 

「不協和音」の歌詞にある、

「不協和音を 僕は恐れたりしない
 嫌われたって 僕には僕の正義があるんだ」

「ここで主張を曲げたら生きてる価値ない」

たまらなくロックな歌詞だ。

「平手友梨奈」という人間も
この歌詞と同じ生き方をしているんじゃないか?
と想像してしまう。

ネットニュースでは、
嘘か本当かもわからない記事で
多くの批判も浴びている。

それが真実かどうかは知らないが、
僕は何だかワクワクしてしまう。

職場で若い世代と関わる事も多いが、
「今の若者は」
というワードは禁句かもしれないが

今の若者は
良くも悪くも大人しい。

人に批判をされても、
衝突が起きたとしても、

やっぱり自分の意思を
きちんと伝えられる人に
僕は共感する。
 

「言いたい事が言えなくて、
伝えたい事を伝えるのが苦手で」

そんな相談を持ちかけられる事は
とても多い。

だが自分にはよくわからない。

「言いたい事を言ってしまうから
人に怖がられたり煙たがられたりして」
そっちで悩んでいるタイプの人間だから。

自分が特殊で、
変わり者だから
上手に生きていけない。
そう悩んでもいるが、

欅坂46や平手友梨奈が世間から肯定されていると
自分と同じように感じる人もたくさんいるんじゃないか。

そう思って少し気持ちが楽になった。
 

「平手友梨奈」脱退。

これを悲しい事と捉えている方も多いと思うが、
僕は、この脱退がきっかけで、
随分と遅くはなってしまったけれども
「平手友梨奈」「欅坂46」を知ることができ、
好きになる事ができたので良かったと思っている。

アイドルと呼ばれるジャンルや、
アイドルのファンの方に
偏見を持つ事も見下す事も愚かな事だとわかった。

今となっては、
ロックバンドも変わらず大好きでLiveでは暴れるが、
同時に「欅坂46」が好きで聴いている。
と堂々と言える自分がいる。

これから
「平手友梨奈」
「欅坂46」が
どうゆう活動をしていくのか、
遅れてきたファンとして
楽しみだ。
 

この文才が無く、稚拙な長文の文章でも
何人かの人の目に届く事があれば、

色んな悩みを抱えて、
自分が嫌になりながらも
僕ももがいて生きています。

だから皆さんも
きっと、大丈夫!!

そう伝えたいです。

アイアム
エキセントリック
変わり者でいい。
 


 
講評
平手友梨奈の欅坂46脱退をきっかけに初めて楽曲を聴き、歌詞のメッセージ性や平手の表現力の高さへの気づきを綴った作品。欅坂46に魅了されていく投稿者自身の気持ちの変化を丁寧に描くことで、なぜ欅坂46がアイドルファン以外のリスナーの心をも掴むのかが見事に表現されていました。“黒い羊”に自分を投影した投稿者に共感するファンはきっと多いと思います。

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