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愛のある世界になるように

Mrs. GREEN APPLE アリーナツアー「エデンの園」に寄せて

2020年2月16日の15時頃、私はMrs. GREEN APPLE(以下 ミセス)に出会ってからの5年間の様々な出来事を思い出しながら「エデンの園」のファイナル公演の開演を待った。

私が彼らの存在を知ったのは約5年前、ミセスがメジャーデビューする数ヶ月前の事だった。

その当時から音楽を聴くことが好きだった私は、音楽が好きな人達と交流する為のTwitterアカウントを持っていた。そのアカウントでフォローしていた人達の中の数人が、ミセスに関する事を呟いたりメンバーのツイートをリツイートしたりしていたのがきっかけで彼らの存在を知った。

しかし名前を知ったからといって、すぐにそのアーティストに興味を持ち、曲を聴く人間がどれほどいるだろう。少なくとも当時の私は、音楽を聴くことは好きだが特定のアーティストの曲をひたすら聴くというタイプだったので、アーティストにすぐに興味を持つような事はなく、その日はミセスの曲を聴くことがないまま、そんなバンドがいるんだなくらいに思っていた。そして数日が経っていく中で、あまりにもフォローしている人達の中で話題に上がるので、さすがにどんなバンドか気になって曲を聴いてみる事にした。

今はこんなに好きなアーティストでも、出会った時の記憶はあやふやなもので、初めて聴いた曲はおそらく、youtubeにライブ映像がアップされていた「ナニヲナニヲ」か「アンゼンパイ」だ。メンバーの事もほとんど知らないままに初めて聴いたミセスの音楽。正直に言って運命的な出会いと言えるほどピンとくるような感覚は無かったような気がする。でも気づけば毎日のようにその映像を見ていて、youtubeにアップされている他の動画も毎日のように見て、それでは足りなくなって「Progressive」を買って、そうやっていつの間にか彼らの音楽に魅了されていた。

始めてライブに行ったのは、それから半年も経たないくらいの頃だった。200人も入らないくらいの福岡の小さなライブハウスで、ツーマンツアーにゲストバンド1組という実質スリーマンのライブだった。他のバンドのファンも含め200人以下というキャパシティのライブでも、当時は普通にチケットが取れた。だから1万人以上入るアリーナでのワンマンをソールドアウトさせている今の状況は、本当に信じられないくらい凄い事だ。あの頃から今に至るまでの彼らの努力や葛藤は、きっと私なんかには想像出来ないほどのものだろう。

ライブが始まる直前まで、ずっとそんな事を考えていたものだから1曲目から私の目には涙が浮かんでいた。

「ミセスを結成した頃は、ライブをしては怒られて、帰ってひたすら練習したり、メンバーと話し合いをしたり、出会いも別れもあって、本当に色んな事があって、でも、この景色を見て、今までやってきた事は無駄じゃなかったんだと思えた。」
この日の最後の曲を演奏する前のMCで、ひろぱが泣きながらそう語った。この5年間を爆速で駆け抜け、傍から見れば順風満帆のように見える彼らにも、やはり表には出さない沢山の想いがあったのだ。ステージに立ってキラキラと輝いている彼らも私達と同じ人間で、私達と同じような悩みを抱えているのかもしれない。だからこそ、ミセスの音楽はこんなにも私達の心に寄り添ってくれるのだろう。

「僕達自身、楽曲それぞれに色んな思い入れがあるけど、それはファンの方も同じで、ある曲で凄く喜んでくれる人がいれば、同じ曲で涙している人もいる。」
MCで涼ちゃんがそう話してくれた。ミセスがメジャーデビューしてからの5年間、私は彼らの音楽と共に生きてきた。この5年間は私にとって良いことばかりではなく、辛い事や苦しい事や悲しい事のほうが多かったように思う。夢を抱いて上京した事、思うようには行かず挫折した事、そんな中でミセスの音楽がいつも隣で寄り添っていてくれた。憂鬱な気持ちで学校やバイトへ向かう時、自分の弱さに泣きたくなるような帰り道、頑張って、頑張って、でも何も上手くいかなくて頑張る方法が分からなくなった時、いつも私はミセスの音楽を聴いていた。セットリストのどの曲も、イントロが鳴った瞬間にその曲を何度も聴き込んでいたあの日の風景と思い出が頭に浮かぶくらい、私の5年間は彼らの音楽と共にあった。彼らの音楽がなければ乗り越えられなかった事が沢山ある。

「また会いましょう!」
ライブの最後に元貴さんが言った。

また会いたい。

また会える日まで。

また会えるように。

この5年間、その気持ちが私のやる気や勇気を奮い立たせてくれていた。だからその言葉が何よりも嬉しくて、沢山の愛を貰ったような気がした。

7月8日、ミセスは今年でメジャーデビュー5周年を迎える。5年前はまだ16歳だった私も気づけば21歳、立派な大人だ。10代の頃はまだまだ子供で、自分の事だけで精一杯になって周りの人に愛を持って接する事が出来ない時があった。でも、これからは大人として自分より下の世代の人達に恥ずかしくない生き方をしていかなければならない。彼らの音楽に愛や勇気を貰いながら生きていくのはこれからも変わらない。でも貰うだけじゃなく、その愛や勇気を次は私が誰かに渡していきたいと思う。彼らに貰った沢山の愛を決して無駄にしないように。この世界が今よりちょっとでも愛のある世界になるように。

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